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海底に潜む2匹の肉食魚<マゴチ>と<ヒラメ> 釣り人視点で考察する“異なる狩りのスタイル”とは?

サカナト

ヒラメ(提供:PhotoAC)

砂底には、似ているようでまったく違う2種の肉食魚がいます。マゴチヒラメです。

いずれも砂地の海底に暮らす魚ですが、その姿や捕食のしかたは大きく異なります。

【画像】魚好きの常識“左ヒラメ・右カレイ”の例外<左カレイ>な魚

細長い体で海底に潜むマゴチと、平たい体で砂に溶け込むヒラメ──どちらも小魚を狙う捕食魚でありながら、獲物へのアプローチはまったく違うのです。

マゴチとヒラメの捕食行動を見ていくと、それぞれの生存戦略の違いが見えてきます。

砂浜でしたたかに獲物を狙うフィッシュイーター

砂底に暮らすマゴチとヒラメは、どちらも小魚を主な餌とするフィッシュイーターです。その食性から釣りのターゲットとしても人気があります。

食性や生息環境が似た2種ですが、体つきや目の付き方は大きく異なり、それぞれ異なる方法で獲物を捕らえています。

砂泥底で息を潜めるマゴチ

マゴチは砂泥底に身を潜めながら獲物を待ち伏せする肉食魚です。

細長い体を海底に沿わせるようにしてじっと潜み、近くを通りかかった小魚や甲殻類に素早く襲いかかります。

マゴチは主に沿岸の砂泥底に生息し、水深数メートルから数十メートルの海底で見られます。成魚は体長50cm前後に成長し、砂底の捕食者として海底の生態系の中で重要な役割を担っています。

マゴチ(提供:PhotoAC)

体色は砂底の環境に溶け込みやすい褐色で、海底では周囲と見分けがつきにくくなります。こうした体色や行動は、外敵から身を守るだけでなく、獲物に気づかれにくくする効果もあると考えられています。

獲物が射程に入ると、マゴチは大きく開く口で一瞬のうちに吸い込むように捕らえます。砂底でじっと待つ時間は長いものの、捕食の瞬間は非常に素早く、待ち伏せ型の捕食魚らしい行動を見せるのです。

産卵期は初夏とされ、この時期には浅い沿岸域に集まる個体も増えるといわれています。実際、釣具店でも時期になるとマゴチの釣果情報がよく掲載され、砂底を這うようにルアーを泳がせて狙う釣り人が増えてきます。

底から中層付近まで攻め立てるヒラメ

砂底に身を潜めるフィッシュイーターという点では、ヒラメもマゴチとよく似た存在です。しかし、その狩りのスタイルは大きく異なります。

ヒラメは平たい体を砂に埋めるようにして海底に潜み、周囲を通る小魚をじっと待ち構えます。獲物が近づくと海底から一気に飛び出し、上方向へ襲いかかるようにして捕らえるといわれています。

成長したヒラメの主な餌は小魚で、イワシ類やキス、ハゼ類などを捕食。着底直後はアミ類を食べますが、成長に伴い魚を中心とした食性へ変わっていきます。

ヒラメ(提供:PhotoAC)

ヒラメの大きな口は上方向に開く構造になっており、海底から中層付近を泳ぐ獲物を狙いやすい形をしています。砂底に身を潜めながら、射程に入った瞬間に飛び出して捕らえる、海底の待ち伏せ型捕食者でもあり、立体的な捕食行動を見せる魚ともいえるでしょう。

ルアー釣りでも、底を這うようなルアーだけでなく、底から少し上を泳がせるようなルアーにも飛びつくことがあります。実際の小魚を針にかけて泳がせる釣り方でもよく釣れることから、ヒラメの小魚に対する執念を感じる場面も少なくありません。

同じ海底でも異なる生存戦略

同じ砂底という環境に暮らしながら、マゴチは海底を這うように横方向へ、ヒラメは下から上へ──。

似た環境に生きる二種の魚が、それぞれ異なる方法で獲物を捕らえているところに、生存戦略の面白さがあります。

砂浜の海底は、静かに見えて多くの捕食者が潜む世界。釣り人が狙うその一投の先でも、こうしたしたたかな駆け引きが日々繰り広げられているのです。

(サカナトライター:そい太)

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