「一緒にお風呂」の卒業タイミング アンケートでわかった「本当のやめ時」と「うまくいく考え方」
子どもと一緒にお風呂に入るのはいつまで? 何歳まで? 小学生ママたちのリアルな声をもとに、異性親子の「一緒にお風呂」卒業のタイミングを徹底調査。小学校入学、子どもの気持ちの変化、性教育……自然な卒業のきっかけとは。
異性の親子が一緒にお風呂に入るのをやめたのは、子どもが何歳のときだった?(アンケート結果)子どもが大きくなるにつれて、「いつまで一緒にお風呂に入るのだろう?」と考えたことはありませんか? 「年齢で区切るべきか」「心身の発達にあわせるべきか」など、正解がないからこそ悩むテーマです。
また、令和2年には、公衆浴場における男女の混浴制限年齢が「おおむね10歳以上」から「おおむね7歳以上」に引き下げられました。こうしたルールの変化もあり、「うちもそろそろ……」と気になっているママも多いのではないでしょうか。今回は、気になるけどほかの人にはちょっと聞きにくい、親子のお風呂事情についてママにアンケートを実施しました。
アンケート概況:
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2025年4月2日~15日インターネット上で実施。有効回答数は108件。
異性親子の「一緒にお風呂」は6~10歳で卒業が増える
コクリコラボアンケート
「異性の親子(パパと娘、ママと息子)が一緒にお風呂に入るのをやめたのは、子どもが何歳のときでしたか?」という質問に対し、「やめた」年齢は6~10歳という回答が多く、また「まだやめていない」子どもの年齢も0~13歳と家庭によって幅広い回答が得られました。
コクリコラボアンケート
次は「異性のきょうだいと一緒にお風呂に入るのをやめたのは、子どもが何歳のときでしたか?」という質問。やめた年齢は3歳から12歳と幅広く、ご家庭で判断が分かれていることがうかがえます。
入学、成長、本人の意思…卒業のきっかけはそれぞれ
お子さんと一緒にお風呂に入るのをやめた理由やきっかけには、どのようなものがあったのでしょうか? ママたちのリアルな声をご紹介します。
年齢や小学校に入学するタイミング
……保育所卒業のタイミングで一人で入るように練習。
……小学校に入学するタイミングで一緒に入るのをやめました。
年齢や入学は、親子にとって気持ちの切り替えもしやすい節目。「一緒にお風呂」を卒業するきっかけとしても、自然なタイミングになっているようです。
子どもの意志や反応
……娘が嫌がるようになったから。はっきりわからないが、パパが娘の身体の成長度合いをからかったりしだしたからだと思う。
……娘の意思で主人とは小4あたりから、弟とは小6あたりから入らなくなりました。私とは抵抗ないらしく話をしたいときは一緒に入ってます。
子どもの申し出によって一緒にお風呂に入るのをやめたという声が多く寄せられました。
座談会に参加したママからは、こんなお話も聞けました。
……娘の場合は小学校5~6年のころに、パパとは恥ずかしいと思うようになったものの、それをパパに言うのが恥ずかしくて、私に相談してきたことがありました。それを私から夫に伝えました。
気になるパパの反応は、「少し寂しそうでした」とのこと。我が子からの独立宣言に「寂しい」と感じてしまうパパは多いと思いますが、成長の証として受けいれたいですね!
……第1子、第2子ともに、本人が避けるようになったのがきっかけです。あからさまにはいってきませんでしたが、いやがるタイミングを受け入れました。
言葉にはしないものの、避ける様子や嫌がる反応を感じとり、一緒にお風呂に入るのを卒業したというママも。子どもからのサインを見逃さないよう、日ごろから気持ちや様子に目を向けておくことが大切ですね。
……息子が3年生のころから、母親の体を見てニヤニヤしたり、自分との体の違いについて意識するような様子が出だしてから、そろそろ一緒に入るのを止める時期かと感じ、やめるようになった。
……お風呂で私の体をじっと見てるときがあるなと感じたので、8歳になったら一緒に入らないよと先に伝えておいて、その日からやめた。
いっぽう、ママと息子の異性親子の場合は、ママのほうから卒業をうながしたという声が多く聞かれました。その理由として多かったのは、子どもの反応や様子に変化を感じたこと。「○歳になったらやめようね」と前もって伝えておくことで、子どもも心の準備ができそうです。
……第1子の息子はその辺に対する意識が低く、無頓着で、母親の私のほうがもう一緒に入る年齢ではないと判断しました。
本人は気にしていないものの、ママのほうが「そろそろかな」と感じて卒業をうながしたという声も。
時間や生活リズムの都合
……フルタイムで仕事をしていて、子どもがお風呂に入っている間にご飯の支度をするために、長男が小学校に上がるタイミングで、子どもたち2人でお風呂に入ってもらうようになりました。
……運動系のならいごとをして帰ったらそのまま風呂に入るようになったため。
野球やサッカーなど、運動系のならいごとから汗だくで帰ってきたら、「そのままお風呂へ直行!」というご家庭も多いのではないでしょうか。ママとお風呂のタイミングがずれるうちに、いつの間にかひとりで入るのが当たり前に……という、ごく自然な流れでの卒業です。
……一緒に入るには狭くなり、自然と入らなくなった。
一緒に入るのが窮屈に感じたときも、卒業を考えるひとつのサインになるかもしれません。
性教育・社会的視点
……小学校で体のしくみや男性と女性の違いを学び出したくらいから。
……ママのコミュニティに入り、日本の性教育がかなり遅れていると知ったためです。
性教育の観点から、一緒にお風呂にはいるのをやめたという声もあります。体の変化について学びはじめる小学校4年生は、卒業のタイミングのひとつになるようです。
……背が高く発育がいいので10歳になる前には止めなくてはねと夫と話をしていました。公共の温泉で異性の子どもが一緒に入浴できなくなる基準が6歳くらいなのも考えて、2年生になったタイミングで少しずつ減らしていきました。
……夫の実家がある長野県で旅館に泊まった際、大浴場に『異性の子どもは10歳以下まで可』と書いてあったのを見て「そうか!」と思い、長男は10歳になってから一緒に入っていません。
……旅行で息子たちを女子風呂に入れた際にほかの学生の女性客からいろいろいわれたため。
公衆浴場の混浴制限年齢を知り、「ハッ」としたというママの声も少なくありません(2025年現在は「おおむね7歳以上」に引き下げられています)。とはいえ、家族構成はさまざまで、異性親子の場合、年齢制限のルールに従うべきか悩む場面もあるかと思います。混浴制限年齢は自治体や施設によっても異なるため、お出かけ前に施設情報を確認したり、問い合わせたりしておくと安心です。
いつかは訪れる「一緒にお風呂」の卒業。 写真:SAMURAI/イメージマート
同性親子は「まだまだ一緒にお風呂」
コクリコラボアンケート
「同性の親子(パパと息子、ママと娘)が一緒にお風呂に入るのをやめたのは、子どもが何歳のときでしたか?」と聞いてみました。もっとも多い回答は6歳ですが、異性親子と比べて「まだやめていない」という回答が多く、まだ一緒に入っているという家庭が多いことがうかがえます。
親子で一緒にお風呂に入ることについて、同性親子のママの考えやエピソードをご紹介します。
……本人が良ければいつまででもよいと思う。
……親もしくは子どもが「いや」という気持ちがなければいつまでも、いつでも入っていいと思います。
お子さん本人の意思は尊重しつつも、同性なら「ずっと一緒でもOK」と考えるママが圧倒的に多かったです。これは異性親子でのアンケートでは見られなかった意見であり、同性親子ならではの考えといえます。
……お互いの悩みや身体の違いなどを知れて、同世代の子との違いを単なる個性として受け入れやすくなるし相談しやすくなると思って。
……「自分もこうやって成長していくんだなぁ」と、ふんわりでも分かっていると、身体の変化への抵抗や嫌な気持ちが軽減されるかな? と思っています。
言葉では説明しにくいことが、お風呂を通してそっと伝えられることも。
……お風呂はリラックスするからか、子どもがぽつりと悩みや相談を話してくることがあり、同性にしか話しづらい内容を話せる時間にもなるので、よい部分もあると思います。
……身の回りのことを自立してするという部分においては、いつまでも一緒に入るべきではないと思いますが、入浴時だからこそゆっくり話ができるということもあるので、何歳まで一緒に入るかの判断が難しいなと感じています。
お風呂が、親子でのコミュニケーションの場になっているという声もたくさん寄せられました。お風呂ならではのリラックスした空間が「なんとなく話しやすい雰囲気」を作っているようです。
……男同士いつも楽しそうにお風呂に入っているので、パパがいるときはコミュニケーションをかねて積極的に一緒に入らせてます。
お風呂からにぎやかな声が聞こえてくると、思わずほっこりしますよね。何でそんなに盛り上がっているのだろう……と、こっそり聞き耳を立てたくなります。
……子ども本人が嫌がれば入らないし、同性だからといって入浴について特に何か決めることはない。基本的に異性の親子での入浴と考えは同じ。
「男の子だから」「女の子だから」と性別で入浴のルールを決めていないというこちらのママ。性別で線を引かず、子どもの気持ちに合わせるのも大切ですね。
子どもの気持ちに寄り添い、無理のない区切りを
アンケート結果やママから寄せられたエピソードから、お風呂の卒業に対する考えかたは、ご家庭によってさまざまだということがわかりました。
「いつまでに卒業しなければならない」という明確なルールはありません。貴重なコミュニケーションの場として大切にしたい、と考えるご家庭もあるかと思います。お子さんの気持ちや成長に寄り添いながら、無理のないタイミングで卒業できたらいいですね。みなさんは、お子さんとのお風呂卒業を考えたことはありますか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。