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令和のシンデレラガール・小西桜子、窪田正孝の相手役大抜擢も「毎日限界状態」

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令和のシンデレラガール・小西桜子、窪田正孝の相手役大抜擢も「毎日限界状態」

三池崇史監督が東映とタッグを組んで生まれたオリジナル作品『初恋』。三池監督らしいバイオレンスの色合いのなかに、キュンとなる“恋”がまぶされる意欲作だ。そんな作品で、窪田正孝演じる余命宣告をされた天才ボクサーが運命的に出会う少女・モニカを演じたのが、新鋭・小西桜子だ。ほぼ無名の女優が、3000人というオーディションのなか、見事ヒロインに抜擢された。そんな小西の素顔に迫る――。


■3000人のオーディションを勝ち抜いたシンデレラガール!


1998年生まれ、現在21歳の小西は、『初恋』の3週間前に公開された『ファンシー』で劇場映画デビューを果たした新人だ。『ファンシー』そして本作ともに、オーディションのなかから、見事役柄を勝ち取った。特に『初恋』は3000人という大規模な選考からヒロインの座を射止めた。


「実は『ファンシー』のクランクアップ翌日が『初恋』のオーディションだったんです。前作がいっぱいいっぱいだったので、正直『初恋』のオーディションへの準備ができていなかったのですが、次の仕事がいつ決まるかもわからない状況なので、とにかく必死にやらなければいけないと思って、気持ちだけで臨んだんです」。

オーディションのためにもらった台本のト書きには「薬物中毒で、売りをやらされていて、父親との関係のトラウマでPTSDになっている女の子」という設定が書かれていた。小西は「えーこれは……」と構える部分があったというが、とにかく強い気持ちで臨むと、三池監督からは「考えてきたことの7割ぐらいで」という指示があった。小西は「7割といっても、なんの準備もできていなかったので、取り繕うことなく、自分のありのままを出すしかなかったんです」と、ある意味無心で臨んだことを明かす。


結果は合格。三池組への参加となった。「もうとにかく死ぬ気でやろうという思いでした」と撮影初日の心構えを語っていた小西。しかし現実は厳しかった。「本当になにもできませんでした」と苦笑いを浮かべると「明日こそは……と臨むのですが、うまくできない。それの繰り返し。撮影の後半になって、ようやく冷静になれましたが、本当に毎日自分を鼓舞しながらやっていました」。


完全に追い詰められていた小西だったが、周囲はそんな彼女を優しく包み込んだ。特に『ファンシー』に続き本作でも共演した窪田は頻繁に声をかけてくれたという。「窪田さん自身、三池監督と10年前にご一緒していて、そのときの話とかをしてくれて、励ましてくださいました。すごく温かくしていただけたので、なんとか乗り切ることができました」と撮影を振り返る。


前述したように、小西が演じたモニカは、かなりハードな生い立ちを持つ。前作の『ファンシー』でもやや現実離れした女性を演じた。「自分の人生で経験できないような役を演じられるのは、とても楽しいことです」と目を輝かせると「これまで私の人生のなかでも、ネガティブな感情を持つことは多々あったのですが、そんなことも芝居に反映できるんだなと実感しました。誰かになるということは、すごく魅力的だし、もっといろいろな経験をしたいと思いました」と前を向く。

■こじらせ女子の殻を破るきっかけとなった山戸結希監督の『おとぎ話みたい』


もともと映画が大好きだったという小西。漠然と演じることへの興味はあったというが、決定的に気持ちが動いたのが、「こじらせていた」ときに出会った山戸結希監督の『おとぎ話みたい』。「思春期に私は長年に渡ってこじらせていたんです。自信がなくて、なにをやるにも頑張る気力もないような女の子でした。そんなとき山戸監督の映画を観て、鬱屈したヒロインが、徐々に変化し輝いていく姿を観て、自分自身も解放された気分になったんです」。


そこから“演じる”ということを強く意識した小西は、大学の先輩の自主映画に役者として出演。その楽しさに魅了され、商業映画のオーディションにも参加するようになった。そして『ファンシー』『初恋』と立て続けに合格。「本当に運がよかったと思う一方で、私なんかよりももっとすごい方がたくさんいたと思うのに、自分を選んでくれたというのが、すごく挑戦的というか、ありがたかったです」。


■カンヌのレッドカーペット!「覚悟が決まった」


さらに『初恋』では、窪田や三池監督と共にカンヌ国際映画祭の監督週間に参加し、舞台挨拶を経験した。「たぶん、こういう経験をしたいと思っている女優さんは何千人、何万人といると思うんです。そんななか自分にチャンスをいただけたことを、当たり前だと思ってはいけないと感じています。より強い気持ちでお芝居と向き合わないといけないし、演じることを仕事にしていくことへの覚悟が決まりました」。

「現場では毎日限界状態でした」と『初恋』の撮影について語った小西。実際、求められることに到達できない自分への失望や、壁の高さを痛感したという。一方で「そう簡単にたどり着けないからこそ、やりがいがある」とポジティブに考えられるようになった。こじらせて内に閉じこもっていた自分が、芝居と出会ったことで「いまは頑張ろう」と自然に思えるほど充実した日々を送っている。


小西はいま、人とコミュニケーションをとることが楽しくなったという。「以前とはまったく変わりました。いまは人が好きになっています」と明るい表情で笑う。“初恋”は5歳のときに鑑賞した『千と千尋の神隠し』のハクだと言うと「やっぱり“初恋”って大切なものですよね。運命的な“出会い”が今後もっとたくさん増えてくればいいなと思っています」と未来に思いを馳せていた。


取材・文:磯部正和

カメラ:秋葉巧



『初恋』

出演:

窪田正孝 大森南朋 染谷将太 小西桜子 ベッキー

三浦貴大 藤岡麻美 顏正國 段鈞豪 矢島舞美 出合正幸

村上淳 滝藤賢一 ベンガル 塩見三省 ・ 内野聖陽


監督:三池崇史

脚本:中村雅

音楽:遠藤浩二

配給:東映

上映時間:115分


(C)2020「初恋」製作委員会

2月28日(金)、全国ロードショー

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