伝説の美少女アイドル!岡田奈々の代表曲「青春の坂道」アンサーソングは「坂の途中で」
1970年代のアイドルたちは飛び抜けて可愛く格好良かった。いや、それは1980年代も1990年代も、そして今に至るまでも変わらないのだろうが、正確にいうと、一般人とのレベルの差がありすぎたのだ。歌唱力、ルックス、タレント性のどれかが秀でていた、あるいは兼ね備えていた者だけがアイドルとして活躍することが出来た。今のように会いに行けるアイドルも楽しいけれども、スターが手の届かない遠くに存在していた時代ならではの価値があった。その中でも神々しいほどに輝いていた女性アイドルのひとりが岡田奈々である。
青春ドラマ「俺たちの旅」にも出演していた岡田奈々
今年デビュー50周年を迎えた岡田奈々。リアルタイムでときめいたのは現在60代半ば以上の世代になるだろうが、その下の世代にとっても綺麗で可愛いお姉さんとして充分認識されている。地元の岐阜・柳ヶ瀬でスカウトされたのをきっかけに、オーディション番組『あなたをスターに!』の第2回チャンピオンとなり、1975年にNET(現:テレビ朝日)のドラマ『うしろの正面』で女優デビュー。同年、NAVレコード(現:ポニーキャニオン)から「ひとりごと」で歌手デビューも果たし、日本テレビの青春ドラマ『俺たちの旅』にも出演する。
ドラマの主演は中村雅俊で、岡田は田中健が演じた親友のオメダこと中谷隆夫の妹・真弓役。中村演じるカースケに淡い恋心を抱く健気な高校生で、物語に可憐な花を添える重要な役どころだった。番組が50周年を迎えた今年は『俺たちの旅 スペシャルコンサート』が展開され、来年1月には追加公演も決定している。もちろん岡田も出演して歌を披露したり、まさかの新作映画『五十年目の俺たちの旅』の公開まで発表されて、ファンの間でも大層な盛り上がりを見せているのだ。
瑞々しい青春ソング「青春の坂道」
このドラマに出演中の1976年3月にリリースされた4枚目のシングル「青春の坂道」は、岡田の歌手としての代表作となる。雑誌『明星』で公募された入選作を原案として松本隆が作詞、森田公一が作曲した瑞々しい青春ソング。瀬尾一三による爽やかなアレンジもいい。
『俺たちの旅』で岡田がフィーチャーされた第22話『少女はせつなく恋を知るのです』(シングルリリース3日前の放送だった)の劇中歌としても使用され、歌詞の一部が異なるバージョンがドラマのために録音されている。さらに松竹での主演映画『青春の構図』でも挿入歌になっており、これら「青春の坂道」幻のバージョンは、今年2月に発売された50周年記念企画『岡田奈々 青春のアルバム 復刻CDボックス』に収録されている。映画バージョンは奇跡的に発掘されたマスターテープからア・カペラを含む3パターンが聴ける。これはもう随喜のナミダものである。
「青春の坂道」のアンサーソング「坂の途中で」
かくなるゆえに熱烈なファンの多い「青春の坂道」が、今度はなんとアナログシングルで復刻されることになった。当時のカップリング曲は「恋はかくれんぼ」だったが、今回は2019年のCD&DVDボックス『my gratitude』の際に33年ぶりにレコーディングされた新曲「坂の途中で」をカップリングした両A面シングル。都志見隆の作曲でアレンジは船山基紀。一昨年惜しくも世を去った作詞家・三浦徳子によるノスタルジックな歌詞には “青春の坂道” というキーワードも登場して、43年の時を超えた秀逸なアンサーソングであった。
今回のパッケージデザインは大の岡田ファンを公言するサリー久保田氏が担当。「青春の坂道」のオリジナルシングルを踏襲したデザインで、変わらぬ美しさに目を見張るような写真を使った2つ折りジャケットになっている。レコードに針を落としながら、神回と名高き22話でカースケへの想いが溢れて涙する真弓の健気な姿を思い出しつつ、年明け公開の映画『五十年目の俺たちの旅』への期待がますます高まるのだった。
本当に愛しているのなら
心の中にしまっておきたい
『俺たちの旅』第22話
「少女はせつなく恋を知るのです」より
Information
岡田奈々デビュー50周年記念CD-BOX『青春のアルバム 復刻CDボックス』絶賛発売中
▶︎ キャニオンレコードよりリリースしたアルバムをコンプリート。CD8枚(オリジナルアルバム7枚+ライブアルバム1枚)を高音質盤(UHQCD)で初リリース。
▶︎7インチシングルサイズの紙ジャケット仕様でアルバム8タイトルを復刻。
▶︎ 購入サイト
https://nanaokada-50th.ponycanyon.co.jp/