4月のETC障害、コーポレートカード利用者は今後の請求分から減額へ方針転換 NEXCO中日本
中日本高速道路(NEXCO中日本、愛知県名古屋市)は5月2日、管内の高速道路で4月6日から7日に発生した、大規模ETCシステム障害について、発生した時間に該当の料金所を利用した全員に対して、料金を請求しないことを発表した。同事象による影響台数について、同社は約96万台と推計する。
料金請求を中止して還元へ、現金やクレカで支払い済みだとウェブサイトで要手続き
ETCコーポレートカードを使用して一般レーンなどを通過した場合は、同額を今後の請求分から減額する。一方、現金やクレジットカードで支払った場合は、利用者からの申請に基づき、同額相当のクオカードを送付する。
申請は同社ウェブサイト上で受け付ける予定で、申請画面では車両区分・車両番号に加え、領収書や利用証明書の写しの提出が必要となる。受付開始は5月中旬ごろを予定しており、詳細は「用意ができ次第、別途ウェブサイトで案内する」としている。
支払い手段別の還元方法
申請方法不要還元方法高速道路会社からの今後の請求分を減額することで還元還元時期2025年5月
申請方法ウェブサイトでの申請還元方法クオカードを送付することで還元還元時期受け付けた情報を確認後、3か月以内を目途に還元
申請方法不要還元方法ETCマイレージサービスの還元額を付与、または今後の請求分を減額することで還元還元時期2025年7月頃より順次
請求なし
応急復旧に38時間 1都7県・約96万台に影響
同社の危機管理検討委員会の報告によると、ETCシステム障害は、東京都・神奈川県・静岡県・山梨県・愛知県・三重県・岐阜県・長野県の1都7県にまたがる最大17路線106料金所で発生した。原因特定と応急復旧までに38時間を要し、一時は10か所で2キロ以上の渋滞も発生した。
障害が確認された料金所では、料金徴収を停止しバーを開放して対応したが、ETC通信を継続した料金所も一部混在していたため、約45万台はETCカードなどからすでに課金されていたという。
方針転換の理由は「重大性に鑑み」 6月中に再発防止策を策定へ
同社は当初、後日手続きを経ての後払いを求める方針であったが、「お客さまに多大な混乱とご迷惑をおかけしてしまった重大性に鑑み」方針を転換した。カード会社経由での決済が進行し混乱が避けられない状況を受け、支払い済み利用者への還元を決定した。
今後については、「ETC通信を切らずに、速やかにバーを開ける措置を取ることで、お客さまに渋滞などのご迷惑をおかけすることなく、通常のお支払い手続きを取っていただくことができる」としている。委員会では、6月中を目処に再発防止策を取りまとめ、広域的なシステム障害への危機対応マニュアルを策定していく方針を明らかにしている。
発表の詳細は同社公式リリースにて確認できる。