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『ミステリと言う勿れ』“永山瑛太”を消し去るすごみ、役柄によって全くの別人に

ドワンゴジェイピー

『ミステリと言う勿れ』“永山瑛太”を消し去るすごみ、役柄によって全くの別人に

現在フジテレビ系にて放送中の月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』。放送がスタートしてから3話続けて世帯視聴率10%を超える数字を残し、見逃し配信でも非常に高い再生数を誇っている。田村由美の原作の素晴らしさはもちろんだが、月9というエンターテインメント作品を放送する枠のなかで、原作の持つ世界観とエンタメ性のラインを巧みに表現している主人公・久能整を演じる菅田将暉の芝居にも舌を巻く。

■“淡々と”し過ぎず、恩着せがましくもなく……菅田将暉の絶妙なさじ加減

原作は累計発行部数1300万部を超える人気コミック。世の中に起きている事件や出来事を、整が“淡々と”自身の見解を述べるだけで、物事が解決し、人の心も解きほぐしていくという新感覚のミステリー作品だ。


“淡々と”というのが原作を読んだときの大きな特徴で、整は誰かを説得しようとか、自分の考えを押し付けようという“意志”は感じられない。ただ、自分が思っていること、感じたことを独り言のように話すのだ。その恩着せがましくない言葉が、相手に届き、対象者は能動的に気持ちを変えていく。


本作の完成披露試写会の席で菅田は、整を演じるうえで「グッとくるセリフは多いのですが、彼自身が未熟であるという前提のなか、すべての発言が正解だとならないように気を付けながらも、どうやって説得力を持たせるか」をポイントに挙げていた。

つまり、原作の持つ“恩着せがましくない”という部分をしっかりと意識しつつ、一方でただ“淡々と”した表現ではエンターテインメントとして成立しづらいことも理解し、どこまでのさじ加減で整というキャラクターを演じるのか、しっかり見極めながらのアプローチを試みるということだったのだろう。


菅田の言葉通り、ドラマに登場した整は“淡々と”し過ぎず、だからと言って説教くさく、押し付けられた感じもせず、エンターテインメントという枠組みのなかで、絶妙なバランスで相手と対峙しているように感じられる。整が、原作よりも熱を持って語れば、物語は盛り上がり、カタルシスは得られるかもしれないが、原作の持つ染み入る感じからは離れてしまう。一方、あまりに感情なく淡々と言葉を発すれば、敢えて映像化した意味が薄れてしまう。


こうした整のさじ加減が絶妙なので、対峙する相手にも感情移入しやすくなる。第1話の大隣警察署の刑事、薮鑑造(遠藤憲一)、そして第2、3話で整と共にバスに乗り合わせた乗客ら整の言葉を受け取る側も、一方的に論破され気持ちを押し付けられるのではなく、自分たちから能動的に気づきを得ることで、救われる部分が多くなる。


主題歌はKing Gnuの『カメレオン』。菅田は試写会で楽曲について「このドラマは被害者だけではなく、加害者にも寄り添う物語。この曲はちょっと道を外してしまった人の心にも寄り添っている」と話していたが、まさに整の絶妙な言葉の発し方で、事件や事故を起こしてしまった人たちにもスッと気持ちが入り込める(部分もある)。


■役柄によって別人になる永山瑛太のすごさ

もう一つ、オンエアが始まってから序盤戦を盛り上げたのが、ジャックされたバスに乗り込んでいた熊田翔役の永山瑛太だ。第1話終了時に金髪姿で登場したときは、「あれは誰だ?」と大きな反響があった。翔が永山だと分かったときは「まったく分からなかった」「瑛太さんの面影がなかった」と“永山瑛太”を消し去るような佇まいに驚きがあった。

永山と言えば、以前から役によってガラリとイメージを変えられる俳優として評価が高い。2001年にドラマ『さよなら、小津先生』で俳優デビューしたが、本作では落ちこぼれバスケ部のなかで、クールで斜に構えた高校生を演じ、シュッとしたルックスから、その路線で行くのかと思われたが、2003年放送のドラマ『WATER BOYS』では、優等生の生徒会長をコミカルに演じ、幅のあるところを見せた。


さらに、2012年放送のドラマ『ラッキーセブン』の新田輝、翌2013年放送のドラマ『最高の離婚』の濱崎光生と、こちらもまったく違うキャラを演じた。特に『ラッキーセブンスペシャル」の1週後から『最高の離婚』がスタートしたことで「本当に役によってガラリと変わる」と大きな反響があった。その後も、2017年公開の映画『光』で見せた狂気性、2021年放送のドラマ『リコカツ』での生真面目な自衛隊員でコミカルな演技を見せるなど、芝居の引き出しの多さには脱帽させられる。


前述したように、『ミステリと言う勿れ』で翔が永山だと分からなかったという意見が多数SNS上では見られたが、同じことが、住友生命「1UP」のCMに永山が出演しているときにもあった。永山は同CMで、上田一というキャラクターとして登場していたが、オンエア時には「まったく瑛太さんって分からなかった」「上田一という一般人が出ていると思った」と驚きの声が上がるほど、自身を消すことに長けている。


第3話で翔の正体が犬堂我路であることを整に明かされてしまう。劇中、そこまで視線を合わせて向き合うシーンが多くなかった整と我路だが、黒髪もじゃもじゃ、金髪サラサラと真逆のビジュアルを持つ二人が、言葉を紡ぐことで一つずつ相手を理解し、求めあっていく過程は、今後の展開に大きな期待を持たせてくれた。

菅田、永山を含め、大隣警察署・強行犯一係の青砥警部演じる筒井道隆、巡査・風呂光聖子役の伊藤沙莉、同じく巡査・池本優人役の尾上松也と、一筋縄ではいかない俳優たちが顔を揃える『ミステリと言う勿れ』。原作との違いを指摘する声もあるが、映像作品としての完成度は高く、今後もますます目が離せない。



文:磯部正和


第4話あらすじ

久能整(菅田将暉)がカレー作りを楽しんでいると、スマホに風呂光聖子(伊藤沙莉)から着信。イヤな予感を覚えながらも応答した整に、風呂光は案の定、事件の謎解明を手助けしてほしいという。それは、闇サイトにアップされた爆破予告場所の特定だ。予告にはアルファベットの暗号文が付記されているが警察官たちは解明出来ない。昨日は品川に仕掛けたとアップされたが、幸い予告に書かれてたビルが特定されたため爆弾が発見されて未遂に終わる。だが、再度予告があり、今回は大隣署管内に仕掛けられたため、池本優人(尾上松也)が整に協力を求めようと風呂光を向かわせたのだ。

風呂光の迎えで、整はまたしても取調室へ。民間人への捜査協力は青砥成昭(筒井道隆)たちに知られるわけにはいかないからだ。整は昨日の暗号文の謎を解く。そんな時、二つ目の爆弾が発見されたと知らせが入る。整は風呂光に暗号解読力を褒められるが、何かが引っかかる。そんな中、闇サイトへの投稿アドレスから容疑者が割り出され、被疑者が取調べを受けるが犯行を否定。池本と風呂光は容疑者を、ほぼ黒だと確信するが、青砥はアドレスが簡単に特定出来たため、ぬれぎぬではないかと疑う。

次の日、青砥の懸念通りに3度目の予告がアップされた。そんなことを知らない整は雨の中を食事に出かける。すると、見知らぬ男(柄本佑)に声をかけられた。しばらく会話を交わした整は、男が記憶を失っていることに気づく。



『ミステリと言う勿れ』

毎週月曜よる9時放送

(C)田村由美/小学館(C)フジテレビジョン

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