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SNSのスター犬バニーが学んだ「会話の方法」

わんちゃんホンポ

「会話」ができる犬バニー

アメリカのワシントン州に住むシーパドゥードルのバニーは、TikTokで500万人以上のフォロワーを持つスター犬です。バニーの人気の理由は「会話」ができることです。

よく見られる鳴き声や遠吠えの声が人間の言葉のように聞こえるというのではなく、床に置かれたボタンを使って本当に意思の疎通ができるのです。床にズラリと並べられたボタンはそれぞれに1つずつの単語が録音されており、押すとその単語が音声で再生されます。

「遊ぶ」「ボール」「欲しい」「外」「今」「ウンチ」などの言葉があり、バニーはそれぞれのボタンを押してほしいものを意思を伝えることができるというのです。

これはバニーがボタンを使って会話をしている様子です。

会話ボタンの発祥は子供のためのスピーチセラピーから

バニーの飼い主であるアレクシスさんは、このボタンを使う訓練を独学で学んで行いました。アレクシスさんが手本にしたのは言語病理学者クリスティーナ・ハンガー博士が彼女の愛犬ステラに「会話」を教え、一般に普及させた方法です。様々な原因で音声の言葉を発することができない子供のために考案された言語ボタンを使って、愛犬ステラとのコミュニケーションが作り上げられました。

アレクシスさんはハンガー博士のブログを参考にしてバニーのトレーニングを始めました。最初は「外」という言葉のボタンからスタートしました。ドアの側に「外」ボタンを置き、アレクシスさんがドアを開けてボタンを押し、外に出て待つという行動を繰り返し見せた結果、バニーは2〜3週間で外に出たいときにこのボタンを押すようになりました。

このようにして少しずつ言葉のボタンを増やしていったそうですが、中でもアレクシスさんを驚かせたのは、バニーの前足に雑草のノギが刺さった時にが「痛い」のボタンを使って伝えたことだったと言います。私たちはよく「痛いときには言葉で伝えることができればいいのにねえ」と言いますが、アレクシスさんとバニーはそれを実現してしまったようです。

バニーから広がった行動科学の研究

バニーのトレーニングを始めてから約6か月後、カリフォルニア大学サンディエゴ校の行動科学者からアレクシスさんにコンタクトがありました。バニーを対象にして行動学や認知科学の研究をしたいというものです。

これを機に、バニーの言語ボタンはバージョンアップされ、今では70以上のボタンのあるサウンドボードが設置されているそうです。バニーはこれらのボタンを使って4つ〜5つの単語を組み合わせて意思疎通を図ります。研究者が報告した例の中には、やや興奮した感じの飼い主に対して「お父さん」と「落ち着く」のボタンを押して「お父さん落ち着いて」と伝えようとしたなど、とても興味深いものがあります。

犬が人間の表情や声から感情を読み取り、自分の感情も同調させることは過去の他の研究などからもよく知られています。研究者はより効果的なコミュニケーションのキーとして、犬と飼い主の強い絆を挙げています。研究チームはステラやバニーと同じ方法を使って他の動物のトレーニングを行っており、現在は犬、猫、馬が参加しているそうです。この研究はtheycantalk.orgというサイトで公開されています。

まとめ

音声ボタンを使って飼い主と会話ができる犬バニーと、その研究についてご紹介しました。バニーの飼い主であるアレクシスさんは、SNSに寄せられた中で最もポジティブだと感じたコメントを紹介しています。

「私は自分の犬にボタンを使う予定はありませんが、バニーを見ているととても多くの刺激を与えられました。それは、もっと自分の犬の声に耳を傾けること、犬が何を伝えようとしているのか理解する努力をすること、犬からの応答を広い範囲で受け止めること、様々な種類のコミュニケーション方法について考えること、犬が何を求めているのかに思いを巡らすといったことです」

このコメントは、まさに動物と暮らす全ての人が心に留めておかなくてはならないことを示していますね。

《参考URL》
https://www.insideedition.com/how-bunny-the-talking-dog-is-teaching-people-to-communicate-with-their-pets-63284
https://www.theycantalk.org

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