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五木寛之、同じ時代を生きた仲間たちの言葉を紡ぐ

文化放送

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、3月5日の放送に、作家の五木寛之が出演。今年1月に発売した新刊『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』について語った。

大竹まこと「御本(『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』)のほうです。ご友人の言葉を紡いでいらっしゃいます。どなたも鬼籍に入られて……」

五木寛之「そうですねえ。お亡くなりになった方ばかりで」

大竹「五木さんの言葉で『遺された人間はただ記憶をかみしめながら再会の日を待つのみだ』と。寂寥感に包まれている、という箇所もございました。生きていくうえで、友を亡くされて、いまどういったお気持ちでいらっしゃるか、伺ってもよろしいですか」

五木「ええ。やはり同世代で戦後の狂瀾怒濤の時代を一緒に生きてきた、という連帯感がありますでしょう? 疎開した人は疎開、引き上げてきた人は引き上げ、戦災孤児だった人もいる。戦争と戦後の記憶を引きずった世代なので、特に同世代として生きた人たちに対して、戦友やそういう感じがあるんですよ」

大竹「はい」

五木「大先輩や若くして亡くなった人たちを惜しむ気持ちと少し違う。同じ時代を生きた同期の仲間、という感じがある。どうしても一言、何かを残したいという気持ちが抑えきれず。1冊がまとまりました」

大竹「水谷さんはお読みになってどの箇所が気になりました?」

水谷加奈「いくつかあるんですけど、犬養毅総理大臣のお孫さんにあたる犬養道子さんのお言葉で『世の中はちょっとルーズなほうが住みやすいのよね』というのがあって。いまの世の中って、なんでもセクハラだパワハラだ、コンプライアンスだ、生きにくい世の中になったな、と思っていたときに、この言葉。ちょっとルーズなほうが楽しいのにな、と」

五木「いい加減、という言葉も二通り意味があって。本当にいい湯加減、みたいな感じもあれば、適当に、という場合もある。その辺の、言うに言えない微妙な感じが昔はゆとりとしてあった。いまはなかなか、その隙間がない。僕がこういうところでしゃべっていても、話題がウクライナの問題なんかになると慎重にならざるを得ない」

大竹「そうですねえ」

五木「どこでどう人を傷つけてしまうか。そういう意味で絶えず緊張して発言しています。昔はのんびりしていてよかったな、というのはあります」

大竹「犬養さんはドイツで暮らしていらして。自宅の庭に犬を埋めたと。それを警察の人に咎められた。そういう話が冒頭にあって。これは五木さんの言葉で『コロナ禍になって。東京から地方に行くと東京ナンバーのクルマが、地元から追われる』『東京も住みづらくなっている。息苦しい』。そうおっしゃっています」

五木「日常、いろんな方とお会いしますね。ずいぶん気を使うんですよ。どの辺までマスクをはめていくべきか、という。お会いしてご挨拶するときには外すべきか。それとも話をしている最中もしておくべきか、全然、最初から外していくべきか。そういうところで神経使うのが煩わしくて、困ってしまいますね」

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