「たこ」の栄養と効果効能は?一日に食べて良い量も解説
たこの栄養と効果効能
効果効能
肝臓の機能を高める「タウリン」
筋肉や皮膚の材料になる「たんぱく質」
血流を促す「ビタミンE」
正常な赤血球を作る「ビタミンB12」
味覚や免疫反応にかかわる「亜鉛」
肝臓の機能を高める「タウリン」
タウリンはアミノ酸に似た物質のひとつで、たこやいか、貝類などに多く含まれている成分です。肝臓の解毒機能を高めたり、コレステロールを分解して排出を促す「胆汁酸」の分泌を増やしたりするはたらきがあります。
肝臓のはたらきを活発にすることから、栄養ドリンクの主成分にもなる栄養素です。(※12)筋肉や皮膚の材料になる「たんぱく質」
たんぱく質は筋肉や皮膚を構成したり、ホルモンや酵素の成分となったりする人間の生命の維持に欠かせない栄養素です。たこ100gあたりには16.4gのたんぱく質が含まれています。
たんぱく質が不足した状態が続くと、体力や免疫力の低下につながるおそれが。不足しないよう毎食摂りたい栄養素です。(※34)血流を促す「ビタミンE」
ビタミンEには血流を促すはたらきがあり、血行不良による肩こりや頭痛対策になりますよ。たこ100gあたりには、1.9mgのビタミンEが含まれています。
また、ビタミンEは血行をよくし皮膚の新陳代謝を高めるため、シミの原因となるメラニンの排出を促すのに役立ちます。(※1356)正常な赤血球を作る「ビタミンB12」
ビタミンB12は、補酵素としてアミノ酸や核酸の代謝にかかわっています。また、正常な赤血球を作るのに必要です。たこ100mgあたりには、1.3µgのビタミンB12が含まれています。
ビタミンB12は、体内のさまざまな機能を正常に保つのに必要な栄養素です。(※37)味覚や免疫反応にかかわる「亜鉛」
亜鉛は体内で200種類以上の酵素を構成したり、酵素反応を活性化したりするのに役立つ、必須のミネラルです。たこ100gあたりには、1.6mgの亜鉛が含まれています。
また、亜鉛は味覚を感じる細胞を作る、免疫細胞を活性化するといったはたらきがあります。(※38)
たこはプリン体が多い?食べすぎるとどうなる?
たこに含まれるプリン体は100gあたり137.3mg。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、100gあたりプリン体が200mg以上含まれていると“多い”と位置づけられています。たこに含まれるプリン体は少なくはないため、食べすぎには気をつけましょう。
食事から摂取したプリン体は分解されて尿酸になりますが、尿酸が一定量以上になると、血液中に溶けきれず尿酸値が高くなってしまいます。そのため、すでに尿酸値が高い人は特にプリン体を摂りすぎないように注意が必要です。(※91011)
たこの栄養を活かす効果的な食べ方
ポイント
刺身で食べる
油と合わせて食べる
汁ごと食べられる料理にする
刺身で食べる
水溶性のタウリンやビタミンB12などの栄養素は、水に溶け出す性質があるため、ゆでたり煮たりすると流れ出てしまいます。そのため、生のたこを刺身で食べるのが、もっともたこの栄養を無駄なく摂り入れられる食べ方です。(※2712)
油と合わせて食べる
たこに含まれるビタミンEは、脂溶性のビタミンで、油と一緒に摂ると吸収率が高くなります。そのため、オリーブオイルと合わせてカルパッチョにしたり、からあげにしたりするのがおすすめ。ビタミンEをしっかり摂りたい場合は、油と合わせて食べましょう。(※35)
汁ごと食べられる料理にする
前述したように、たこに豊富なタウリンやビタミンB12などは、水に溶け出す性質があります。そのため、煮汁ごと食べられる料理にすれば、栄養を逃さず食べることができますよ。たこをスープにいれたり、炊き込みごはんにしたりするのがおすすめです。(※2712)
【Q&A】たこはどれくらい食べてもいい?
A:刺身で1人前(60g)、6切れ程度を目安に食べましょう。
たこは消化に時間がかかる食材ですが、弾力があるため、よく噛むことで胃腸の消化を助けられますよ。プリン体が含まれているため、尿酸値が高い人は食べすぎに注意してくださいね。また、過敏な体質の人は食べすぎるとかゆみがでるおそれもあります。(※110111314)
【Q&A】たこの栄養は加熱しても失われない?
A:生のたことゆでたたこの栄養素を比較してみると、水溶性のビタミンB群やミネラルのカリウムなどでゆでたあとに減少がみられます。
生で食べるのが、もっとも効率よく栄養を摂れますが、加熱しても水溶性の栄養素を無駄なく摂るには、煮汁ごと食べられる料理にしましょう。(※37)
【Q&A】たこの栄養は子供や妊婦にも良い効果がある?
A: 子供にも妊婦にも良い効果が期待できます。ただし、食べ方には注意が必要です。
たこに豊富な亜鉛は子供の成長に関わる栄養素です。ただし、無理に与える必要はありません。のどに詰まるおそれがあるため、離乳食で与えるのは避けてください。
また妊婦さんの場合、生の魚介類は食中毒の原因になるおそれがあるため、よく加熱したものを食べるようにしてください。(※81516)
たこの栄養を活かして食べよう
たこにはたんぱく質やタウリン、亜鉛など、肝臓の機能や免疫力を高めるといった、健康維持・増進に役立つ栄養が含まれています。
生で食べるのがもっとも効率よく栄養を摂ることができますが、妊婦さんは、しっかり加熱して食べるようにしてください。また、プリン体が含まれているため、尿酸値が高い人は食べすぎに注意しましょう。
【参考文献】
※3 八訂食品成分表|女子栄養大学出版部
(2024/03/28参照)