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長江崚行×眞嶋秀斗 W主演の二人が語る、役者人生を懸けて臨む舞台『アーモンド』

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眞嶋秀斗、長江崚行

conSeptの「ヤングアダルト・シリーズ」第1作目となる舞台『アーモンド』が、2022年2⽉25⽇(金)〜3⽉13⽇(日)に東京・シアタートラムにて上演される。

原作は韓国で生まれた同名小説。世界13カ国で翻訳されており、日本でも2020年本屋大賞翻訳小説部門の第1位に輝いた話題作だ。脚本・演出を板垣恭一が務め、舞台作品として日本で新たに生まれ変わる。物語の主軸となるのは、感情を持たないユンジェと荒々しい性格のゴニ。対照的な二人の少年を、長江崚行(ながえ りょうき)眞嶋秀斗(ましま しゅうと​)がWキャストで交互に役替りで演じる。

寒さ厳しい1月上旬、高難易度の役替りに挑む長江と眞嶋にインタビューを実施。いよいよ始まる作品作りへの意気込みを聞いた。二人は時折互いの目を見て語りかけるように、それぞれの熱い胸の内を明かしてくれた。

「先輩後輩というより仲間みたいな感じです(眞嶋)」

――あけましておめでとうございます! 年末年始はどう過ごされましたか?

長江:僕は大晦日まで舞台の本番があったので、家に帰って寝たらもう年越してました。そこから三が日は布団から出れなかったですねえ。お正月番組すら見ることもできず、ひたすら爆睡してました。

眞嶋:自分はお蕎麦が好きなので、年越し蕎麦をちょっと多めに食べました(笑)。あとは走って筋トレしてましたね。年末年始っていつもより気合いスイッチが入るじゃないですか。今年も舞台で体力を使いそうなので、今から整えておこうかなと。

長江:2022年になる瞬間は何してた?

眞嶋:ジャンプしてた!

長江:変わらないねえ〜(笑)。昔からそうだもんね。

――お二人は同じ事務所で、かつては同じダンスボーカルユニットに所属されていたんですよね。先輩後輩という関係なのでしょうか?

眞嶋:歴でいうと崚行が先輩になるね。

長江:でも年齢は秀斗くんが上だよね。

眞嶋:同じグループで活動していたので、先輩後輩というより仲間みたいな感じです。当時から崚行は歌えて踊れてカリスマ性があって、すごいなあって見ていました。

長江崚行

長江:そんなことないって(笑)。むず痒いからやめてよ〜(笑)。

眞嶋:年下なのにすごくしっかりしてるから、引っ張ってもらっていた印象があります。

長江:秀斗くんは、僕にとってある意味異質な存在でした。歌もダンスもできるのはもちろんなんですけど、他の人とは違う空気感があったんですよね。自分にはない感性を持っている人なんだろうなと思って興味があったので、よく一緒にご飯を食べたりいろんな話をしたりしました。舞台で共演するのはこれで2回目。ここまでがっつりとお芝居するのは初めてなので、ちょっとまだ変な感じがします(笑)。

――互いによく知っているお二人でWキャスト、かつ役替りで交互に演じると聞いたときはどう思いましたか?

二人:(顔を見合わせるお二人)……。

長江:って感じでした(笑)。一人で何役も演じる経験はあるのですが、作品の主軸となる役で、そこに一番近しい人物を演じ替えていくというのは初めて。しかも一緒にやる相手が秀斗くんということで、後にも先にもない経験になるだろうなと思いました。きっと彼は僕には思いつかないような役作りをするでしょうし、今回はそれを近くで見ることができるじゃないですか。そういう意味では、全く知らない人よりも、知っている部分と知らない部分がまだまだたくさんある彼と一緒にやれるのは大きいなと思います。

眞嶋:確かにそうだね。もちろん崚行のことは知っているけれど、ここまで芝居でがっつり共演するのは初めて。だからこそ稽古期間から“今の長江崚行”とちゃんと向き合って作品を作りたいと思うし、そういう意味でもすごく楽しみです。

眞嶋秀斗

「大きなユンジェとゴニを秀斗くんと一緒に作れたら(長江)」

――原作小説『アーモンド』は翻訳部門で本屋大賞を受賞した程の人気作ですが、原作を読んだ感想を聞かせてください。

眞嶋:まるで映像作品を見ているように情景が浮かびながら進んでいくのが、すごく心地よかったです。でも内容は結構ズシンとくるので、物語の展開にも驚かされました。感情を感じられない子の話なんだけれども、僕自身も人の感情を読むのはそんなに得意ではないので、決して遠い世界の話ではなく共感できる作品でした。

長江:僕は『アーモンド』という作品が海の向こうの国(韓国)で生まれ、それが翻訳されて日本の本屋大賞で1位になるという事実にちょっと嫉妬しました。同時に、その作品を舞台で上演するという興奮ととんでもないプレッシャーとが読み終わったあとに一気にきた感じです。舞台版として、魅力的なキャラクターたちの役作りをどう深めていこうかなと考えています。

――お二人が演じるユンジェとゴニ、それぞれの役の印象を教えてください。

長江:わりと僕から遠くない二人だなと思いました。人の表情から感情を読み解くのはそこまで得意じゃないですし、何かを理解したいという気持ちは僕にもあるので。気持ちに嘘偽りのないユンジェというキャラクターは、すごく人の心を打つだろうなと思います。ゴニに関しては、彼ほど感情が乱暴になることはあまりないのですが、気持ちはすごくわかるんです。自分の体がひりつくような感情を舞台で表現できるのは、役者の幸せなのかなとも思います。

眞嶋:僕は、自分とユンジェの違いをあまり感じずに原作を読むことができました。ただ、ユンジェの幼い頃からの苦難や、本には書かれていないような大変な訓練の日々を考えると、僕と彼のスタートや育ち方は全く異なります。ユンジェからは、人間が持つ感情や奥深さといった本質的なところを考えさせられました。一方のゴニは、最初は「なんでそうなっちゃったんだろう」と思う程の凶暴な性格。でも物語が進むにつれて、どんどんゴニに共感できるようになっていったんです。初めて読んだときのその気持を忘れずにやっていけたらなと思います。

長江崚行、眞嶋秀斗

――特にユンジェのような、人の感情がわからない、自分の感情もなかなか出せないという人物を演じるのは難しさもあるのではないでしょうか?

長江:そこが僕はすごく楽しみなんです。ユンジェを演じているときに感情を抑えようとしたら、それは本来ユンジェがやっていることではないからそれは違う。だからといってフラットに居続けてしまうと、僕ら役者の感受性みたいなものがキャラクターを飛び越えて働いてしまうでしょうし・・・・・・それら全てが絶対にダメなわけでもないと思うので、これまた加減が難しいなあと。きっと稽古をしていく中で何か腑に落ちるものがあるのだと思います。それを早く見つけたいです。

眞嶋:表現としてどうやってやるんだろう、とすごく気になっています。物語の中でユンジェがいろいろな人と関わって変わっていくところも『アーモンド』の一つの面白さだと思っていて。そういうところを楽しく見てもらえたらいいなと思いますね。まだ本を読むときにどうしても読み手の意識が自分の中にあるので、ユンジェとして生きていくときは切り替えて頑張らないとな、と。

長江:難しいよねえ。でもそれすらもこの作品を舞台でやる意味や、生身の人間がやる意味に繋がっていくような気もします。そのときのユンジェ、そしてゴニがどう感じるのか、人と接していく上でどのように理解へと繋がっていくのか。結果的に、大きなユンジェとゴニを秀斗くんと一緒に作れたらいいのかなと思います。きっと演じ方とか形は全く違ってくると思うんですけど。

眞嶋:そうだね。どっちから先に稽古をするのかとか、結構気になるよね(笑)。

長江:うん、ドキドキする!

眞嶋秀斗

「PV撮影時、もう『アーモンド』の世界が始まっている感じがしました(眞嶋)」

――脚本・演出の板垣恭一さんとお仕事をするのは、お二人とも今回が初めてになりますね。

長江:板垣さんとご一緒した俳優さんからはとても頭が良い方だとお聞きしています。教えを請うこともたくさんあると思いますが、最終的には芝居の中で対等な状態を作れるような図太い役者でいられたらなと思います。

眞嶋:板垣さんとはオーディションのときに初めてお会いしたんですが、すごく温かい方だったので、オーディション自体もそんなに緊張しませんでした。むしろ楽しかった印象が強いです。台詞を読んだり体動かしたりしたのですが、オーディションという感じではなく、まるで舞台の一瞬を実際にやっているような楽しさがありました。なので、今は早く稽古がしたい気持ちでいっぱいです。

舞台『アーモンド』PV 第1弾

――先日『アーモンド』のPV撮影をされたそうですが、どんな雰囲気でしたか?

長江:圧巻でした! 年齢の離れたベテランの方もたくさんいらっしゃって、その方々の人生観や生き方がお芝居に直結しているんだろうなと感じました。撮影中、みなさん立っているだけで空気が変わっていくんですよ。役者の圧をしっかり食らった感覚がありました。今回はその真ん中に立たせていただくということで、ただただ裸一貫で頑張ろうという気持ちになりました。

眞嶋:今はマスクをしているのでできるだけ相手の目を見て挨拶するように心掛けています。今回の撮影でみなさんに会ったときもそうしていたら、何だかとても自然に『アーモンド』の役の方々に見えたんですよね。深くお話することはできなかったのですが、もう『アーモンド』の世界が始まっている感じがしました。物語の舞台となる本屋さんやいろいろなシチュエーションで撮って、まるで映画の撮影みたいだったよね。

長江:ね。こういうPV撮影って、作品のイメージに寄せて作っていくじゃないですか。例えばセットとか衣装とか。その創作過程の中でスタッフさんたちが長江崚行と眞嶋秀斗、もしくはユンジェとゴニをどう捉えていて、どういう世界観にしたいのかが見えてくるのが僕は好きなんです。普段の舞台では稽古後半の衣装付き通し稽古がそれにあたるんですけど、今回は稽古前にそういう機会があって楽しかったですね。

長江崚行

「死ぬ前に絶対に自伝を書きたいと思っているんです(長江)」

――ご自身の役者人生の中で、『アーモンド』はどんな位置付けの作品になりそうですか?

長江:23歳でシアタートラムに主演として立つということが、ありえないことだと思っていて。出演が発表されたとき、周りの役者さんから「トラムに立つの!? 絶対に観に行くよ」という連絡をたくさんもらいました。シアタートラムは自分にとって一つのターニングポイントにすべき場所だと思っていたのですが、想像以上に早く立てることに驚いています。実は僕、死ぬ前に絶対に自伝を書きたいと思っているんです。

眞嶋:え、すごい!

長江:死ぬ前に自伝を書き終えて「ああ面白い人生だったな。死んでも悔いないな」って思えるような生き方をしたいんです。だから毎年、年末になると1年の振り返りをしているんですが、今年は間違いなく『アーモンド』が入ると思います。

眞嶋:自分にとっては勝負所、ですかね。シアタートラムは学生時代から足を運んでいた劇場でもあります。ここで自分の殻を破って新しい自分を見つけたいとも思います。板垣さんの演出、『アーモンド』という作品、どれも今までにない経験なので楽しみです。

――最後に、今年の抱負と作品への意気込みをお願いします。

長江:抱負と作品への意気込みのどちらにも言えることですが、人を理解する1年にしたいと思っています。今までの人生を振り返ったとき、人を理解することを諦めてしまったタイミングがいくつかありました。それを僕はどこかで後悔しているんです。役者である以上、そういったところから脚本やキャラクターを理解する力も高まっていくのでしょうし、理解することをやめるのはすごく寂しいことだとも思います。たくさん本を読み、人の感情を扱う作品に触れ、人に優しく寄り添える1年になったらいいなと思います。

眞嶋:最近体を鍛えることにハマっているので、2022年はさらにアクティブに動いていきたいです。自分を高める年にできたらいいなと思います。『アーモンド』については、あの世界を少人数で演じ分けて表現することや、舞台での生演奏がすごく楽しみ。稽古は全力で熱を注いでいきたいですし、何よりこれ程愛されている作品に携われることがまず幸せです。だからこそ、役者人生を懸けて本気でやっていきたいと思います。

眞嶋秀斗、長江崚行

取材・文=松村蘭(らんねえ) 撮影=敷地沙織

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