無数に存在する銀河同士の衝突はどれくらいの確率で発生する?【図解プレミアム 宇宙の話】
100億年単位で見ればよくある現象
天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突する―。といっても、これは40億年後の話ではあるのですが、そんなこと信じられないと思われる方も多いのではないでしょうか。そもそも、銀河同士の衝突はどのようにして起こるのでしょうか?銀河というと、星が密集しているような印象がありますが、実は密集度は非常に低いことがわかっています。
一方で、銀河と銀河の間隔は意外に近いこともわかっています。天の川銀河が属する局部銀河群内にある1つの銀河を、仮に直径1センチメートルのボールだとすると、50個近くのボールが10センチメートルから1メートルの距離を置いて集合していることになります。
銀河はお互いの重力の作用で引きあっていますから、10〜100億年単位で見ると、お互いにまったくふれ合わずに移動することは難しいのです。しかし、銀河同士が高速で衝突したとしても、銀河内はスカスカの状態ですから、破壊的な衝突は起こらないと考えられています。
銀河にはいろいろな形がありますが、楕円や渦巻などの特定できる構造をもたない不規則銀河は、銀河同士の衝突や重力相互作用などによって生まれたものです。銀河はグループをつくっていることが多く(116〜117ページ)、そんな銀河団の中心部には、巨大な楕円銀河があることがあります。その楕円銀河こそ、多くの銀河が衝突・合体したものと考えられています。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』