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土岐麻子、ソロ活動20周年の幕開けとなるツアー・ビルボード東京でのオフィシャルレポートが到着 ビルボード東京での追加公演も7月に決定

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土岐麻子

土岐麻子が、5月2日に東京・Billboard Live TOKYOで『Billboard Live Tour 2024 〜Peppermint Time〜』を開催。本記事では、同公演のオフィシャルレポートが到着した。

土岐麻子が、ソロデビュー20周年イヤーの幕開けを飾るツアーを5月2日に東京・Billboard Live TOKYO、5日に神奈川・Billboard Live YOKOHAMA、7日に大阪・Billboard Live OSAKAの3都市で開催した。

2月25日に20周年を迎え、31曲を収めたオールタイムベストアルバム『Peppermint Time 〜20th Anniversary Best〜』を4月24日にリリースした土岐。その特設サイトには今井美樹、奥田民生、ジェーン・スー、TENDRE、TOMOO、Night Tempo、バカリズム、原田知世ら100人以上の各界の著名人からの祝福コメントが並んでおり、土岐の音楽や飾らない人柄が、幅広い人々の心をつかみ続けてきたことがよく伝わってくる。

土岐麻子

本稿では、ツアー初日となった東京公演の1stステージの様子をレポートしていく。バンドが心地よいビートを奏でると、ネオンイエローのエアリーなドレスをまとった土岐がステージへ登場。優しく微笑み、まず「SUPERSTAR」で伸びやかな歌声を響かせる。序盤パートは、ソロ活動初期に発表されたアップテンポな楽曲で構成。「こんばんは、土岐麻子です」と土岐が挨拶をしてから届けた「smilin’」では、観客も土岐と一緒にハンドクラップを鳴らして、リズムに身を委ねた。

土岐麻子

「麻子、おかえりー!」という客席からの声へ、はつらつと「ただいま!」と応えた土岐。彼女がBillboard Liveで公演を行うのは、ちょうど1年ぶりのことだ。ゴールデンウィーク中のツアーへ足を運んでくれたことへの御礼を丁寧に伝えつつ、「20年の間、録音して世に送り出した作品が20枚以上。ずっと走ってきたような感じです。本当にありがとうございます」と感慨深げに語る。そして20年の間に自身に生じた変化について、「ライブがすごく好きになりました。昔は意気地がなくて、死にに行くような覚悟でライブ会場に行っていたんです(笑)。今はすごく楽しめていて、今日は本番前に楽屋で前髪を切ってきました。余裕をかましています(笑)」と笑わせる。
続く「ソルレム」「ドア」は、2021年にリリースした夕暮れをテーマとしたアルバム「Twilight」の収録曲。土岐は椅子に腰掛け、グランドピアノの美しい音色に乗せて、感情を込めてしっとりと歌い上げていく。「ドア」ではステージが星空のようなライティングに包まれ、大貫妙子が作詞作曲を手がけた「都会」では、そのタイトルの通り、ムーディーな雰囲気が生み出された。

土岐麻子

「歌っていて本当に楽しい」「幸せな気持ちでいっぱい」と、すでに充実感に包まれた様子の土岐。このツアーのバンドメンバーは、高木大丈夫(Guitar)、井上薫(Key)、林あぐり(Bass)、伊吹文裕(Drum)という顔ぶれで、高木以外は土岐と初めて組むフレッシュな編成だ。1988年生まれの高木は、大学生の頃に土岐のメジャーデビュー作「TALKIN'」(2007年)を愛聴していたと述懐。これを受けて土岐は、「当時は同世代のミュージシャンと、ひとつのシーンを作るという夢を持ってやっていた頃。その頃に聴いてくれていたひと回り下の世代と、こうして一緒に演奏できるのは感慨深いですね。音楽は演奏されるごとにライブで進化していくということを、この20年間で感じました」としみじみ話した。

土岐麻子

中盤を彩ったのは「RADIO」(2ndステージでは「エメラルド」を披露)。ラジオパーソナリティとしての顔も、土岐のキャリアを辿る上では欠かせない要素だ。そして“美しさ”への問いかけが込められた「美しい顔」は、礼賛による新たなリアレンジバージョンにてベストアルバムに収録された楽曲。この日のライブでは、オリジナルと礼賛バージョンの間に位置するようなアレンジで演奏され、まさに奏でられるたびに楽曲が進化してきたさまを表現するように、観客へ届けられた。バンドの演奏は次第に熱を帯びていき、土岐も力強い歌声で歌い上げていく。

土岐麻子

終盤では“真夏感全開”な「STRIPE」が明るく響き、会場をいち早く夏気分に染め上げる。土岐は夏の到来への高揚する心を表すかのように、体でリズムを刻んだ。本編最後を飾ったのは、みずみずしくキャッチーな女性讃歌「Gift ~あなたはマドンナ~」。土岐は客席のさまざまな方向に視線をやり、明るいオーラを放つ。「時を重ねて 磨かれてゆく」という歌詞が節目を迎えた土岐の姿と重なり、さまざまな時代の彼女と再会するような感覚も覚えた。

土岐麻子

客席からアンコールを求めるクラップが響き、土岐とバンドメンバーが再登場。土岐は「いろいろな人との出会いに恵まれた20年。本当に幸せなことですよね。ミュージシャンもスタッフも、こうして来てくださるお客様とのご縁もすべて、かけがえがないと思っております」と真摯に思いを伝える。最後に歌われたのは、「私のポップスの原点はこの曲」と紹介された「ファンタジア」。土岐が小学校の同級生である川口大輔と初めて一緒に制作した、恋の始まりを綴る楽曲だ。ステージ後方のカーテンが開いてガラス越しに六本木の街の美しい夜景が広がり、いつの時代もその時々の街の人々の音楽を紡いできた“クイーン・オブ・シティポップ”の土岐らしい結びとなった。

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2023年初頭のインタビューにて、「20年もソロでやってきたけれど、まだまだ変化の途中。やりたいことがいっぱいあるし、これまでと同じように新しい挑戦をどんどんしてきたい」「20周年でも、やりたいことに素直になって作った作品や舞台をお見せしたい」と展望を語っていた土岐。今回のツアーはまさにその思いを具現化したものとなった。21年目も引き続き自由な表現で、私たちを魅了してくれるだろう。
なお、7月にはこのツアーの追加公演が行われる。ツアーが好評を博し、急遽開催が決定。バックを支えるバンドメンバーも同じ布陣ということで、ツアーを経てさらに一体感を増したサウンドを堪能できそうだ。

Text by 岸野恵加
Photo by 佐多杏介(@kyonntra)

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