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【掛川市二の丸美術館の「牧野宗則 木版画の世界」展】色版二つの重なりで稜線を表現

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静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、掛川市の市二の丸美術館で5月18日に開幕した「牧野宗則 木版画の世界 -織りなす色 いのちの輝き―」展。会期は7月15日まで。

1960年代、70年代の小品から2019年の絢爛豪華な「悠々無限」までの画業50年を総覧。伝統木版画の作画、彫り、摺りを一人で行う牧野さんの、芸術家、職人の二つの顔が見えてくる。色版と色版の重なりで柔らかな富士の稜線を浮かび上がらせた、17版27度摺りの「雪嶺」(1993年)に圧倒された。金赤とピンクの中間にある「牧野赤」とも言うべき鮮烈な色で描く夕景や夜明けはまるで彼岸。画面の中に引き込まれる。(は)

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