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目を閉じて、自身と向き合う…ゴヤ、塩田千春らが表現する「眠り」から日々を見つめ直すきっかけを

Harumari

目を閉じて、自身と向き合う…ゴヤ、塩田千春らが表現する「眠り」から日々を見つめ直すきっかけを

「眠り」をテーマにした作品が展示される「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」が、11月25日(水)〜2021年2月23日(火・祝)に開催される。会場は東京の中心部、皇居のほど近くに建つ東京国立近代美術館。作品を通じて、「眠り」が本来持つ大切な意味合いを感じられるはずだ。

目を閉じることは、自分と向き合うこと

アートと一言で言えど、そのテーマは数知れず。この度、東京国立近代美術館で開催される展覧会は、人々の生活のなかで最も重要な行為「眠り」がテーマになっている。眠りは毎日必ず行われる身近なものだが、アートの観点で見ると実におもしろい。同展では、18世紀後半から19世紀にかけて活躍した美術家の巨匠・ゴヤの作品を皮切りに、伝統絵画から現代美術まで、アーティスト33人・約120点の「眠り」に関する作品が展示される。

展示会場のイメージ図(トラフ建築設計事務所)

全体の構成は、序章と終章を含む7章構成。序章では、「目を閉じる」ことにフォーカスした作品の数々が展示される。無防備で頼りない行為に思われがちだが、一方で、自分の内面と向き合う大切な時間だということを教えてくれる。

フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 《『ロス・カプリーチョス』:理性の眠りは怪物を生む》 1799年 エッチング、アクアティント 21.6×15.2㎝ 国立西洋美術館蔵

眠りから目覚めまでの関係性を探る

現代美術家・塩田千春の「落ちる砂」や内藤礼の「死者のための枕」など、日本人の作品にも注目したい。“永眠”という言葉があるように、眠りは“死”にもよく喩えられる。そんな死と隣り合わせでありながらも、懸命に生きようとするポジティブなメッセージが作品から伝わってくるはずだ。

内藤礼 《死者のための枕》 1997年 シルクオーガンジー、糸 6.3×4.8×2.7㎝ 国立国際美術館蔵
阿部合成 《百姓の昼寝》 1938年 油彩、キャンバス 127.6×144.3㎝ 東京国立近代美術館蔵

展示も後半に差し掛かると、写真家・ダヤニータ・シンや現代美術家・河口龍夫たちによる「目覚め」を意図した作品が現れる。さらに奥へ進むと、戦後美術を代表する芸術家・河原温による作品がお目見え。眠りと目覚め、生と死の関係が描かれた作品の数々は、一見の価値ありだ。

ダヤニータ・シン 《ファイル・ルーム》 2011-13年 オフセット印刷、写真集(70冊) 可変展示(1点のサイズ: 33.8×25.0×1.8 cm) 京都国立近代美術館蔵 ©DAYANITA SINGH

普段は特別意識することのない「眠り」。人生の3分の1を占める大切な行為だからこそ、その意味合いを知れば人生がより良い方向へ転換するかもしれない。そのきっかけをこの展覧会でつかみたい。

アイキャッチ画像クレジット:ペーテル・パウル・ルーベンス 《眠る二人の子供》 1612-13年頃 油彩、板 50.5×65.5㎝ 国立西洋美術館蔵

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