コミュニケーション症群の子どもへの正しい接し方|特性別の支援と言葉を否定しない環境づくり
コミュニケーション障害を持つ人と接するときに私たちが意識すべきこととは
話し方を否定しない
コミュニケーション症群はそれぞれ特性が異なるため、ひと括りにせず特性に応じた支援を考えることが大切です。たとえば、小児期発症流暢症の子どもには、リラックスして話せるような接し方を心掛けます。早口で話し掛けると、相手も「同じテンポで話したほうがいいのかな」と焦ってしまいます。ゆっくりと間をとって話し掛けましょう。
ただし、相手に対して「落ち着いて話せばいいよ」などの声掛けは逆効果になることがあるので要注意です。かえって緊張して声が出なくなるケースもあるので、言葉が出るまで待ちましょう。こうした環境調整を家庭内で行うほか、周囲や学校にも小児期発症流暢症の特性を理解してもらうことが大切です。
ほかにも、言語症と語音症に対しては、言語聴覚士による言語療法によって症状の改善が期待できることがあります。また、家族療法によって言語の発達をサポートする環境を整える方法もあります。社会的(語用論的)コミュニケーション症の子どもは、曖昧な表現を理解することが苦手で、言葉を文字どおりに受け取ってしまうことがあります。慣用句や冗談などは避け、具体的な言葉を選びましょう。
なお、いずれの特性に対しても共通している対処法は、面と向かって否定しないことです。思ったとおりに話すことができないもどかしさは、誰よりも本人が一番強く感じています。がんばって伝えようとしているのに否定されると、自己評価が下がり、コミュニケーションをとろうとする意欲を奪ってしまいます。彼らの言動で何か問題が起きたときは、どのような点が問題だったのか、理由をわかりやすく伝えるようにしましょう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』監修/湯汲英史