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常連客に愛され続け、復活した老舗洋食店「キッチンV」。

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常連客に愛され続け、復活した老舗洋食店「キッチンV」。

かつて寄居町のオギノ通りにあった小さな洋食店「キッチンV」をご存知でしょうか。ステーキやハンバーグ、松坂牛の鉄板焼きなどのメニューで、長い間多くの常連客に愛されてきたお店です。一度は閉店してしまったものの、東堀での復活を経て、昨年11月、東中通で2度目の復活を果たしました。今回は「キッチンV」の店長・森山さんに復活のいきさつなど、いろいろとお話を聞いてきました。

キッチンV

森山 聡 Satoshi Moriyama

1958年加茂市生まれ。仙台の材木店で働いていたが、倒産したのを機に新潟に戻って「キッチンV」で洋食の修業を積む。その後、東京の洋食店、ステーキハウス、ファミリーレストランで料理経験を重ね、新潟でファーストフードのフランチャイズ事業をはじめる。その傍ら「キッチンV」も経営。店舗の老朽化などの理由で一度は閉店したものの、常連客の熱い要望で2度の復活を果たす。お酒が好きでウイスキー党。

森山さんが「キッチンV」を受け継いだわけ。

——オープンおめでとうございます。今回で2度目の復活になりますよね?

森山さん:おかげさまで、昨年の11月からこちらで営業させてもらっています。

——森山さんはいつ頃から料理の世界に入ったんですか?

森山さん:実家が材木店だったこともあって、最初は仙台の材木店へ修業に行ったんです。ところが、その会社が倒産してしまったので新潟に戻ってきて、料理が好きだったこともあったので22歳で「キッチンV」に入りました。

——じゃあ、もともと「キッチンV」っていうお店はあったんですね。

森山さん:そうそう、寄居町のオギノ通りにね。俺が入った頃はすごく厳しい先輩がいたんだけど、すぐ辞めちゃったから、あとはのびのびと働いていました(笑)

——ラッキーでしたね(笑)。それからずっと「キッチンV」で働いてきたんですか?

森山さん:東京に出て洋食店やステーキハウス、ファミレスで働いてきました。その頃のファミレスっていうのは、今と違って各店舗で一から調理するのが主流だったので、いろいろ勉強になりましたよ。

——いろんな経験を積んできたんですね。

森山さん:そうですね。新潟に帰ってきてからは、半フランチャイズのファーストフード事業をはじめて、古町や燕市の吉田でお店を出したんです。おかげさまでとても繁盛して、小新にあったSATYのイートインスペースでも出店していたんですが、SATYの経営悪化でお金が入ってこなくなったんですよ。その間もフランチャイズ料やスタッフの給料の支払いがあったので、当時はとても大変な思いをしましたね。

——それは大変でしたね。天国と地獄というか……。

森山さん:本当にそんな感じでしたね。SATYがイオンに転換したおかげで、なんとか入金してもらうことができましたけど、あまりに辛い思いをしたので懲りてしまって、イオンとの契約を終えることにしたんです。

——「キッチンV」はどんないきさつで受け継ぐことになったんですか?

森山さん:先代の後は先輩が継いでいたんですけど、あるとき「キッチンV」を閉めることになったんですよ。でも「キッチンV」を愛してくれる常連のお客様も多かったし、俺も愛着があったので後を引き継ぐことにしたんです。ただ、俺はファーストフード店もやっていたので、当時の先輩を呼び戻してお店を任せたんです。ところがその先輩も身体を壊してしまったので、俺が「キッチンV」をやることにして、ファーストスード店は全部閉めることにしたんです。

——ファーストフード店より「キッチンV」を選んだんですね。

森山さん:せっかく皆さんに親しまれているお店なので、なんとか守り続けたいという気持ちがあったのでかもしれないね。

常連客のラブコールで、2度の復活を果たす。

——オギノ通りにあった「キッチンV」を8年前に閉めたのはどうしてなんですか?

森山さん:まあ、いろんな理由が重なったんですよね。一緒にお店を切り盛りしてきた女房も疲れたと言っていたし、不景気で売上げも落ちてきた上に建物も老朽化してきていたので、お金をかけて修繕する前に手を引いたんです。

——なるほど。そんな理由があったんですね。でも、その後東堀で復活しましたよね?

森山さん:たまたま食べに行ったラーメン屋で「キッチンV」のお客様だった方と会ったんです。その方から「もう一度『キッチンV』をやってみませんか?」と誘っていただき、その方の協力で東堀に「キッチンV」を復活させていただくことになったんですよ。ところがコロナ禍の影響で、残念ながらお店を閉めることになってしまいました。

——復活を喜んだお客さんも残念だったでしょうね。

森山さん:でも今度は常連だったお医者さんがオーナーになってくれて、こちらの店舗で営業することになったんです。以前は近くにある大学病院に出前をしていたので、お医者さんの常連客も多かったんですよね。本当にありがたいと思います。

——それだけ復活を望む常連さんが多かったっていうことなんでしょうね。今までのお店とは変わらずに営業しているんでしょうか。

森山さん:コロナ禍という状況でのオープンなので、最初はお弁当を中心にしたお店にしようと思っていたんですけど、2階で営業するお店では難しいだろうということで、レストランの傍らお弁当も販売するスタイルにしました。お弁当は電話予約もできますし、お待ちいただけるなら予約無しのご来店でもお買い上げいただけます。

——メニューは以前と同じなんですか?

森山さん:私ひとりでお店のことを全部やっているので、メニューは絞らせてもらっています。お店のスペースや設備からしても、作ることができるメニューに限りがあるんですよ。電子レンジがない上に、ストーブも3口しかないから調理に時間がかかるし、小さい冷蔵庫しか置けないので、肉をたくさん保存することができないんです。だからステーキやハンバーグといったメニューは提供が難しいんです。

——けっこう大変な環境で料理を作っているんですね。

森山さん:火が通りにくかったり、時間がかかるようなものから先に効率よく料理して、できるだけお客様をお待たせしないように気をつけていますね。ただバラバラのメニューのオーダーが重なったときには、どうしても時間をいただくしかないんですけどね(笑)

——スピーディーな提供は、料理の段取りと手際にかかってくるわけですね。ちなみに、どんなメニューが食べられるんですか?

森山さん:「キッチンV」の人気メニュー「松坂鉄板焼」はもちろん「ビーフシチュー」「ポークソテー」「Vカレー」などがあります。「松坂鉄板焼」は、醤油、バター、ワインを使って作る「Vソース」と松坂牛の相性が抜群で、ご飯によく合うメニューですね。

——2度目の復活を遂げて、これからはどんなふうにお店を続けていこうと思っていますか?

森山さん:「キッチンV」の看板メニューだったステーキを、なんとかまた提供したいと思っています。あと長い間親しまれてきた「キッチンV」の味を次の世代に継承することで、これからも愛され続けてくれたら嬉しいですね。

キッチンV

新潟市中央区東中通1番町86-21 トートビル2F

090-2340-0162

11:00-14:30(L.O.14:00)/17:30-21:30(L.O.21:00)

木曜休

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