【柏市】里山の自然が残る「下田の杜」柏市初の「自然共生サイト」認定
世界目標の達成に向け、環境省が認定する「自然共生サイト」。
里山の自然や歴史文化が残る、柏市の「下田の杜(しただのもり)」がその一つに選ばれました。
貴重な里山の自然や歴史文化資源も保全
「自然共生サイト」とは、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする世界目標(30 by 30/サーティ・バイ・サーティ)の達成に向けて、環境省が認定。
2023年度から開始され、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」が認定されます。
初回となる本年度上期は千葉県で6カ所が認定され、柏市では唯一の認定となりました。
下田の杜は、この地域の地形の特色である谷津田(谷地の田んぼ)が残り、台地・斜面・低地で構成。
樹林地や斜面林、さらには古民家、木小屋、野馬土手などの歴史文化資源も保全されている貴重な区域です。
「下田の杜」を後世に継承していくために
この保全に尽力しているのがNPO法人下田の杜里山フォーラムです。
約60人の会員が、里山と歴史文化資源の保全、教育支援活動や地域交流や調査研究活動を行い、定期的にイベントも開催。
5カ条からなる「下田の杜憲章」には、この地に立ち入るに当たり、保全・活用のために心掛けるべき基本理念が記されています。
毎週日曜には園内にある吉峰荘(きっぽうそう)を開放し、活動紹介や物販などを行っています。
「イベント参加を機に親子で会員になったり、下田の杜で学んだ小学生が中学生となり下田の杜を研究テーマに選ぶなど、若い世代が関心を持ってくれるのはうれしいですね」と語るのは、同NPO法人副理事長の吉田進さん。
一方、理事長の北田芳則さんは湧水量の減少を懸念。
「雨水地下浸透施設を設置していない住宅にその設置を推進するなど、柏市と共に対策を検討していきたい」と語り、「里山を永続的に保全するには、柏市民全体の環境意識の向上が必要です。若い世代の里山自然体験の拠点として活用を図り、次世代のボランティアリーダーを育てていきたい」と話しています。
また、「下田の杜の自然を守る会」代表の齋藤吉弘さんは、「課題も多いが若い人の参加も増え、夢も多い。いつまでもこの里山の自然を継承していきたい」と話してくれました。
※問い合わせ メールアドレス/stdnmr651ksw@gmail.com NPO法人下田の杜里山フォーラム 住所/千葉県柏市酒井根6の5の1 吉峰荘 ホームページ/https://shitadanomori-satoyamaf.org/