<同居できる?>バツイチだけど優しい夫「両親に孫との時間を!」突然の同居話に困惑【まんが】
私(ハルナ)は、現在夫のトオルと1才の息子リクと3人で暮らしています。夫のトオルはバツイチでしたが、その優しいところに惹かれて結婚を決めました。気性が荒かったという元奥さんは義両親との関係がうまくいかず、その間に入ったトオルはずいぶん気を揉んだそうです。近所に住む義両親は、代々受け継いできたという土地やお墓に誇りを持っています。その上から目線の物の言い方が若干気になるときもありますが、なるべくスルーするようにしてきました。
そんななか二世帯同居の話が持ち上がりました。もともと義両親が所有している土地に、私たちが建築費を負担して二世帯住宅を建てる……という案です。夫婦で土地を買って家を建てるのに比べたら、お金の面ではだいぶ安く済むでしょう。
「それに……元妻との離婚後ウチの両親、孫に会わせてもらえなくなってさ」悲しそうにうなだれるトオルの姿に私は同情します。「そうなんだ……」「だから、両親には孫に囲まれた賑やかな老後を過ごさせてあげたいってずっと思っていたんだよ」
トオルはとても優しい人です。だから彼の言うとおり、元奥さんはよほど気性が荒かったのでしょう。孫に会わせてもらえなくなってしまった義両親を心配するトオルの優しさに触れ、私は同居を受け入れたのでした。 義両親との同居に不安がなかったといえば、正直嘘になります。しかし私はこれから子どもが増えても仕事を続けていくつもりだったし、利便性の高いエリアで家が建てられるメリットも感じていました。同居といっても「完全分離型の二世帯住宅」とのこと。ならばきっとうまくいくだろう……。そう思い、私たちは二世帯同居に向けて準備をしはじめたのでした。
勝手に話を進める義両親「お前たちの好きなように!」ってウソつき!
「自分たちの気に入る会社に頼むといいよ」そう言って私たちに任せたはずの義父。しかし夫婦でいろいろな工務店やハウスメーカーを見たり、話を聞いたり検討したりして、ようやく絞った段階で……。義父は「知り合いの工務店に決めてきた」と言い出したのです。
正直すぐには納得できませんでしたが、希望していた設備はあるみたいだし、知り合いならきっとアフターフォローもしっかりしていることでしょう。何より安くしてくれるというなら、仕方ないのかな……そんなふうに思いました。
いろいろな葛藤を抱えながらも、同居を決意した私は家づくりに取り掛かりました。まずは家を建ててくれる会社を探すところからです。夫婦で住宅展示場に足を運びながらさまざまなハウスメーカーや工務店を検討していたのですが……。「好きな会社に頼めばいい」と言って任せてくれていたはずの義両親は、私たちに何も言わずに勝手に知り合いの工務店に頼んでしまっていたのです。 話が違う……と思いつつ、なんとか自分で自分を納得させて、私はその工務店との打ち合わせへ。すると今度は、義両親が家の外観を勝手に決めて頼んでいたのです。「私たちの好きにしていい」と言いながら、結局自分たちの好きにする義両親。私は次第にイライラを募らせていくのでした。
忘れたフリ?とぼける義両親……夫「悪気はないから許して」はぁ!?
「悪気はないから許してあげて」と。トオルは言いますが、私は納得できないままでした。ただ二世帯住宅は完全分離型。それぞれの世帯の間取りや設備の打ち合わせは別々に行うことになりました。工務店に自分たちの希望を伝えていると、だんだんワクワクしてきます。
2ヶ月ほど経った土曜日、私は息子を連れて義実家に向かうことになりました。トオルが仕事の日、私ひとりだけ呼び出されたのです。すると義両親は激怒していました。まだ私たちが見ていない最新の図面を工務店からもらったようです。
工務店決めや家の外観をめぐってのゴタゴタで、すっかり義両親の言葉の信憑性を疑うようになった私。しかしトオルは「年だから仕方ない」とか「悪気はない」とか、まったく気に留めていません。その姿を見ていると、逆に「気にしすぎる私がいけないの?」と思ってしまいます。 それでも具体的に家づくりの話を進めていくとワクワクして、完成が楽しみになってきました。完全分離型の二世帯住宅にしているので、お互いの家に行くためには玄関から入らなくてはいけません。勝手に出入りができない状況が、これほどまでに心の安定になるのか……と思います。しかし私たち夫婦が決めた間取りを見た義両親から、私は激怒されてしまうのでした。
激怒する義両親「カネ食い虫!」「意地汚いッ」一方的に責められる私
「なんでここまで言われないといけないんだろう……」私はそう思いながら、義両親の暴言がやむのを待っていました。そんなとき図面の中に、義両親世帯からわが家の方へ入ってこられるドアがあることを発見したのです。さすがに青ざめました。
また「忘れちゃった」か……。私の中で、何かが切れた音がしました。「分かりました。一方的な被害妄想でここまで言われないといけない相手との同居なんて、無理ですね」私はため息をつき、そう言って義実家を後にしたのでした。しかし……。
私たち夫婦が選んだ新居の設備が気に食わない義両親。すべて私の「贅沢」「わがまま」だと一方的に責めてきました。なんでここまでの言われ方をされないといけないんだろうと、悲しくもなりました。が、次第に「この人たちのせいで悲しむ時間すらもったいない」と思うようになったのです。 さらに私の知らないところで、互いの家を室内から行き来できるドアが設置されようとしているのが発覚。こんな一方的な人たちに、自分たちの生活スペースに入り込まれると考えただけで恐ろしい! そもそもこんな人たちと同居すること自体が難しい、そう思うようになりました。 しかし今日の出来事をトオルに伝えると、なんとトオルは「気にしちゃダメだよ」と言うだけだったのです。
夫「両親を悪者にしないでよ~」妻が人格を否定されたのに……正気?
「無理! 絶対にイヤ!!」興奮して肩で息をしている私。そんな様子を「どうしちゃったの?」と哀れみの目で見てくるトオル。「ハルナはこんな人じゃなかったじゃん」と諭されて、思わず自分が悪いかのような錯覚に陥ってしまいます。
「ドアくらい、気にしない気にしない。あって良かったって日も来ると思うよ? 今日の話し合いのことだって、両親も時間が経てば忘れるから。ホラ、ご飯食べよ?」トオルの言葉に私は肩を震わせます。「おかしいでしょ……こんなの」
トオルには私の言葉がなかなか伝わりません。トオルは一貫して「気にしないで」「年寄りは暇だから」「どうせすぐ忘れる」そう言って、私の気持ちに寄り添ってくれようともしないのです。しかも文句を言っている私がいけないかのような目で見てくるのです。 こんな調子で同居なんかしてもうまくいきっこないし、もう同居をする気持ちにもなれません。だから白紙に戻すことを伝えたのに、返ってきた言葉は「機嫌直して」……。トオルは私が機嫌の悪さからこんなことを言っていると思っているのです。あまりの話の通じなさに呆れてしまったのでした。
暴言じゃなくて受け取り方の違い!?冷めた……「同居はムリです!」
「大丈夫、大丈夫」トオルが何を根拠にそう言っているのか、さっぱり分かりません。「そんな言葉は信じられない。無理」私が返すと、トオルは義両親に電話をかけると言い出しました。「分かった。んー……じゃあ母さんたちにも聞いてみよう?」
「さんざん期待させるだけさせておいて、嫌になったら排除するのね……」「そんなことないよ!」義両親とトオルの会話を聞きながら、私はだんだん気持ちが冷めていくのを感じました。トオルは私の言い分を聞かず、義両親の話だけを真に受けています。
最初は義両親だけがおかしいのかと思っていました。けれど、いくら私が義両親のことを訴えてもトオルには響きません。もしかしたらトオル自身もおかしいのではないか……。私はそう思うようになったのです。 しかも義両親はあれだけ私に暴言を吐いておきながら「すべて息子を思ってのこと」「受け取り方に相違があっただけ」……? いったい何を言っているのでしょうか。 しかし「言った、言わない」に証拠はありません。トオルが義両親の言葉を信じてしまっている時点で、私たち夫婦の未来は確定してしまっているような気がします。家を建てる前に気が付いてよかった。そう思うと後悔はありません。ただひとつ後悔があるとすれば「あのとき義両親との会話を録音しておけば……」それだけでした。
夫は典型的なクズ男だった……出て行った前妻のキモチがよく分かる!
「それで、子どもとの面会もほとんどしていない……と」私はあらためてトオルと元奥さんとの離婚の経緯を確認しました。「あなたはそれで良かったの?」「良くはないけどさ~。仕方ないかなーとも思うんだよ」「仕方ない……」
今なら私も元奥さんの気持ちが分かります。きっと元奥さんのときも、トオルは双方に「悪気はない」なんて体のいい言葉を使って、なんとかその場だけ収めるようにしていたのでしょう。うまくいかないのを義両親と元奥さんの「相性」のせいにして……。
二世帯同居の話が進むにつれて、義両親への不信感は募っていきました。しかし元を正せば、それはすべて夫であるトオルへの不信感だったのです。 義両親が何をしても何を言っても「気にするな」の一点張り。義両親の行動をとがめようともせずに、「ハルナなら大丈夫」「両親に悪気はない」と言い続けたトオル。よくよく話を聞いてみると、元奥さんにも似たようなことをしていたのでした。 優しいと思って結婚した相手は、自分が面倒なことを背負いたくないだけの、自分に優しいだけの男だったのです。もっと早く気が付けば良かったと思いつつも、まぁ同居をはじめる前に気が付けて良かったと考えるようにしたいと思います。
嫁だけにガマンを強いる夫!同居じゃなく「結婚生活」がもうムリッ!
私が言い放った「離婚」の言葉にトオルは焦っています。「そんなこと言わないでさ。頼むよハルナ。俺は両親とハルナとリクとで仲良く暮らしていきたいんだよ」私を引きとめようと、すがりつくように必死で懇願してきました。
トオルは最初の結婚で失敗しておきながら、全く学んでいませんでした。「妻に我慢させればいいって思っていたんでしょ? あなたたちは無意識に他人である私の気持ちには鈍感で、我慢させても気にならない存在に仕立てあげていたってことよ」
私はもう離婚を決意していました。しかしトオルはなかなか首を縦に振ってくれません。それどころか「内ドアを取り付けるのをやめる!」などとトンチンカンなことを言ってくる始末です。あらためて人の話を聞かない人なんだなと実感しました。 私はもう同居の話などしていません。同居するしない以前に「結婚生活」が無理だという話をしていたのです。トオルは泣いて私にすがりますが、私の心は決まっています。こんなに早く決断した自分には驚きですが、見切りをつけるには十分な出来事だったということです。あとは離婚の条件を整えて、家を出るだけ。うまくいきますようにと祈るばかりです。
離婚を宣言!「アバズレ」「クズ女」汚い言葉で私を罵り続ける義両親
どんなに冷静に考えても、私には離婚以外の選択肢がありませんでした。私はトオルが仕事でいない週末を狙って、義両親に話をつけに行きました。「り……離婚ですって……?」「はい」驚いた義母は声を荒げて私のことを罵倒しはじめました。
私のことを口汚くののしり続ける義両親。「最初からお金目当ての結婚だったんでしょ!! 離婚なんて許さないわよ」「別にお義母さんの許しは必要ないかと」私が冷静にそう返すと、義母は私に向かって脅すような言葉を口にしました。
どれだけトオルと話し合いをしても埒が明かないので、私は先に義両親と話を済ませておくことにしました。義両親は相変わらず、汚い言葉で私を責めてきます。義両親は、嫁という立場を下に見ているのです。私に「好きにしていい」と言っておきながらも、実際は嫁に好きに動かれることが嫌なのです。 今回は同居話がきっかけでこのような事態になりましたが、結局のところ同居話がなくてもいつか同じことが起こったでしょう。義実家を後にしながら、私はこれからすべきことについて考えます。トオルへの説得が最後の大仕事になるのでしょう。しっかりと説得しよう……。私はカバンの中のスマホを握りしめながら、そう決意するのでした。
【夫の気持ち】「両親には賑やかな老後を!」妻の考え、理解できない
俺(トオル)は、妻のハルナと息子のリクとの3人暮らしをしている。数年前に前妻ユキエと両親の相性が良くなかったため離婚に至り、両親から孫も奪う形になってしまった。その後ハルナと再婚してリクが産まれ「これで両親には孫との楽しい老後を過ごさせてあげられる」と思ったのだ。しかし同居の話を進めるにつれてハルナは人が変わったかのように怒りだし、しかも離婚するとまで言い出した。何とか離婚だけは避けたい。そして両親に賑やかな老後を過ごさせてあげたい。俺は仕事帰り、電車の中で悩んでいた。
元妻も両親とよく揉めていた。俺はそのたび仲裁に入った。「悪気はないんだけどさ、あぁ見えて心配しているんだよ」しかしある日元妻が母さんを泣かせ、俺は元妻を問い詰めた。親を泣かせるなんて信じられない。しかし元妻は離婚届を渡してきた。
確かにウチの両親は少々クセが強かったり、言い方にトゲがあったりするのかもしれない。でも、それも全部受け取り方の問題だろうと思う。気にしなければいいだけなのに……。元妻もハルナも、いちいち突っかかるから揉めてしまう。
何がいけなくてこんなことになってしまっているのか、俺には分からなかった。確かにウチの親は少々クセが強いところもある。でもそれは「仕方のない」ことなんだ。昔からそうだし、年齢を重ねた人の性格は変えることはできない。だからこそ、受け取る側が気にしなければいいだけなのに、どうしていちいち突っかかって揉める原因を作るのだろうか。俺にはそれが理解できなかった。 ハルナとは今度こそうまくやっていけるって思っていたのに、またこんなことになってしまい、どうすればいいか分からない。そしてハルナはとうとう両親に離婚の話を告げてしまって……。俺は困惑しつつも、ハルナの行動にイライラしはじめていた。
「年寄り相手にヒドい!」妻の言動が冷たすぎてツライ
ハルナは怒りをたたえつつ静かに言った。「そもそも『そういう性格だから仕方ない』って割り切れるような人間性をお持ちじゃないでしょ。あなたのご両親は」「……どういうこと?」「いちいち常軌を逸しているというか、言葉のチョイスが……」
「離婚は良くないってアドバイスはしたけど、そんな強い言い方はしてないわよ。お父さん、私そんなこと言ってた?」「忘れちゃったよ~。ハルナさんはすぐに物事を大げさに考えすぎるから……」するとスマホを取り出したハルナが、音声を再生した。
いったい俺の何がいけなかっただろうか。俺は皆に幸せになってもらいたかっただけなのに……。ハルナからは「仕方ない」というのは、俺が使う言葉じゃないと言われた。俺は息子だからいいけれど、他人からすれば両親の性格なんて知ったこっちゃない話だったのかもしれない。まるで免罪符のように「仕方ないから我慢してくれ」は傲慢だったかもしれないとようやく気が付いた。 しかし時はすでに遅かった。ハルナは離婚を決意して出て行ってしまった。残されたのは俺と両親だけ。俺はこれからもひとりで両親を支え続けて生きていくしかないのだろうか……。
【私の気持ち】離婚へ!夫にも親にもなれない人とは……「さようなら」一択です!
離婚を決意した私は義両親との話し合いを録音して暴言の証拠をとり、息子と一緒に自宅を出ました。
トオルはただ、両親を喜ばせてくれる人が必要だっただけ。結婚相手とは「一緒に幸せになろう」ではなく、「一緒に両親を幸せにしよう」だったのでしょう。私は弁護士さんを通して離婚に向けての話し合いを続けています。そして義実家の近所では……。
「二世帯住宅を建てようとしたら嫁が出て行った」という噂は瞬く間に広まったようです。私の方は今のところまだ義両親の暴言を録音したデータは使用していません。今後関わりを持たなくて済むなら利用しないかもしれません。
私の離婚騒動を聞いて両親はとても驚いていました。ただ義両親と話をしに行ってからは、私が離婚を決断するに至った理由にも納得してくれたようでした。 正直、あのときトオルが同居の取り止めを選んでくれていたら、再構築を考えないこともなかったのですが……。息子はまだ小さいし、一度添い遂げると決めた相手です。私だって最後まで頑張りたかった。けれどトオルは頑なに同居にこだわり、それ以外の選択肢を認めてくれませんでした。 彼は私と結婚したというよりも、義両親を喜ばせる嫁が欲しかっただけ。所帯を持ちながらも、心の中は義両親の息子のままだったのでしょう。残念ではありますがこれからは前を向いて、息子と2人で頑張って幸せになりたいと思います。