AIがパノラマ画像から自動で動画生成。それでも「内見」はなくならない│南智仁の賃貸ニュースピックアップ
LIFULL HOME'Sがパノラマ画像から自動で動画生成する機能を提供開始
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S」は、2026年6月より、リコーのAI技術を活用し、360度パノラマ画像から物件動画を自動生成する機能の提供を開始すると発表した。これまで不動産会社にとって動画制作は「撮影」「編集」「アップロード」と手間のかかる業務だったが、今後は既存のパノラマ画像があればAIが自動で物件紹介動画を生成できるようになる。人手不足が深刻化する不動産業界において、業務効率化と情報量の充実を同時に実現しようという動きだ。
【今回ピックアップするニュース】
LIFULL HOME'S 賃貸、360度空間データから物件動画をAIで自動生成する機能を2026年6月より開始(株式会社LIFULL)
近年の部屋探しは、完全に“スマホ前提”へ変化している。ユーザーは写真だけでなく、動画やパノラマ、口コミなどを見ながら比較検討する時代になった。特に若年層は「まず動画を見る」という行動が当たり前になっており、静止画だけでは物件の魅力が伝わりにくくなっている。AIによる動画生成は、こうした「情報量競争」をさらに加速させる可能性がある。
ただ、個人的にはそれでも内見がなくならないと考える。理由は、住まいが“感覚の商品”だからだ。日当たり、共用部の空気感、周辺環境の音、建物の管理状態などは、実際に現地へ行かなければ分からない部分が多い。また、最終的には「ここで生活したいと思えるか」という感覚的な判断が必要になる。テクノロジーは部屋探しを効率化するが、内見は今後も「最後の意思決定」の役割として残り続けるのではないだろうか。
「南智仁の賃貸ニュースピックアップ」とは?
不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。
南 智仁
株式会社南総合研究所 代表取締役社長
不動産会社に勤務後、大手ポータルサイトに入社。退社後、株式会社南総合研究所を設立。おもに経営戦略の策定から実行、不動産業務全般のお手伝いをしています。 得意領域は、不動産賃貸業です。また実務に関しての新人セミナーや営業力向上のセミナー等も行っています。