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音楽で地域の人と交流を~三宅依子プロデュース・クレセールアンサンブル×伸和コントロールズ株式会社インタビュー

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左から 向山優樹氏(伸和コントロールズ株式会社 経営企画本部)、チェリスト三宅依子、ギタリスト鈴木大介

チェリストの三宅依子がプロデュースする「Crecer Ensemble(クレセールアンサンブル)」が2022年7月2日(土)、長野県伊那文化会館(長野県伊那市)にて、最先端のものづくり技術の開発に努める「伸和コントロールズ株式会社」(本社:神奈川県川崎市)の創業60周年を記念するコンサートに出演する。会社の節目を盛り上げるステージでは、ラフマニノフなどのクラシック曲のほか、英国の音楽グループ「ザ・ビートルズ」など幅広い楽曲を演奏。三宅と、ギタリストの鈴木大介、伸和コントロールズの経営企画本部の向山優樹氏に意気込みを聞いた。

――三宅さんが立ち上げたクレセールアンサンブルには、幅広いジャンルのアーティストが在籍しています。立ち上げの経緯からお話しいただけますか。

三宅:コロナ禍で演奏会などがなくなり活動ができなかった昨年、何かできないかと考えて生まれたのがクレセールアンサンブルです。メンバーを固定せずに、私が演奏したいなと思った方と、やりたいことを実現する。ジャンルを問わずに、集まってくださったみなさんの本領を発揮していただこうと思って始めました。

――今回の公演は、今年の6月に伸和コントロールズ株式会社が創業60周年を迎えることを記念したステージです。同社と三宅さんはいつごろからご縁があったのでしょうか。

三宅:最初の出会いは10年前。創業50年の時でした。幸島宏邦代表取締役会長が「地域の貢献などに力を入れていきたい」というお考えを持っていらして、「クラシックのコンサートを開いてほしい」とお声掛けをいただきました。「ぜひ!!」と交流が始まり、それからずっとお世話になりっぱなしです。

左から 向山優樹氏(伸和コントロールズ株式会社 経営企画本部)、チェリスト三宅依子、ギタリスト鈴木大介

――地域の人と音楽で交流する。素晴らしい企画ですね。

三宅:そうなんです。ものづくりをする現場である工場には、大きなトラックなども出入りするため、地域の人たちの理解や支えなしには進められないという幸島会長の思いがありました。1回目のコンサートを開いたのは、今回と同じ伊那市で、コロナ禍になるまでは毎年1回、同じ場所で公演を行っていたんです。ほかにも伊那市と同じように工場がある関係で、長崎県大村市でもコンサートを行わせていただきました。

――コロナ禍の2年間は行動制限などがあり中止されました。今回3年ぶりの公演ですね。

三宅:はい。実は今回出演するメンバーは元々、2020年に伊那市で行われる予定だった『バラ祭りコンサート』(※バラを通じて地域を活性化していこうというイベント)に出演するはずでした。それがコロナ禍で中止になり、その時の奏者たちを再編して臨むのが今回のコンサートなんです。

私はクレセールアンサンブルを結成するにあたって、演奏家が顔を突き合わせて、何を演奏するのかを会議で決めていくことを大切にしたいと思っていました。今回ラインアップにあるビートルズの曲などは鈴木さんが提案してくれたものです。なぜこの曲をと言う部分は、スペシャリストの彼から説明をさせていただきます。

鈴木:最初はピアソラの予定だったんです。(2020年)当初、弦楽四重奏とギターの編成でできる、誰も買わなそうな楽譜を買っていたんですが、(コロナ禍で)公演がどんどん中止とか延期になってしまって……。

――それで仕切り直しをされて。ビートルズを演奏しようと思われたのはなぜですか?

鈴木:僕の師匠が2人(ビートルズの)演奏経験があったので、普通は買えない楽譜も交渉できるかもしれないというのが始まりでした。海外で版権を扱っている方の連絡先を聞いて、交渉が始まりました。後の事務処理は、三宅さんがやってくださいました。

鈴木大介

――三宅さんは泣きそうな顔をされていますが。

三宅:泣きそうでした。銀行振り込みができない会社で。

鈴木:エージェントはキューバにあるのに、銀行はスペインにあって……。

三宅:怪しいでしょう。キューバの銀行では取引ができなくて、書留もダメだって……。

鈴木:最終的にお金のやり取りができるアプリケーションフォームがあるからって、教えてもらって。そのやり取りをしているうちに(エージェントと)仲良くなっちゃって。昔からの知り合いみたいになってしまいました(笑)。10往復以上したメールの中で、懐かしい話題も出たんです。レオ・ブローウェルさんという、今年83歳になるキューバを代表する作曲家がいるのですが、僕が昔ヨーロッパでギターを習っていたホアキン・クレルチさんがブローウェルさんにすごくかわいがられていて、彼の未出版の曲をたくさん持っていました。それで、30年位前に、一緒にブローウェルさんの曲をレコーディングをしたことがあったんです。メールの中でその話も出て、「ブローウェル、それ覚えているよ」って言われて。やっぱり長生きする人は違うなぁって思いました。そんなこともあって、友だちになっちゃった感じで。楽譜はキューバから送られてきました。

三宅:結構しっかりした楽譜でしたよね。

鈴木:うん。作りはしっかりしていたけれど、校正はしっかりしていなくて。いまミスプリントを確認中です。

三宅:そういう経緯で手に入れた楽譜なので、あんまり世の中で演奏されていないものなんですよね。

鈴木:そう。ギターと弦楽四重奏でレオ・ブローウェルさんの「ビートルズによる7つの歌」という曲を演奏するのですが、7作品全てというのは、あんまり機会がないと思います。

――貴重な演奏会になりますね。

向山:はい。実は弊社社長の山本(拓司)もビートルズが大好きで、社内イベントでバンド演奏をやったこともあります。どのようなアレンジで聴くことができるのかとても楽しみです。

向山優樹氏(伸和コントロールズ株式会社 経営企画本部)

――今回のコンサートの聴きどころについて、三宅さんにもうかがえますか。

三宅:お子様と一緒に楽しんでいただけるコンサートにしたいと思い選曲をしました。いま発表している曲以外にも、アンダーソンの弦楽五重奏や、ラフマニノフのピアノ協奏曲よりフルートのメロディーをバイオリンで演奏する『Preghiera(祈り)』も演奏いたします。個人的にアンダーソンは、ヨハン・シュトラウスのように身の回りに起こったことを面白おかしく表現したかったという思いがあると感じているので、コントラバスに入ってもらうことで、楽しい雰囲気を伝えることができればと考えています。

――6月に創業60周年を迎えられました。向山さんは会社としての節目をどのようにお感じですか。

向山:60周年のロゴは多様性や調和を表現するためカラフルにデザインされています。弊社の事業は、これまでの積み重ねを大切にしながら、今後はグローバル展開を推進していくことになります。そのためには若手もベテランも手を取り合って、協働していくというメッセージがトップから発信されています。

60年前、7人で始まった会社が、今では社員数が約600人にまで成長したのですが、規模が大きくなっても、立場に関係なく社員が互いを思いやり、切磋琢磨をし、成長しようという社風を守っていきたいと思っています。演奏もハーモニーが大切ですよね。このコンサートが、地域との共生の大切さを改めて考える機会になればと思っています。

三宅:最初にお世話になった創業50年のコンサートの時からずっと、制作や企画を社員の方が担当してくださっているんです。みなさんに助けていただきながら、地域の皆さんに楽しんでいただく公演を作り上げているという感覚があります。会社の納涼祭に呼んでいただいたことがあるのですが、演奏会同様、社員さん自らが、企画、準備、お客さまのおもてなしをされており、チーム力や一体感を肌で感じることのできる、とても温かい会社です。

三宅依子

――伊那市の魅力や、楽しみにしていることはありますか?

鈴木:楽しみはやっぱり、その土地ならではの食べ物ですよね。伊那市は1度だけ行ったことがあるのですが、会場がある場所に近い伊那市駅と隣の伊那北駅(ともにJR東海・飯田線)の間には、並行して国道が走っていて、道路の両側に独特の雰囲気を持った飲み屋が続いているんです。道を入った裏手にも店がたくさんあって、1週間滞在して夜もランチも行ったとしても周りきれない。

三宅:最初に連れて行っていただいた焼肉屋さん、おいしかったですね。鹿などをいただいた記憶があります。

鈴木:そう。インテリアが素敵なバーもあって、すぐにジャズの演奏ができそうな場所もありました。もうちょっと長くいたいなと思いながら帰ったので、長く滞在できるような企画を立てたいですね。

三宅:山本社長のバンドと一緒に、セッションをするとか。楽しそうですね。地域の人を巻き込んでお店の中でライブができたら面白そうです。

――三宅さんは、何度も足を運ばれていますが、おススメの観光スポットがあれば教えてください。

三宅:創業50周年記念コンサートの頃から毎年、「信州高遠美術館」(長野県伊那市)でコンサートを行わせていただいたのですが、美しい場所にあるので、是非足を運んでいただきたいです。美術館の近くには、高遠しんわの丘ローズガーデン(同県同市)という場所があって、コンサートの前には必ずバラの見学に行っていました。バラを見た後には、おいしいお蕎麦をいただくのがお決まりになっていて。今回来場してくださる方にも、味わっていただけたらなと思います。「東京藝術大学」の創始者である伊沢修二先生は伊那市高遠町の出身です。音楽との縁が深い町でもあり、盛んにコンサートが行われていますが、伸和コントロールズ株式会社様を通じ、伊那文化会館でコンサートに出演できることを、私自身、大変嬉しく思っております。

左から 向山優樹氏(伸和コントロールズ株式会社 経営企画本部)、チェリスト三宅依子、ギタリスト鈴木大介

取材・文=翡翠 撮影=池上夢貢

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