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岡田利規作・演出の『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』 アオイヤマダ、小栗基裕、片桐はいりら出演者発表

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『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』キャスト

2026年2月14日(土)~3月1日(日)予定、KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて、『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』が上演される。この度、出演者が発表された。

KAAT神奈川芸術劇場では、2025年度メインシーズンのタイトルを「虹~RAINBOW~」とし、本作品『未練の幽霊と怪物』を含む5作品を上演する。

メインシーズン最後を飾る本作品は、現代演劇における言葉と身体、空間がおりなす可能性を開拓し、国際的に活躍する演劇作家の岡田利規(チェルフィッチュ主宰)が、現存する世界最古の舞台芸術「能」に触発された音楽劇。2021年にはKAATで『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』を上演。今回はその第2弾となる新作。

『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』2021年上演版より          撮影:高野ユリカ/ Yurika Kono

本作品は、ドイツ公立劇場の名門、ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品として創作、2017年2月に発表され、話題を呼んだ『NŌ THEATER』の日本版進化形でもある。2012年新国立競技場の設計者としてコンペで選ばれた天才建築家「ザハ・ハディド」をシテにした『挫波(ザハ)』と、夢のエネルギー計画の期待を担い、巨額の資金が投じられたものの一度も稼動することなく廃炉の道をたどる、高速増殖炉もんじゅを題材とした『敦賀(つるが)』の2本立てで上演された前作は、第25回鶴屋南北戯曲賞と、第29回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した。また2021年には出版した戯曲が第72回読売文学賞を受賞している。

『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』2021年上演版より          撮影:高野ユリカ/ Yurika Kono

第2弾となる今回も、目に見えないもの、霊的な存在がその想いを語る「夢幻能」の構造を借り、現代社会の巨大な構造の中で犠牲となった、膨大な未練の思いを残す存在を2本立てで表出する。音楽は前作に引き続き、内橋和久が担当。32年にわたって音楽監督として維新派に携わり、『NŌ THEATER』をはじめ、岡田のミュンヘン・カンマーシュピーレで発表した4作品の音楽を手掛けた内橋は、即興演奏家としての活動と並行してUA、Salyu、細野晴臣、カルメンマキ等と歌にも積極的に取り組んでいる。また謡手として今回は奄美出身の里アンナが参加。岡田の紡ぎだす繊細な「謡」を、内橋の演奏に合わせて歌いあげる。

(左から)岡田利規、内橋和久

そして、主役である「シテ」には、2020年東京オリンピックでソロパフォーマンスを披露し、気鋭の“表現者”として多彩な活動を展開するアオイヤマダと、世界的ダンスパフォーマンスグループ s**t kingz のメンバーとして活躍する一方、近年では舞台や映像などソロでの表現の幅を広げている小栗基裕。「ワキ」には、舞台を中心キャリアを重ね、今回が岡田作品4度目の参加となる石倉来輝、プロダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS」に所属し、俳優としても領域を広げている七瀬恋彩、さらに CM や舞台、声優など多方面で経験を重ねる沖縄出身の清島千楓。「アイ」には、第1弾にも出演し、唯一無二の存在感で印象を残した片桐はいりが続投する。

岡田利規 作・演出 コメント

『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』は、能というフォーマットをわたしなりに活用してわたしなりの演劇を
つくる試みでした。この社会・世界に無数に存在している、浮かばれない魂、成仏できないでいる存在者へのエンパシーを上演空間において共有する。その企みには意義があるはずだし、続けたい、とわたしは思っていましたから、今回それを実現するチャンスを KAAT からいただけて、嬉しいです。クリエーションに関わる皆さんと楽しくつくり、観客の皆さんに濃密な体験となる上演を届けるつもりです。

内橋和久 音楽監督・演奏 コメント

『未練の幽霊と怪物』第二弾。ミュンヘンでの初作『NÕ THEATER』を入れると三作目なのですが、同タイトルの前作(2020)から「謡手」を据える方式をスタートしました。能楽の持つ荘厳さと様式美に、現代の歌/唄のテイストを織り交ぜた作品に仕上げるというのが私の狙いです。今回は更にそこへ、奄美の伝統の節を織り込むことにチャレンジします。この挑戦を思い立って真っ先に頭に浮かんだのが、里アンナさん。個人的に何度か共演歴があり、大きな- 歌の力- と呼ぶべきものを感じる方です。そんな歌・謡・唄が、岡田利規の世界とどう融合して昇華、結晶化をみせてくれるのか、今から楽しみでなりません。

出演者コメント

■アオイヤマダ
私の脳裏にぺったりとくっついてしまった
2021年の岡田利規さんの作品『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』。
題材となった千駄ヶ谷を通るたびに思い出し、
あらゆるものの点とこの作品とが繋がっていく。
敦賀に関しては「日本海の魚美味しいよね〜」という会話からも思い出すようになった。
作品を思い出すときには、それと繋がった多くの思い出が溢れ出てくる。
幽霊みたいな記憶が、私の思い出たちと手を繋いでいる。
きっと、この先も一緒に生きていくんだろうな。
そんな幽霊みたいな記憶を、私も作りたいです。
宜しくお願い致します。

■小栗基裕(s**t kingz)
武者震いが止まりません。踊る者として、俳優として、表現者として、このような素晴らしい機会を授かったことに心も身体も震えております。前作の「挫波/敦賀」を食い入るように見終わった後の凄まじい余韻。人間の想像力と創造力が一つの空間をこんなにも別世界へと変えてしまうのかと、全身に入っていた力が溜め息と共にすーっと抜けていきました。この衝撃を受け継ぎ、届けるという使命を背負い、自分にしか出来ない表現を見い出し、積み上げてきた全てを信じて、新たに岡田さんが創り出す未知の世界に飛び込ませて頂きます。観に来てくださる皆様の身体の芯まで響かせられますように。

■片桐はいり
前回は特別だった。2020年4月の緊急事態宣言で劇場公演が中止になり、誰とも一度も会うことなくリモートで稽古、その一部を配信で上演した。毎日ひとりで、慣れない機械操作と岡田さんの独特な台詞と動きに七転八倒した。そして翌年、同じく延期された東京五輪を前に、安全な距離を保った劇場で本番の時だけマスクをはずしてやった。特別な時間だった。けど今じゃ「そんなことあったねえ」みたいな空気。なんて忘れっぽいんだ。今度また、すでに記憶の彼方の幽霊や、なかったことにはできない怪物たちを呼び戻して新作をつくることになった。今いちど新しい人たちと、2026年のやり方でこの作品に挑めることはとてもありがたい。
でも少しこわい。

■里アンナ(謡手)
この度、『未練の幽霊と怪物』に謡手として参加できることを、大変光栄に思います。
声は目に見えないけれど、空間を満たし人の心に深く染み込んでいくものだと感じています。
幼い頃から祖父に島唄を教わってきた私にとって、唄は祖父との会話であり、先人たちの声を受け継ぐもの。
この作品に登場する“未練”を抱えた存在たちが、時を超えて語りかけてくるような感覚には、どこか通じるものがあると感じています。
今回、一音一言を大切に未練を抱えた存在たちの想いを謡にのせて届けたいと思います。
ぜひ、劇場へ足をお運び下さい。

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