【茅ヶ崎 イベントレポ】第5回 避難訓練コンサート - コンサート鑑賞中の災害に備える避難訓練
もしも、コンサート鑑賞中に災害が起きたら…あまり考えないことかもしれません。ですが、ありえないことでもないのです。実際、筆者はとあるコンサートの鑑賞中に、地震を経験したことがあります。あまり大きな地震ではありませんでしたが、ホール天井に吊るしてある反響板が、実際の地震より大きく揺れて見えて、とても恐く不安になったことを覚えています。
そんなコンサート中の災害を想定した『避難訓練コンサート』が2026年2月26日に茅ヶ崎市民文化会館大ホールにて行われ、筆者も参加して来ました。とても有意義なコンサートだと思いますので、ご紹介します。
コンサート鑑賞中の災害を想定した訓練
茅ヶ崎市民文化会館では、市民が安心して施設を利用できるよう、会館スタッフのみでの災害発生を想定した訓練を定期的に行っているそうです。加えて、来館者の安全性をより高めるため、公演中の災害発生を想定した実践的な訓練である『避難訓練コンサート』に2021年度より取り組んで、今回が5回目となります。
災害はいつ起こるかわからないため、実際の公演に近い状況で訓練を行うことで、スタッフの避難誘導能力の向上を図り、危機管理マニュアル・避難誘導方法・避難経路の検証をし、課題の抽出につなげることを目的としています。また、来場者自身が、コンサート鑑賞中に災害が発生した場合の身の守り方や避難行動を体験することで、防災意識を高める機会となっています。
今回の第5回では第4回同様、地震→停電→地震による火災発生を想定に加え、より複雑な状況下での対応力向上を図り、訓練が行われました。
茅ヶ崎市民文化会館は2018年のリニューアル工事の際、耐震補強工事を施し、高い安全性を備えていますが、災害時に瞬時に適切な判断ができるよう、日頃から実践的な訓練を重ねることが重要だと考えているそうで、スタッフと来場者がともに「安全・安心な文化施設づくり」に参加することを目的とした取り組みとなっています。
実際の訓練の様子
まず、コンサートの前に主催の公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団によるお話がありました。スライドで災害が起きた時に大切な「自分を守る行動」について「地震が起きたら」「火災が発生したら」「非常口の確認」と3つのポイントの説明を受けました。
避難訓練は演奏中に行われました。避難訓練と分かっていながらも緊張しつつ、音楽に酔いしれたその時、地震速報の警戒音と地震の音が鳴り、地震発生のアナウンスが入ります。スタッフもヘルメットを着用。参加者は説明を受けた通り、速やかに椅子より低い位置にかがみ、頭を鞄や手で守ります。
すると、今度は停電が起こり、辺りが暗く見えづらくなりました。訓練でなかったらパニックになっていそうな状況です。しばらくすると、地震が収まった旨と、震度・震源・津波に関するアナウンスが入ります。椅子に座り直して指示を待つ間、スタッフが怪我人の確認などを行います。
続いて、今度は火災が発生していると放送が入り、速やかに館外へ避難を促されます。説明を受けていた通り、非常口から館外へと避難します。避難には、会館スタッフのほか、茅ケ崎警察署も避難誘導係のスタッフとして参加し、参加者の安全を守っていました。
館外には一時避難場所と救護所が設けられていました。全員が館外に出ると、避難完了の報告に進みます。無事に、傷病者・逃げ遅れ無く避難が完了しました。
訓練後、休憩を挟んで、茅ヶ崎市消防本部からも避難訓練の講評がありました。400名ほどの参加者と演奏者が避難するのに3分ほどであったそうです。この講評中でも「自分を守る行動」で説明を受けた、「地震が起きたら」「火災が発生したら」「非常口の確認」と3つのポイントが大切だと聞き、より詳しい説明を受けました。
サポートが必要な方も参加できる体制づくり
この『避難訓練コンサート』では、サポートが必要な方の参加も呼び掛けています。参加者については、障がいの有無や障がいの種類にかかわらず、誰でも参加できるよう募集をしているそうです。
実際に、車椅子での鑑賞を希望する方の応募が複数組あったそうで、参加していました。そのほかにも、視覚に障がいのある方や、歩行に不安があり杖を使用している方の参加もありました。
サポートが必要な方の避難方法や配慮している点としては、客席担当スタッフの中でサポート係を決め、避難の際はスムーズに避難できるよう案内しています。車椅子の参加者においては、同行者の協力を得ながら、安全に誘導するように取り組んでいるそうです。
こういった特殊なコンサートやイベントは、サポートが必要な方、またその家族にとってはハードルが高く感じられることもあると思います。そういった方々にも参加を募ることで、スタッフ側・参加者側共にコンサート鑑賞中の災害を想定した避難訓練が体験でき、さらに防災意識が高まると感じました。
避難訓練後はコンサートを堪能
避難訓練後は、ゆっくりと落ち着いてコンサートを楽しめます。演奏は『神奈川県警察音楽隊』。警察音楽隊と聞くと、なんだか真面目そうとも感じましたが、アニメ・映画・ディズニーなど、親しみやすくノリの良い曲が演奏されました。
中でも「ワルツィング・キャット」では、指揮棒を振る楽長自らが犬の鳴き真似をするユニークな演出(本当にワンちゃんがいるのかと思うほどソックリ!)もあり、会場からも笑顔がこぼれました。
後半はカラーガードの演技もあります。美しく迫力がある中でも繊細なフラッグの表現に見惚れます。「リトル・マーメイド・メドレー」では、本当に波に見えるようなフラッグの動きが印象的でした。
アンコールには、茅ヶ崎市特別観光大使の『えぼし麻呂』も登場し、かわいらしく踊ったり会場に手を振って、参加者を和ませました。
それぞれの曲が持つ個性と、吹奏楽ならではのダイナミックな響き。そのコントラストとエネルギーが、今回の演奏会最大の見どころです。命を守る行動を、体験を通して身につけながら、演奏・カラーガード演技を楽しめるのは、一石二鳥にはとどまらず、一石三鳥。本当に有意義な時間でした。
『神奈川県警察音楽隊』の方に聞いてみました
この『避難訓練コンサート』について教えていただきました。
今回の演奏会は『避難訓練コンサート』ということで「楽しみながら、実践的に防災を学ぶこと」が趣旨となっており、音楽という親しみやすい場を通して、参加者に防災を「特別なこと」ではなく「身近な備え」として考えてもらえたらという思いで演奏させていただきました。
演奏内容は、軽快なマーチから壮大な映画音楽、そして話題のアニメ作品まで、ジャンルを超えたバラエティー豊かなプログラム構成とし、後半では今年度最後のカラーガード演技もお届けしました。
『神奈川県警察音楽隊』について
さて、コンサートで素晴らしい演奏と、カラーガードを披露された『神奈川県警察音楽隊』についてご紹介します。
『神奈川県警察音楽隊』とカラーガードの歴史と役割
『神奈川県警察音楽隊』は、1950年2月に日本吹奏楽発祥の地である横浜で発足しました。音楽を通じて犯罪被害防止や交通安全等を呼び掛け、県民と警察を結ぶ「音のかけ橋」として多くの方とふれあいを深めています。
また、1974年3月に全国の警察に先駆けて編成したカラーガードは、凛々しく統制の取れた演技とあふれる笑顔で広報活動の一翼を担い、県民に元気を届けています。
県内各地での演奏活動をはじめ「定期演奏会」や「マリーンコンサート」等を開催するほか、神奈川県警察公式YouTubeチャンネルで動画配信も行っています。神奈川県警察音楽隊は、犯罪のない安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指して、幅広い活動を続けているのだそうです。
『神奈川県警察音楽隊』の隊員の方々のお仕事
『神奈川県警察音楽隊』の隊員の方々は、どのようなお仕事をされているのでしょうか?伺ってみました。『神奈川県警察音楽隊』は、神奈川県内各地で演奏活動を行いながら、交通安全や犯罪防止を呼びかけているそうです。年間約120件の演奏派遣があり、そのために日々個人練習や合奏訓練に励んでいます。また、演奏活動の企画・準備・選曲・運営・広報なども隊員が担当しています。
演奏の形態は、ステージ上での吹奏楽演奏をはじめ、フォーメーションを変えながら演奏するドリル演技、街中を行進しながら演奏をするパレード、各種セレモニーでの演奏などがあります。さらに、全国の警察に先駆けて編成したカラーガードの笑顔溢れる華やかな演技は、好評を博しています。これらを組み合わせながら、広報演奏活動を展開しているとのことでした。
協賛・協力企業のブース
ホワイエには、この『避難訓練コンサート』に協賛されている『湘南ちがさき屋十大』のブースが出ていました。「江の島タコせんべい」が、この日だけのお得な価格で販売されていました。
また、協力企業の『株式会社ヒラボウ』のブースでは、防災グッズの展示をしていました。普段手に取れないものや訓練に関するものを揃えて展示しているとのことでした。こういった展示があると、家庭での災害への備えを見直すきっかけになりますね。
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湘南人
参加してみて思うこと
『避難訓練コンサート』に参加してみて思ったことは、訓練でも怖いと感じたので、本当に災害が起こったらもしかしたらその場で何もできずにただパニックになる可能性もあるということでした。思わぬ時にも災害は起こり、災害に災害が重なることがあると知り、そんな時どう行動することが大切なのかを、この『避難訓練コンサート』で学びました。
とても貴重な経験になったと思います。今回が第5回とのことでしたので、また第6回の開催があるようでしたら、参加してみてはいかがでしょうか。コンサートの時に限らず、自分の身を守る行動が身に付く経験になると思います。
第5回 避難訓練コンサート
開催日時
2026年2月26日
13:00 会場
13:30 開演
15:30 終演予定
開催場所
茅ヶ崎市民文化会館 大ホール
住所:神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1丁目11-1
駐車場:あり
参加費
無料(全席自由・事前申込制)
募集人数
500名(申込多数の場合は抽選)
主催
公益財団法人茅ヶ崎市文化・スポーツ振興財団