【横浜市磯子区】はまぎん こども宇宙科学館 見て触れて温暖化知る 科学館展示は日本初
磯子区洋光台の「はまぎんこども宇宙科学館」は現在、温室効果ガスの濃度が視覚的に分かる装置「GOSAT3Dビジュアライザー」を展示している。同装置の科学館での展示は日本初。脱炭素化を目指した行動を推進していくため、最先端の技術を活用して地球温暖化や脱炭素について考えるきっかけを作る。
「GOSAT(ゴーサット)」とは、環境省や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが打ち上げた人工衛星。主要な温室効果ガスである二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専門とした世界初の人工衛星で、2009年に1号機が打ち上げられ、現在も観測を続けている。
同装置は、この衛星が観測したデータを元に開発された。画面上に3Dで表示される地球に、二酸化炭素やメタンの濃度を赤や黄色、緑、青などの色で表し、09年から22年までに温室効果ガスが増えている状況などを視覚的に分かりやすく表示。コントローラーで地球を動かして都市ごとの濃度の分布なども比較でき、見て、触れて温室効果ガスや地球温暖化について知り、脱炭素への関心を高めることが期待される。
展示が始まってから約2カ月が経過し、学校の夏休み期間には多くの親子連れが同館へ足を運んで同装置に触れる姿が見られたという。同館のスタッフは「自分たちの暮らす地球のことを詳しく見て、自分にできることを考えるきっかけになれば」と話す。
来年3月末まで
横浜市では50年の脱炭素社会の実現に向け、脱炭素施策に取り組んでいる。市の二酸化炭素排出量(23年度速報値)は家庭部門が約25%と全国と比較して10%ほど割合が高く、市は各家庭での排出削減を目指した周知に力を入れており、今回の展示も市民への普及啓発の一環となる。
展示場所は同館5階宇宙船長室で、期間は来年3月31日までの予定。同装置とあわせ、GOSATの模型、脱炭素アクションを紹介するパネルも展示している。
開館時間は午前9時30分から午後5時(入館は4時まで)。要入館料。第1・第3火曜日休館。