旧東海道「興津宿」をちょっくらタイムトリップ。歴史を感じながら歩こう!<静岡市清水区>
東海道17番目の宿場町、興津宿。東西交通の要衝であり、甲州へと続く身延道の起点でもありました。風光明媚な景勝地として知られ、明治時代以降は多くの政治家や財界人が別荘を構えたリゾート地として発展しました。機械による製あん技術を確立した北川勇作氏とそれを支えた内藤幾太郎氏が興津出身であることから「あんこのふるさと」とも呼ばれています。かつての旅人になった気分で、歴史を感じながら歩いてみませんか。
※シミズ毎日2026年6月28日号掲載の記事を一部編集して掲載しています。掲載内容は取材時点のものです。最新情報はお出かけ前に各施設・各店のホームページ等でご確認ください。
コース距離:往復約2.6km
スタートJR興津駅 ▶ 水口屋ギャラリー ▶ 不動の滝 ▶ 清見寺 ▶ 魚格出口鮮魚店 ▶ 興津坐漁荘 ▶ ゴールJR興津駅
1.【水口屋ギャラリー】興津にこんなにも歴史的人物が訪れていたとはビックリ!
水口屋は江戸時代、興津宿の脇本陣を受け継いだ旅館。1986年に旅館営業を終了し、現在は建物の一部を「水口屋ギャラリー」として公開し、かつての宿泊客ゆかりの品々を展示しています。冬は雪が少なく、夏は涼しい興津の気候は過ごしやすく、皇族や政治家をはじめ多くの著名人たちが滞在しました。宿の様子はアメリカ人オリバー・スタットラーの著書『JAPANESE INN』(※邦題:ニッポン歴史の宿)でも紹介され、海外にも知られるようになりました。当時は、大広間で地元の人が結婚披露宴を行うこともあったそうです。
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住所:静岡市清水区興津本町36
TEL:054-369-6101
駐車場:有
入館料:無料 開館時間:10時~16時
休館日:月曜・年末年始(12月28日~1月3日)
2.【不動の滝】森林浴をしながら滝に癒されよう!
旧東海道から横道に入り、踏切を渡った先の波切不動尊登り口に佇む「不動の滝」。現地の看板によると、かつては「一琴(ひとこと)の滝」とも呼ばれていました。落差は約16m。普段は水量が少ないですが、雨上がりはいつもより勢いのある流れを楽しめます。
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住所:静岡市清水区興津本町
3. 【清見寺】約1300年の歴史を刻む名刹「徳川家康」ゆかりの寺
奈良時代、興津に置かれた関所「清見関」を鎮護するために仏堂が建立されたのが始まりと伝えられています。室町幕府を開いた足利尊氏や今川義元、徳川家康と名だたる武将の庇護を受け繁栄しました。家康は今川氏の人質だった幼少期に、当寺で勉学に励みました。
江戸時代には、朝鮮通信使や琉球使節が江戸へ向かう途中に立ち寄り、文化交流の場でもありました。境内には、豊臣秀吉が北条氏討伐のために韮山城へ出陣した際、陣鐘(軍勢の進退や陣中の合図を知らせる鐘)として借りた梵鐘が残っています。
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住所:静岡市清水区興津清見寺町418-1
TEL:054-369-0028
駐車場:有
拝観料:大人300円・中高生200円・小学生100円
4.【 魚格出口鮮魚店】創業78年。地元に愛され続ける魚屋
1948年創業の老舗魚店。新鮮な地魚をはじめ、寿司や揚げ物も販売。人気商品「キスとハモの自家製揚げはんぺん」は、11時頃から店頭に並びます。すぐに売り切れてしまうので、購入を希望される方は事前予約がおすすめです。
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住所:静岡市清水区興津清見寺町97
TEL:054-369-0336
営業:9時~17時30分
定休日:土曜・第3水曜
5. 【興津坐漁荘】最後の元老・西園寺公望の別邸
最後の元老・西園寺公望が70歳の時に別邸として1919年に建てた「坐漁荘(ざぎょそう)」。その名は、子爵の渡辺千冬が庭園と海が近く釣り人を「太公望」といい、公望公の名前とひっかけて「のんびりと魚を釣りながら暮らす」という意味が込められています。当時の建物は老朽化のため博物館明治村(愛知県犬山市)に移築され、国の重要文化財として公開されています。現在、興津に建つ坐漁荘は2004年に復元されたものです。
建物は、2階建て数寄屋造り。竹好きだった西園寺の好みを反映させ、欄間や浴室の天井、さらに障子の模様まで随所に竹を用いています。その意匠からいかに西園寺が竹を愛していたかが伝わってきます。また、防犯面にも配慮した造りになっているのも見どころです。窓の竹格子には鉄の棒が仕込まれ、2階の廊下には歩くと音が鳴る「鶯張り」という工法を採用。人が通るのを知らせ、居間での重要な会談を第三者に聞かれないための工夫と言われています。
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住所:静岡市清水区興津清見寺町115
TEL:054-369-2221
駐車場:有
入館料:無料
開館時間:10時~16時 休館日:月曜(月曜祝日の場合は翌平日 )、年末年始(12月28日~1月3日)
【歴史こぼれ話】旅人の傷を癒した?興津宿名物「万能膏」
江戸時代、興津宿で旅人に人気だった薬が「万能膏」です。清見寺の門前町で売られ、あかぎれ・ひび・打ち身、切り傷などに使われました。小長谷家が「元祖」を、山梨家が「本家」を名のり、両家が違った膏薬を街道の十数軒の店で販売していました。46代目の小長谷忠宏さんによるとその歴史は桶狭間の戦い(1560年)まで遡ります。戦に敗れ、出家した今川義元の家臣が清見寺近くに住み、夢に現れた清見寺の五重塔に祭られた薬師如来から製法を授かったそうです。
製法は代々、小長谷家の女性によって口伝で受け継がれ、松脂、湯の花、イカの甲、菜種油等を配合して作られました。小長谷家は昭和30年代初期まで販売を続けました。
【もしも宿泊するならば…】古民家宿「清々庵」。記憶をつなぐために築100年の町家を再生
2025年5月、JR興津駅近くに開業した宿「清々庵」。取り壊し予定だった築100年超の町家を改装しました。当時の記憶をつなぐため、たんすや落書きはあえてそのままに残しています。手掛けたのは清水出身で株式会社KAI堂・代表取締役の牧田裕介さん。牧田さんは、東海道に点在する古民家を再生する取り組みを行っており、「宿場ごとにそれぞれ個性がある。宿場町が連携し点と点を結び、人々の行き来を生み出したい」と語ります。
宿は1日1組限定の一棟貸し切り。客室は2種類あり、静岡の伝統文化を体感できるのが魅力です。「anco」では「あんこのふるさと」とも呼ばれる興津にちなみ、興津の老舗和菓子店「潮屋」の上生菓子と静岡茶を用意。「momen」では、日本一の布団職人と称される興津の新貝ふとん店の職人・新貝晃一郎氏が仕立てた天然木綿100%の極上布団(現在、予約10年待ち)で眠ることができます。生地には浜松の伝統織物「遠州綿紬」が使われています。
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住所:静岡市清水区興津中町103