ダンスカンパニー・ケダゴロを率いる下島礼紗による壮大なダンス作品 KAAT×ケダゴロ×韓国国立現代舞踊団『黙れ、子宮』の出演者決定
2024年12月13日(金)~12月15日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて、KAAT×ケダゴロ×韓国国立現代舞踊団『黙れ、子宮』が上演されることが決定し、キャストも発表された。
長塚圭史芸術監督のもと、4年目となる2024-2025年メインシーズンのシーズンタイトルは「某(なにがし)」。私でありあなたであるかもしれない某、意思を持ってあるいは意思をなくし正体を無くした某、大きな思想や金儲けのために生み出される某、今日も一日働いて誰にも褒められることもなく社会を支えている某。「某(なにがし)」のレンズを通すと、果たして何が見えてくるのか。今年度は、この「某(なにがし)」をシーズンタイトルに多様なプログラムを届けている。
2024年最後に届けるのは、韓国国立現代舞踊団(KNCDC)と KAAT 神奈川芸術劇場の国際共同制作により、気鋭のダンスカンパニー・ケダゴロを率いる下島礼紗の新作ダンス公演。
オウム真理教や連合赤軍のリンチ殺人など集団における狂気や同調圧力をテーマにした『sky』(2018年)や、殺人事件で指名手配を受けた整形逃亡犯・福田和子を取り扱った『ビコーズカズコーズ』(2021年)、世界中に衝撃を与えた船舶事故を題材とし、KAATで初演した『세월(セウォル)』(2022年)など、下島は常に、ダンス作品としては異色なジャーナリスティックな視点を持ち、実際の事件や社会問題を取り上げながら、創作を通して観客に強烈な印象と鮮烈な問いを投げかけてきた。
『黙れ、子宮』(英題:『Shut Up Womb』)は、下島が韓国国立現代舞踊団(KNCDC)に委嘱を受け彼女自身の身体性にフォーカスを当て、2021年11月に発表した作品。KNCDC's Asian Choreographer Project の一環として、「My family are off-limits(家族は立ち入り禁止)」という公演テーマのもと創られたこの作品は、下島が自身の身体を、韓国の文化の中で読み直して得た「気付き」から始まっている。2024年度メインシーズンのシーズンタイトル「某(なにがし)」が問うように、自分自身が何者であるのかという問題に正面から向き合い、日韓共同制作によるダンスという身体表現を通して、家族という規範の解体や分断、あるいは血のつながりや家族という枠組みから抜け出さざるを得ない個の在り方について、観客に問いかける。
本公演では2021年に発表した作品をベースに2024年度版としてさらに進化させながら再創作し、韓国のダンサーと、ケダゴロのメンバーを含む日本のダンサーが壮大に綴る新作としておくる。
振付・演出・構成は下島礼紗が務める。そしてLee Kyunggu、Lee Daeho、Im Sojeong、下島礼紗、木頃あかね、小泉沙織、中澤亜紀(ケダゴロ)、大貫桃加、小野寺夏音、小島優花、鈴木菜々、麗羅ほかが出演する。