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【自閉症・小6】中学では「もう支援は不要?」と思っていたけれど…特別支援教室の継続を決めた、専門家の3つの指摘と親の気づき

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【自閉症・小6】中学では「もう支援は不要?」と思っていたけれど…特別支援教室の継続を決めた、専門家の3つの指摘と親の気づき

監修:鈴木直光

筑波こどものこころクリニック院長

わが家の長男のミミは、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。小学6年生の4月、来年度に特別支援教室に登室するための案内を学校からもらいました。学区の中学校にも特別支援教室があることは知っていましたが、正直なところ、「もう必要ないのでは?」という迷いが頭をよぎりました。

長男が赤ちゃんの時から診ていただいて、特性を理解してくれている小児科医の先生に相談したところ、「受けられる支援は、できるだけ受けたほうが良い」と助言をいただきました。その言葉を受け、私たちは申し込みを決意しました。

流れは、小学校の就学相談とほとんど同じ。申込書に記入して区役所へ送付し、後日、面談の調整の電話が来ました。

中学入学前の第一歩。専門家の助言で進めた登室検討

長男の特性と親の焦燥感。「住所が言えない」ことで見えた課題

区の施設での面談は、私とパパ、ミミの3人で行きました。学校のある平日でしたが、特別支援教室の面談のため、欠席扱いにはなりません。区の担当者が、6年前の就学相談時と同じ方だったことに、少し安心感を覚えました。

面談では、ミミと先生が別室に行き、一対一の面談は1時間半ほど。保護者は別室でヒアリングを受けました。

面談で、ミミは自宅の住所の質問に答えられず、ちょっと落ち込んでしまったようでした。これは、単なる暗記不足ではありませんでした。初めての場所、初めての大人を前に不安が高まり、頭が真っ白になってしまったのでしょう。

そういえば、手紙を書かせることはないし、電話もする相手がいない(親戚が少ないことと、私に人付き合いがほぼない)……機会をつくってあげなかったな、と、私は焦りました。

夏休み中の行動観察。別室で「ダメだ」とつぶやいた胸の内

その後、集団行動観察と精神科医面談が夏休み中にありました。次男のふーも一緒に同行しました。

時間になると8人くらいの子どもと先生たちだけ別室へ行き、保護者とふーは待機。1時間ほどで子どもたちが戻ってきて、次は家族が呼ばれて精神科の先生と面談します。

どんな内容だったか聞いても、恥ずかしいのか、ミミは教えてくれませんでしたが、「ダメだ」とだけ言っていました。集団の中で自分のペースが乱されることへの不安や、新しい環境への適応の難しさを感じたのかもしれません。

「お母さんのご希望どおり」告げられた意外な決定

1か月後、保護者だけが結果を聞きに区の施設へ。パパは仕事で来られなかったため、私が半休を取って児童福祉課へ向かいました。

前回の面談の最後に、「お母さんはどうしたいですか?」といったような質問があり、「専門家の方が通ったほうが良いということでしたら、通わせたい」と返答していました。そのことがあり、「お母さんのご希望のとおりになりました」と、登室が決定したことを伝えられました。

私は、ミミは小学校生活の中でかなり成長したので、中学校での支援は得られないかも、とどこかで思っていました。なので、正直「あれ?まだ支援が必要なんだ」と私にとっては意外な結果でした。

しかし、支援が決定したことは、私にとっては意外な結果であると同時に、新たな気づきでもありました。家族という近すぎる距離にいると見えなかった、専門家による客観的な視点の必要性を素直に受け止められたからです。

専門家が指摘した3つの特性は、私自身に重なって……

結果を聞いた後、具体的な検査の結果や今後の流れの説明を受けました。

ミミが特に支援が必要と判断されたことは、以下の3点でした。

大人数でのコミュニケーション初めての子との関わり合い見たものを整理して見通しを立てること
この指摘を聞いたとき、私は大きな衝撃を受けました。なぜなら、これらは私自身が最も苦手だと思うことだったからです。

「やっぱり私に似たのかな?一緒に生活している中で影響も受けるだろうし……」

ミミに困りごとがあるのは自分のせいだ……と、一瞬負の感情に囚われかけましたが、親として長男の未来のために何ができるのか、改めて考える機会にしよう……と、前を向くことを決意したのでした。

今後の流れは、1月頃に担当者から電話があり、2月に特別支援教室の先生と面談の予定です。さらに忙しい年度末になりそうですが、長男の新しい生活を支えるため、しっかりと準備を進めていきたいと思っています。

執筆/taeko

(監修:鈴木先生より)
最近は特別支援教育へのニーズが増えてきているため、希望しても通えない場合があるにもかかわらず、学校から特別支援教室への登室の案内がきたことはむしろ珍しいケースと言えます。学校に余裕があるのならば、特性に対する支援を受けたほうがいいと考えます。中学になると教科別担任制となり、クラス担任の先生が親身に見てくれる小学校と違い、配慮が薄くなる可能性があるからです。

また、ミミさんには特性の併存として人目が気になる社交不安があるかもしれません。SSRIという薬で改善することもあるので、一度主治医と相談してみてもよいかと思います。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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