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バサジィ大分 リーグ戦総括 個人戦術を磨き、チームの底上げに成功 【大分県】

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ベスト5に選出され、日本代表にも招集された仁部屋和弘

今季のリーグ戦成績

4位 勝ち点42 12勝6分9敗 78得点・59失点

 

 レギュラーシーズン終盤の6試合を5勝1分の負けなしで終わり、上位6位で争われるファイナルシーズンでは勢いそのままに、優勝争いをする名古屋や町田に勝利して台風の目となった。結果4位に終わり、シーズン前に掲げた「上位進出」の目標は達成した。昨季途中からチームを率いてシーズンを通して戦い方を浸透させ、チームを底上げした狩野新監督の手腕は評価に値するものだった。

 

 20代前半の若い選手を多く獲得し、「再勢」をスローガンとした今季は、1対1の強度やボールを持っている時、持っていない時の攻守の個人戦術を徹底した。特に守備時においては組織力やグループ戦術を落とし込む前に、個人の役割と責任の所在を明確にすることで守備強化につながった。リーグで2番目に少ない総失点数で安定感を生み出した。

 

チームの底上げに尽力した狩野新監督

 

 レギュラーシーズンの後半戦は、攻撃をテコ入れ。守備に重きを置いていたため、どうしても自陣でプレーする時間が長かったが、相手コートに素早くボールを運ぶことを意識づけさせた。ゴールまでの距離が近くなり、フィニッシュまでの形をつくることで得点が増えた。この頃から攻守がかみ合い、勝ち点を伸ばし始めた。狩野監督は「守備からリズムをつくるスタイルを変えずに、攻撃の形をつくることができた。最初に個人戦術を落とし込み、2人目の動き、3人目の動きと増やしてチームとして動けるようになった」と分析する。

 

 個人戦術を徹底したことは、選手の能力開花にもつながった。橋本澪良は新人賞に輝き、ベテラン仁部屋和弘はベスト5に選出され、再起した。さらにシーズン後には仁部屋、上原拓也は日本代表に招集された。シーズン途中に有望株の選手が出場機会を求めて退団したのは残念であったが、チーム力は総じて底上げできたのは確かだ。来月24日に始まる全日本選手権に向けて、展望は明るいものとなった。

 

新人賞を獲得した橋本澪良

 

 

(柚野真也)

 

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