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溝端淳平、門脇麦ら出演 永井愛が脚色・演出で、若きチェーホフの恋愛ミステリー『狩場の悲劇』を上演

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二兎社公演49『狩場の悲劇』

2025年11月7日(金)~19日(水)紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて(他地域の公演あり)、二兎社公演49『狩場の悲劇』が上演される。

本公演は、演劇界のみならず社会に衝撃を与えた『空気』シリーズ最終話『ザ・空気 ver.3 そして彼は去った…』(2021)以来、永井愛4年ぶりの新作。『桜の園』『かもめ』などの戯曲で世界的に知られるロシアの作家・チェーホフが24歳の時に書いた長編ミステリー『狩場の悲劇』(1884)をベースに、同作家による他の作品のエッセンスを散りばめ、永井愛独自の視点を盛り込んで新たな劇世界を創造する。帝政ロシアの人間社会をレポートしたチェーホフと、市井の人々の姿に日本社会の時代や様相を投影してきた永井愛の、時間と空間を飛び越えた奇跡のコラボレーションが実現した。

『狩場の悲劇』に登場するのは俗物ばかり。彼らが繰り広げる恋の駆け引きやドンチャン騒ぎ、それに続く陰惨な事件は、抑制の効いたユーモアの漂うチェーホフ戯曲のイメージとはかけ離れている。チェーホフの意外な一面に興味をそそられると同時に、克明な人物描写や鋭い観察眼には、「さすが」と嘆息してしまう。また、「ミステリーの女王」と呼ばれるアガサ・クリスティが発想するより40年以上も前にチェーホフが考案した驚愕のトリックも注目に値するだろう。

本作に登場するキャラクターは、知性もルックスも兼ね備えているのに倫理観の欠如した予審判事、権力も財力もあるのに人生の目標が見いだせず、退廃した生活を送る伯爵、若さと美しさはあっても結婚以外に自己実現の手段を持たない娘たち、そして働いても報われない使用人たち。そして、権力者の腐敗、格差や貧困、女性の地位の低さなどは、日本の観客にとってもおよそ他人事ではないテーマとなっている。また、原作では男性の影にいた女性たちが、永井愛の手によって掘り下げられ、重要度を増した登場人物として活躍することにも期待が膨らむ。

出演者は、溝端淳平、門脇麦、玉置玲央、亀田佳明、大西礼芳、加治将樹、岡田地平、ホリユウキ、水野あや、石井愃一、佐藤誓。

演劇ファンのみならず、ミステリーファンの方も楽しむことができる、上質のエンターテインメントを楽しみにしよう。

【あらすじ】
モスクワのある新聞社に、カムイシェフという元予審判事が自作の小説を持ち込む。
それは、彼が実人生で遭遇した殺人事件が題材で、オリガという美しい娘とカムイシェフ、
知人の伯爵、伯爵の執事(オリガの夫)が四つ巴に絡んだ愛憎劇。
小説を託された編集長は、読み進むうちに真犯人を見抜いて——

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