等身大の14歳でありながら、「この2人、やっぱりすごいんだな」とーー『名探偵プリキュア!』キュアアンサー/明智あんな役・千賀光莉さん&キュアミスティック/小林みくる役・本渡楓さんが語った、すれ違いの先にあるもの【インタビュー】
プリキュアシリーズ第23弾『名探偵プリキュア!』が、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットにて2026年2月1日(日)朝8時30分より放送スタートしました(※BSS山陰放送では2月8日朝6時15分より放送)。
今作のモチーフは「探偵」。テーマは「自分で見て、感じて、考えて、“本当”の答えを出す」こと。不思議な力に導かれ、主人公・明智あんなは現代から1999年へとタイムスリップ。そこで出会った小林みくるとともに、名探偵プリキュアへと変身します。画面の向こうで起こる出来事をあんなやみくると同じ目線で追いかけ、推理しながら楽しめることも、本作ならではの醍醐味です。
第5話「名探偵の大ピンチ!」では、あんなとみくるの間に生まれたすれ違いが描かれ、物語は新たな局面を迎えましたが、その舞台裏で、キャストのおふたりはどのような思いであんなとみくるを演じていたのでしょうか。キュアアンサー/明智あんな役・千賀光莉さん、キュアミスティック/小林みくる役・本渡楓さんに、第5話までの手応えや現場でのエピソードをうかがいました。
【写真】『たんプリ』千賀光莉&本渡楓インタビュー|あんなとみくるが迎えた“新たな局面”
「もう5話?」濃密な日々と芽生えた寂しさ
ーー記者会見でも話題に上がっていましたが、皆さんお揃いのネックレスを身につけていらっしゃるんですね。
キュアアンサー/明智あんな役・千賀光莉さん(以下、千賀):はい! シリーズディレクターの川崎(弘二)さんがプレゼントしてくれたんです。すごく嬉しくて、身につけさせてもらっています。
キュアミスティック/小林みくる役・本渡楓さん(以下、本渡):私たち3人(千賀さん、本渡さん、キュアアルカナ・シャドウ/森亜るるか役の東山奈央さん)で、お揃いのものなんです。本当に素敵なお心遣い。
千賀:色味もかわいいんです。あんなとみくるは、紫とピンクの間くらいのニュアンスで。るるかは白い蝶のようなデザインになっていました。
ーー『プリキュア』シリーズは、キャストの皆さんがお揃いのアイテムを身につけている印象があって、そういったところからも結束力の強さを感じさせます。今日の衣装も素敵ですが、コーディネートの推しポイントはありますか?
千賀:お洋服ではないんですけども、実は昨日人生初ネイルをしてもらって。あんなカラーにしてもらったんです。それと明智あんなの“A”のリングも。それが推しポイントです(笑)。
本渡:かわいい〜!それは推しポイントですね。 私の推しポイントは、たくさんのリボンです。ピンク色やハートにリボンなど、かわいい要素がぎゅっと詰まったみくるちゃんらしさを全面に押し出したいと思っていて。そんなときにたまたま、自分の好きなブランドでリボンいっぱいのお洋服を見つけて「主役はこのお洋服にしよう!」と決めました。靴などの他のアイテムもそれに合わせて、みくるちゃんらしさを大切にしながら全体のバランスを見てコーディネートを考えました。千賀さんのお洋服にもリボンが描かれているね! たまたまなのかな? もしかして、合わせてくれたのかな。
千賀:実は意識していました(笑)。「本渡さんがリボンって言ってたな」というのもあって、紫のシースルーにしました。私もどこかリンクできたらいいなと思って。
ーー素敵です。物語は第5話まで進みましたが、ここまで演じられてみて、どのような感触をお持ちですか?
千賀:私はまだ現場経験も多くなくて、今回がアニメのメインキャストとしては2作目なんです。『プリキュア』シリーズはお子さん向けでありながら、幅広い世代の方が楽しみにしてくださっている作品。だからこそ、まずは全世代に伝わる分かりやすい表現・感情を念頭に置いた上でアフレコに臨んでいます。その上で、あんなが今どんな感情でいるのかを丁寧に探りながらお芝居をしています。
特に第5話では、あんなとみくるの“負の感情”のようなものが描かれていて。今までは明るさをまっすぐ届ければよかったのですが、怒りや悲しみ、悔しさをどう表現したら、お子さんにもきちんと伝わるのかなと、すごく悩みました。たとえば嗚咽混じりのシーンで言葉が聞き取れなくなってしまうのは違うと思いますし、かといって抑えすぎても伝わらない。その塩梅は常に考えながら、でも最終的には感情を大事に演じさせていただきました。
ーーそこは直感だけでなく、しっかり考えながら。
千賀:そうですね(笑)。そこは捨てられない部分だなと思っています。
ーー本渡さんとの掛け合いの中で、そういった心の機微がより引き出される瞬間もあったのでしょうか。
千賀:そうですね。喧嘩のシーンは特にそうです。みくるからきて、あんながそれに対してムカついて反応して……と相乗効果でどんどん熱量が上がっていくので、影響を受けながらお芝居をさせてもらっていました。
ーー本渡さんは第5話までの収録を振り返ってみていかがでしょうか?
本渡:「あれ、もう5話?」と思うくらいあっという間でした。 濃密だった分、体感時間がすごく早く感じて、5話なんてまだまだこれからなのに1年間共に歩める作品がもう5話まで進んだということに、少し寂しさを感じてしまいます。
千賀:分かります。
本渡:なので私としては「もう少しゆっくりでいいのにな」というのが正直な気持ちです。でも、物語がどんどん前に進んでいくからこそ、見えてきたものもたくさんあって。みくるちゃん自身とも向き合っていく時間の中で「彼女なら、こういうアドリブを入れてもいいのかな」と思えるようになってきたのも、彼女の芯の部分やより深い内側の想いなど知ることができたのもここまで積み重ねてきた大切な時間があるからだと思います。思い返すとなんだかとても感慨深い気持ちです。
すれ違いの先にあるもの
ーー第5話ではふたりのすれ違いが描かれました。本渡さんは演じるうえで意識されたことはありますか?
本渡:普段お芝居するときは「自分だったら」と考えることが多いのですが、みくるちゃんと自分は似ている部分もありながら正反対の部分もあるため、彼女自身をどう表現するかはとても悩みました。
また、あんなちゃんとみくるちゃん二人の中でも、お互いに負けたくない譲れない思いがあるし、黙っているだけでなく言い返したい。あんなちゃんが強く来たら、それに同じくらいの「負けるか!」という熱量で返さなければそこで終わってしまう。そういうみくるちゃんの14歳の等身大の部分や素直で純粋な気持ちを大事にして、あんなちゃん役の千賀さんとも向き合いながら、その場その場でちゃんと動けるように意識していました。
ーー第5話のやり取りを経てきっとより2人の関係性が深まるものだと信じております……! こうした掛け合いを通して、おふたり自身の関係性が深まった瞬間もありましたか。
千賀:実は第5話まで、変身の掛け声が一発で揃ったことがなくて。何か所か録り直して、「もう1回」という感じでピタッと合わせるようにしていました。でも第6話で初めてリテイクなしでピタッと合ったんです。それがすごく嬉しくて。ここまでの時間が、ちゃんと距離を縮めてくれていたんだなって感じました。
本渡:アフレコの際はいつも隣に座らせていただいていたり、一緒にお話したり、何か大きなきっかけがあったというよりも、些細なことですが、そうして同じ時間を共に過ごしていく中でお互いを知ることができたのは大きいかもしれません。普段は「ひかちゃん」と呼ばせていただいているのですが、隣で見ていてひかちゃんの立ち振る舞いがいつも本当に素敵だなと感じています。穏やかでありながらも座長としてしっかりされていて、視野が広く周りの方への気配りも忘れない。天性の「天使タイプ」だなと思っていつも見ています。
千賀:天使タイプですか!?(笑)
本渡:ふわっと、すっと隣に来てくれる感じ。私は収録の合間はずっと台本を読んでいたり、スマホを見ていたりすることが多いのですが、そういう時に、すっと来て「これ、どう思います?」って自然に話しかけてくれるんです。それが全然構えていなくて、本当にナチュラルに気づいたら隣にいてくれる。なのでいつも「ああ、天使がきた!」と癒されています。
千賀:最初は「今、邪魔しちゃいけないかな?」って思ったりして。でも、お話もしたいし……って(笑)。
本渡:全然来てほしいです! 私がなかなか自分からお話しにいけないタイプなので、本当に嬉しいです!
千賀:ありがとうございます! 声をかけさせていただきます(笑)。
本渡:こちらこそいつもありがとうございます、の気持ちです!また、いつも「現場での経験をもっと積まねば」とご自身でおっしゃっていますが、もうすでに圧倒されるほどしっかりされているんですよね。でも、その純粋で一生懸命頑張られている姿がまぶしくて、本当に謙虚で素敵な方だなと思っています。私自身、すごく尊敬しています。
千賀:(恐縮しながら)そんなそんな……。
本渡:そんな頑張り屋さんな、ひかちゃんだからこそ信頼できるというか。「ついていきたい」と自然に思わせてくれて、私も頑張ろうと思える存在って貴重だなと思います。
千賀:私は収録のたびに不安になってしまうタイプで。アニメのアフレコの前におもちゃの収録があって、キュアアンサーになれてるのかなってちょっと不安で。そんな時に、いつもそばにいて「大丈夫だよ。そのままでいいんだよ」と声をかけてくださって。本当に救われていました。
本渡:良かった!私もふたりで息を合わせる場面がすごく安心するんです。隣にいてくれるから1人ではないと思えるし、バディとしてご一緒できて本当に良かったと思っています。
千賀:嬉しいです、ありがとうございます。
10年後にも残る名乗り。変身バンクに込めた想い
ーーさきほど変身バンクのお話がありましたが、最初に名乗りを言った時のお気持ちはいかがでしたか?
千賀:合格してから、過去シリーズのインタビューや映像をたくさん拝見しました。『プリキュア』で検索すると、変身バンクの動画がたくさん出てくるんですよね。「キュアアンサー」と言えば、この変身バンクが10年後も残るんだと思うと、ぐっと気合いが入りました。あんなの決め台詞「どんな謎でもはなまる解決! 名探偵 キュアアンサー!」を変身バンクの収録で言うときは、(息を吸って)「ふぅ」としつつ気合いを入れています。5話、6話あたりでようやく言うこと自体には慣れてきましたが、毎回ドキドキしますね。
本渡:多くの方は知らないはずの「名探偵プリキュア」の存在をなぜかみくるちゃん自身はもともと知っていて「自分もなりたい、なるんだ、絶対になる!」とずっと強く憧れていました。最初にあんなちゃんとポチタンを目にした時に思わず、探偵テストの試験官だと思いこんでしまうほどみくるちゃんにとって「名探偵プリキュア」は大きな存在なんです。
変身バンクは、“バンク”と言葉がつくようにやはり基本の型というか決まったものはきちんとありますし、そこはもちろん大事なのですが、毎回その言葉を言えるとき「彼女は嬉しいだろうな」と思うんです。憧れの存在だった「名探偵プリキュアになる」という大きな夢が叶ったわけですから。戦いの瞬間なので決意や強い闘志はあるとは思いながらも、それ以上に「やった!」という純粋な喜びがきっとあるはず。1話のときは特にそれを感じていて、私自身もテンションが上がっていました。彼女のそういった純粋な気持ちを自分に重ねて、そこに素直に緊張感もそのまま入れてみても良いのかな……などと考えながら挑みました。
千賀:実際、第1話の変身後にみくるが「やった!」と言うんですよね。それがすごくかわいかったです。
ポチタンと怪盗団ファントム、それぞれの魅力
ーー第5話までの間にもさまざまなキャラクターが登場します。印象的だったシーンはありますか?
千賀:私は、ポチタンがもう大大大好きで(笑)。印象的なシーンはたくさんあるんですけど、今回あらためて思い返していて、第1話であんながポチタンと一緒にタイムスリップするとき、ポチタンがぷくーっと膨らんで、どこからともなく光の輪っかが生えてきて、バシッとポーチの状態になるんですよね。そのあとに、ポーチ化したポチタンが前に飛び出て、あんなが引っ張られていくっていう。
いつもあんなはポチタンに振り回されていて、また愛らしくて。大好きです! 加藤(英美里)さんのお声が本当に素敵で、かわいらしくて。皆さんきっと虜になるはずです。
ーー本渡さんはいかがですか?
本渡:怪盗団ファントムのキャラクターが濃くて濃くて!アフレコの段階でもうその個性が際立っていて面白いなと思っていました。怪盗団ということもあり彼らの世界観が、劇場型というかまるで物語を演じているかのような独特の世界観があるんです。ニジー、アゲセーヌ、ゴウエモン……それぞれの名前ひとつ取っても意味がありそうで、休憩時間に「ニジーの由来ってなんだろう?」「怪人二十面相!?」「アゲセーヌは少し前のかわいいギャルたちの雰囲気あるよね」なんて皆さんと話題になったりもしていました。5話までの段階でそれぞれのあり方のようなものも出てきて、そういうキャラづくりというのも見ていてすごく楽しいです。もちろん敵なので、必ずや倒してみせますが。これから怪盗団ファントムたちもどうなっていくのか、彼らの本当の目的は何なんだろう、と個人的に気になっています。
ーーまだまだ謎だらけですよね。るるかがなぜ敵側にいるのかもわからないですし、キュアエクレールも登場していないですし。
千賀:実はキャスト陣も、ほとんど教えていただいていなくて。私たちも推理しながらアフレコに臨んでいます。
本渡:なので、実は私たちも視聴者の皆さんとほぼ同じくらいの情報量かもしれません。でもあえて、意図的にそうしてくださっているところもあって。
千賀:私たちが知らない方があんなとみくるのお芝居にも生きるからというご判断のようです。
ーー特にキュアアルカナ・シャドウ/森亜るるかは今後どうなっていくのか。推理が得意な様子は第5話までで描かれていますが、おふたりはどのように推測されているんでしょう。
本渡:アフレコ現場でも「もし本当に当たってしまったらどうしよう」と思いつつ、皆さんと推理を重ねているんです。でも、プリキュアであると分かっている状態で“あちら側”にいるというのは、相当な理由がないと成り立たないと思うんです。何か目的があるのか……きっとそこには大きなドラマがあるのではないかと。もし彼女が追い詰められたとき、あんなちゃんたちが手を差し伸べられる瞬間があるのかな、と想像したりもします。でも、まだ5話の段階では直接的な接点がないんです。
千賀:いつも影で見守っている状態なんですよね。「やるじゃん」みたいな感じで。敵側にいるはずなのに、どこか味方のようにも見える。不思議な立ち位置なので、今後どうなるのか、私たちも推測しながら演じています。
ーーおふたりにとって、キュアアルカナ・シャドウ/森亜るるかを演じる東山奈央さんはどのような存在になっていますか?
千賀:現場でもいつも温かくて、いろいろなお話をしてくれるんです。私がお芝居などで困った時に、本渡さんも東山さんも、すっと手を差し伸べてくださる先輩です。登場シーンはまだ多くないのに、それでもやっぱり、キュアアルカナ・シャドウの魅力が伝わってくるんですよね。本当に尊敬できる先輩です。
本渡:東山さんも天使なんです。
ーー再び天使が!
本渡:この現場は天使が多いんです。本当に“さりげない気配り”をしてくださる方が多くて。例えばお菓子の箱が開いていたら、別の容器に移して箱を畳んで捨ててくださるとか。誰も見ていなくても、自分が気づいたらやる。休憩中も自然に話題を振ってくださったり、場の空気を動かしてくださったり。属性としては天使側です。
ーー本渡さんも天使なのでは……?
本渡:いえ、私は全然! 東山さんの自然体でお話してくださる優しさと温かさにはいつも助けられていますし、とても尊敬しています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ーーこれからさらに、役同士も、キャストの皆さんの関係性も深まっていきそうですね。
千賀:みんなでガシャポンやりたいねとか、イベントとか行きたいね、っていう話をしています。
本渡:平和です。
壁にぶつかったふたりが選ぶ道とは?
ーー主題歌についてもおうかがいできればと思うのですが、石井あみさんが歌われているオープニング主題歌「ハートにヒント!名探偵プリキュア!」の印象はいかがですか?
千賀:もうすっごく素敵です!変拍子なんですよね。最初に聴いたとき、すっごくテンション上がりました! 石井さんが「ハイパージェットコースターソング」とおっしゃっていましたが、まさにそんな感じで。勢いがあって、青春の疾走感があるとってもワクワクするオープニングです!
本渡:わかります!良いですよね!
ーーでは熊田茜音さん、増井優花さんによるエンディング主題歌「なぜ?謎?!ANSWER」はいかがでしょう?
本渡:実はアフレコの段階から、映像を結構入れてくださっていたんです。何度も映像を戻して見返しながら「ここが可愛い」「ここが最高」と現場でそれぞれプレゼンし合っていました。
千賀:〈駆け出している〉のところで、あんながキラキラした表情をするんですけど、そこが本当に可愛くて。ポチタンが踊ったり、飛んでったりするところも大好きです。
ーー楽しみです。第5話はポチタンの展開も心配なところですが……ぜひ第6話以降の見どころなどを教えてください。
千賀:第5話の終わりは、とっても心配になる展開ですよね。でも、壁にぶつかったときに、あんな、みくる、そしてポチタンやジェット先輩がどう立ち向かうのか。どうやって謎を解決していくのか。第6話では、その姿がとても情熱的に描かれています。
本渡:運命的に出会った2人が初めての大きな壁にぶつかって。その壁にどう向き合うのか。越えられるのか…がやはり気になるところではあります。第6話では、等身大の14歳でありながら「この2人、やっぱりすごいんだな」と思わせてくれる描写もあります。
その中で、ある対話をするのですが……その時の2人の表情や空気感は、きっと皆さんも一緒に胸がグッとなるのではないかなと。アフレコはもちろん、台本を読んだ段階でも胸が締めつけられるようなエモーショナルなシーンでした。ぜひ見逃さずに受け取っていただけたら嬉しいです。
ーー子どもたちにとっても心に残るシーンになりそうですね。
千賀:私は本渡さんのシーンで、もうグッときてしまって。アフレコ中もうるっときながらも、声に影響が出てしまうのでなんとか冷静さを保っていました。
ぜひ楽しみにしていてください!
[インタビュー/逆井マリ 撮影/佐藤ポン]