ふるさと納税の赤字額、10年続いた拡大に歯止め、三重県四日市市
三重県四日市市は、10年続いたふるさと納税の赤字額の拡大が、2023年度で初めて縮小したと発表した。専門の人材を雇用し、返礼品の開拓などに力を入れる対策をした結果が出たとしており、今後も努力を重ねるという。
森智広市長が定例記者会見で説明した。2023年度は、新規返礼品の開拓やPRの強化などで対前年度比約3.8倍の約3億2500万円の寄付額になった。一方、ふるさと納税の市場拡大に伴い、個人市民税税額控除額(流出額)も拡大し、2024年度は約11億4700万円で、前年比1億1300万円の増額となった。この差し引きの結果、流出額が8億2200万円となり、2022年度の約9億4800万円から約1億2600万円縮小した。
森市長は「流出額の方がまだ大きいことは変わらいとはいえ、10年拡大続きだった赤字額にいったんストップをかけられたことは大きいと感じている。引き続き、取り組みを強化したい」と話した。
四日市市の寄付受入額と個人市民税税額控除額の収支差(赤字額)は、2012(平成24)年度の488万2千円から521万7千円、1785万4千円、1億2954万1千円、2億3276万7千円、3億3453万9千円、4億5222万4千円、4億6373万3千円、6億23万1千円、7億9712万3千円、9億4808万3千円へと10年連続で赤字幅を拡大させた。このため、市はふるさと納税推進室を設けるなど対策に踏み出していた。
森市長の会見での発言によれば、縮小したとはいえ、最新の赤字額約8億2200万円は小学校の給食費をまかなうことができる金額だといい、控除額による税の流出が大きな影響を与えているという。