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「沖縄の監督たちからも指導を受けた」九州大会準優勝の大島高校野球部監督

HUB沖縄

大島高校野球部塗木哲哉監督

 昨秋の秋季高校野球鹿児島県大会で、奄美大島の大島高校(大高)は全6試合中4試合でサヨナラ勝ちし、奄美大島勢で初優勝を遂げた(詳細は〈めざせ大高 二度目のセンバツ 沖縄県内の奄美出身者も応援〉https://hubokinawa.jp/archives/10546を参照)。

 ハンデを負った離島勢の県大会優勝で21世紀枠はほぼ確実と言われていたが、九州大会準々決勝で沖縄第1代表の興南高校を3―0で完封しベスト4に進出。実力で一般枠出場をほぼ確実にした。準決勝では球数制限でエース大野を欠きながら、中断40分を含む3時間強の激闘を制した。最大5点差をひっくり返しての大逆転劇だった。決勝では九州国際大付(福岡)に6-12で敗れたものの胸を張る準優勝だ。本大会に照準を合わせ勝負の時を待つ同校野球部の塗木哲哉監督に話を聞いた。

コロナ禍でも実戦練習できた

――8年前に初出場した時は身体能力が高くて、打球も足も速かったのですが、走塁ミスなどが多く粗削りな印象を受けました。しかし逆転、サヨナラの県大会に続き、九州大会でも「粘りの大高」の本領を発揮しました。コロナ禍で閉塞感が漂うなか勇気づけられた人々が多いと思います。

「運が良かったのかもしれません。コロナ禍で鹿児島本土では行動制限が強くかかる学校もあるなか、奄美でまずまずの実戦練習ができたし、8月中旬までは練習試合もある程度こなせたのが結果につながったのだと思います。前年は逆にこちらは満足な練習ができずに大会を迎えていたんです」

――それにしても、洗練された勝負強いチームですね。

「エースの大野が夏から秋にかけて力が向上し、緩急をつけたピッチングができるようになり、きっちり投げてくれました。武田や前山、西田、有馬、中(あたり)らが前のチームから試合に出ているので、試合勘もあったと思います。それと要所要所をしっかり守ってくれました」

――よく鍛えられた印象を受けます。一朝一夕でできるものではないですね。

「8年前は21世紀枠でしたが『今度は実力で行こう』を合言葉に選手も地域もその思いを共有し、世代ごとにつないできました。それ以後の県大会では常にベスト8に進出し、ガクッと落ちる年はなく持続してきて、それが今回ポンと跳ね上がったのだと思います」

大島高校校舎

「やらされる練習はしない」

――大高と言えば東京大をはじめ国立大、有名私大に合格者を送り出している奄美随一の進学校です。練習にも工夫があるのでは?

「一番大事なのは集中力なので、『一球一球に集中しなさい』とは常に言っています。それでも集中力は長くは続かず、せいぜい4時間程度なので一つの課題を与えて練習させています。

 それと『やらされる練習はしない』です。自分たちが勝ちたくてうまくなりたければ、自分たちで自発的にやると思うんです。その内発的な動機付けを大会前や要所要所で面談し、語り掛けています」

――箱根駅伝を制した青山学院大学の原晋監督が同様のことを言っていました。生徒をよく見ることと、生徒自身の自主性が大事なんですね。

「そうですか。ヒントや考える材料は与えて基本は教えても、それを身に着けていくのは生徒本人たちが練習していくしかないんです」

――選手のメンタルの強さが分かりました。雨天で迎えた九州大会準決勝の対有田工業戦では、最大5点のビハインドで、中断までリードを許す展開でした。ベンチではどのような声を掛けたんですか。

「ちょっと集中力が落ちて気が散漫になっていないか、もう少し集中するように言いました。それと、雨天の試合は(フォアボールやエラーなどで)点数が入りやすくなるので、雨天の5点は好天の2、3点差だから、慌てずに中盤から取っていけばどうにかなるんじゃないかと話しました。

 案の定、畳みかける時に相手のエラーなどが絡み中盤にビッグイニングを作ることができ、前半相手チームに流れていた流れを中盤以降こちらに手繰り寄せることができました」

大島高校グラウンド

沖縄のチームとの練習試合も計画

――奄美全体が盛り上がっていますね。

「はい、我々以上に盛り上がっています。ただ自分たちはワイワイ浮かれているわけじゃなく、甲子園に照準を合わせた練習を積み重ねています。ベスト8を長期的な目標に掲げながら練習を続けてきているので、まずは挑戦権を得られたと思っています。二つ勝てば8強なので、一戦必勝をめざして練習に取り組んでいます」

――大高と沖縄のチームが準決勝、決勝で対戦する日がそう遠くない将来、実現するかもしれませんね。

「前任校の時に興南の我喜屋先生はじめ沖縄水産の上原監督らには練習試合などで随分お世話になったし、ご指導も受けたんですよ。コロナでどうなるかは分かりませんが、沖縄のチームとの練習試合も計画しているんです」

――沖縄には多くの奄美出身者が暮らしています。沖縄から応援しています。今日はありがとうございました。

塗木哲哉(ぬるき てつや)鹿児島市出身。鶴丸高校から鹿児島大学を経て筑波大学大学院。鹿児島に戻り、鹿児島南高、頴娃高、志布志高の監督を歴任し大高は今年で8年を迎える。

九州大会準優勝を祝う横断幕

 大高の九州大会戦歴は以下の通り。

1回戦 対大分舞鶴(大分)11月6日
大分舞鶴 001 000 021 0=4
大島   100 100 020 0=4

再試合 11月7日
大分舞鶴 020 000 000 =2
大島   200 000 10 × =3

準々決勝 対興南(沖縄)11月9日
興南 000 000 000 =0
大島 003 000 00 × =3

準決勝 対有田工業(佐賀)11月11日
有田工業 240 001 000 =7
大島   100 215 02 × =11

決勝 対九州国際大付(福岡)11月12日
九国大付 181 010 001 =12
大島   001 000 005 =6 

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