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6色のブルーナカラーの秘密。ミッフィーが伝えるメッセージとは?

イロハニアート

ミッフィーの世界を彩る「ブルーナカラー」は、6色だけで気持ちや情景を表現する独自の配色です。赤や青の鮮やかな色に対して、背景にはあえてくすんだ色を使い、主役をそっと引き立てます。そこには、子どもたちへの深い思いやりが込められています。 この記事を読むと、ミッフィーの世界をもっと気軽に楽しめるようになります。

日本のミッフィー情報サイト

ブルーナカラーとは何か


日本のミッフィー情報サイト

「ブルーナカラー」とは、ミッフィーの作者であるディック・ブルーナの独特な色づかいを指す言葉です。彼の絵本の世界は、赤、青、黄、緑がメインの色として使われており、動物などを描く際に使われる茶とグレーを合わせた、たった6種類のみで作り上げられています。シンプルかつ特徴的な色使いは世代を超えて親しまれています。

色がはっきりとしているので、まだ文字を読めない子どもたちも直感的にミッフィーの気持ちを感じ取り、物語の世界にスムーズに入り込むことができるのです。子どもたちとの対話を第一に考えた、思いやりに満ちた色づかいといえるでしょう。

削ぎ落とすという哲学


たった6色で物語を表現するということは、言い換えると余分な色を削ぎ落としているともいえます。余計な色や線を、思い切って省略することで子どもたちの想像を広げるという大胆さも彼の作品の特徴です。

少ない色数とシンプルな絵柄は、子どもたちが絵の中で何が起こっているのか、何が大切なのかを感じ取ることを手助けしてくれます。また、ミッフィーたちの感情をストレートに伝えたいというブルーナの気持ちの現れでもあります。

背景の「くすんだ色」が語るもの


ブルーナカラーは6色と紹介しましたが、目をこらしてみると、ミッフィーたちを彩る色と背景の色とでは若干トーンが異なることがわかるでしょう。例えば、背景の空はややくすんだ、穏やかな表情の青色が使われるなど、背景はくすんだ色が使われています。

もし、背景にも鮮やかな色を使ってしまうとどうなるでしょうか。それぞれが主張することで、絵全体が硬い印象になり、刺激が強くなります。ブルーナは、子どもの視覚的な感受性を深く意識していたといわれており、背景にはくすんで穏やかな色を使いました。

少しトーンを落とした背景色は、主役であるミッフィーの鮮やかな服の色を美しく引き立てます。このやさしい色調もブルーナの子どもたちへの配慮といえるでしょう。

色に込められたメッセージ


『くんくんとかじ』、ディック・ブルーナぶん/え、まつおかきょうこやく、福音館書店

絵本では登場人物の表情やセリフなどで子どもたちに感情を伝えますが、ブルーナカラーは色そのものが子どもたちに語りかけます。6色それぞれにメッセージが込められており、赤色は喜び、黄色は温かさや楽しい気持ち、緑は安心感や安らかな気持ち、青色は悲しみや静けさをそれぞれ表しているのです。

残りの茶とグレーは、ブルーナがどうしても必要になって加えた2色です。子犬のスナッフィーを描く際は茶が使われ、グレーはゾウやネズミなどの動物を描くときに使われています。

メッセージと聞くとなにか教訓めいたものを連想してしまいますが、ブルーナは生前「私は教えようとしていない。感じてもらいたい」と語っていたそうです。ブルーナカラーを通して、子どもが「うれしい」「かなしい」「安心した」といった感情を自分自身の心の中に発見します。

ミッフィーの表情がいつも同じように見えるのも、子どもたちの感受性に委ねたいという彼のポリシーと深く関わっています。ミッフィーが多くを語らないのは、その物語を完成させるのがページをめくる読者自身だからです。

読者はミッフィーの心に自分の気持ちを重ね合わせ、自分だけの物語を紡いでいきます。この「伝えすぎない」という哲学もまた彼の作品の特徴といえます。

ブルーナカラーが生まれた背景


『うさこちゃん びじゅつかんへいく』、ディック・ブルーナぶん/え、まつおかきょうこやく、福音館書店

ディック・ブルーナは、出版社を経営していた父の影響で画家を目指しました。レンブラント、ファンゴッホ、レジェなどのアーティストにインスピレーションを受けたとされますが、特にアンリ・マティスからの影響が色濃くみられます。

アンリ・マティス、ヴェルヴ:植物(翠波画廊)

インタビューの中でもマティスの展示会に足繁く通い、どうやって色を組み合わせているのだろうか、どうやって線を描いているのだろうかと研究していたとコメントしています。

マティスはその奔放な色づかいから「色彩の魔術師」と呼ばれました。晩年には色紙を切り貼りした切り絵作品に取り組んでおり、色彩だけでなく形も極限までシンプルにした作品を残しました。

ブルーナも彼の作品から、シンプルな形と色だけで感情を伝えることを学びました。ミッフィーが美術館に出かけて『うさこちゃん びじゅつかんへいく』の表紙にはマティスの「植物」をオマージュした作品が描かれています。両者を比べてみると、ブルーナのマティスに対する尊敬の念が伝わってきます。

今も受け継がれるブルーナカラー


ディック・ブルーナがこの世を去った後も、彼が遺したブルーナカラーは、次世代に引き継がれています。その影響は絵本の世界にとどまらず、世界中のデザイナーやクリエイターにまで影響をあたえています。

現代のWebデザインでは、装飾を最小限に抑えて無駄をそぎ落としたデザインこそがより効果的であるという、ミニマルデザインが主流ですが、ブルーナカラーのシンプルで普遍的な魅力を持つ配色と通ずるものがあります。彼の作品は、読者を信頼して情報を削ぎ落とすことでかえって豊かさが生まれることを教えてくれます。

日本でも、ミッフィーの展覧会が開催されるたびに多くの人が訪れ、その世界に魅了されます。また、様々な企業とのコラボレーション商品においても、ブルーナカラーのデザイン哲学は大切に継承されており、私たちの暮らしの中に溶け込んでいます。

まとめ


ブルーナカラーは、子どもたちへの限りない優しさによって生み出されました。

テクノロジーの進化によりコミュニケーションの方法は変わりましたが、言葉のわからない子どもたちと意思疎通する方法は今も昔も変わりません。

ディック・ブルーナはたった6色とシンプルな線を通して、世界中の子どもたちに物語を届けました。その思想は、世代を超えて現在も多くの人に愛されています。

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