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ポケカ30周年で転売過熱。会社員のトレカ副業が確定申告で間違えやすい4つのポイントを税理士が解説

MONEYIZM

トレカ

ポケモンカードゲームが2026年10月20日に30周年を迎えます。

記念商品となる拡張パック「30th CELEBRATION」は、9月16日に世界同時で発売されます。

市場が過熱するなか、新弾を買い付けて売る「ポケカせどり」を副業として続ける会社員も増えています。

弊社の税理士紹介サービスでも、2026年の2〜4月に寄せられたトレーディングカード関連の相談件数は、前年同期の2.5倍でした。

年間の売上が数百万円規模になったとき、どこで間違えると申告漏れにつながるのでしょうか。税理士に聞きました。

「20万円」は売上ではなく利益。所得税の申告が不要でも住民税は別

会社員が最初につまずくのが「20万円ルール」です。給与収入が2,000万円以下で、1か所から受ける給与について源泉徴収と年末調整を受けている人は、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要とされています。

ここでいう20万円は売上ではなく、売上から仕入や販売手数料などの必要経費を差し引いた「所得」です。売上が400万円あっても、所得が20万円以下なら所得税の申告義務は生じません。逆に売上が50万円でも、所得が25万円あれば申告が必要です。

ただし、20万円以下の所得が非課税になるわけではありません。所得税の確定申告を省略できる場合があるというだけで、確定申告をしない場合には、給与以外の所得について原則として住民税の申告が必要です。所得税の確定申告をすれば、その内容は自治体にも連携されるため、通常は住民税の申告を別に行う必要はありません。取扱いは自治体によって異なることがあるため、居住地の市区町村にご確認ください。

また、医療費控除やふるさと納税などの理由で確定申告をする場合は、20万円以下の所得も申告書に含める必要があります。

売れ残ったカードの仕入代は、その年の経費にならない

その年の経費になるのは、売れた分の取得価額(売上原価)だけです。売上原価は「期首の在庫+その年の仕入-期末の在庫」で計算します。12月31日時点で手元に残っているカードの取得価額は経費にならず、在庫として翌年以降に繰り越されます。

たとえば期首の在庫がなく、年間の売上が400万円、仕入が500万円、12月31日時点で250万円分のカードが売れ残っているとします。この年の売上原価は500万円から250万円を引いた250万円。販売手数料や送料が40万円なら、所得は400万円から250万円と40万円を差し引いた110万円です。

現金の動きは140万円のマイナスですが、売れ残ったカードは250万円分の在庫資産として残っており、税務上は110万円の所得が生じています。副業所得を加える前後で所得税率20%の範囲に収まる場合、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた増加額は概算で約33万円です。手元に現金がないのに納税だけが残るのは、売れ残った在庫の取得価額がその年の経費にならないためです。年末には必ず在庫を数え、取得価額を記録してください。

同じカードの売却益でも、税金の計算は分かれる

新弾を仕入れて継続的に販売する「せどり」が事業所得になるか、業務に係る雑所得になるかは、取引の規模や継続性、営利性などから社会通念に照らして判断されます。国税庁は所得税基本通達35-2で、記帳と帳簿書類の保存があれば概ね事業所得、保存がなければ原則として業務に係る雑所得(収入金額が300万円を超え、事業所得と認められる事実がある場合を除く)と整理しています。通達の300万円は「帳簿がない場合」の基準であって、300万円を超えれば事業所得になるという意味ではありません。また、帳簿があっても、収入金額が僅少な場合(例年、300万円以下かつ本業収入の10%未満)や、例年赤字で改善の取組がない場合は個別に判断され、帳簿さえあれば必ず事業所得になるわけでもありません。雑所得になると、赤字が出ても原則として給与所得と損益通算できません。なお業務に係る雑所得でも、前々年分の収入金額が300万円を超えると現金預金取引等関係書類の保存が、1,000万円を超えると確定申告書への収支内訳書の添付が必要です。

昔から持っていたカードを単発で売った場合は、継続的な転売でなければ総合課税の譲渡所得となる可能性があります。家具や衣服など生活に通常必要な動産の売却益は原則非課税ですが、趣味や鑑賞を目的に所有していたコレクションは「生活に通常必要でない資産」と判断されることがあります。よく言われる「30万円」は、貴金属や宝石、書画、骨とう、美術工芸品について1個または1組30万円を超えるものを非課税から外していることによる数字で、トレーディングカードがこれらに当たるかどうかは別の判断です。「30万円以下なら非課税」と一律に決まるわけではありません。なお、譲渡所得の特別控除は、カード1枚ごとではなく、その年の総合課税の譲渡益全体に対して最高50万円です。取得から5年を超えて保有していたものは長期譲渡所得となり、特別控除後の金額の2分の1が総所得金額に算入されます。逆に売却で損失が出ても、生活に通常必要でない資産の損失として、給与所得などと損益通算することはできません。

オリパで当てたカードを売る場合は、さらに慎重な確認が必要です。「オリパにつぎ込んだ総額を経費にできる」と考える人がいますが、単発の売却を譲渡所得として扱う場合、取得費は原則としてその資産の取得に要した金額ですから、当カードに対応するのは、そのカードが出た1口分の代金と考えるのが自然です。当たりを引くまでに使った他の口の代金は、そこからでた別のカードの取得費になります。仮に一時所得として整理する場合も、差し引けるのは、「その収入を生じた行為をするために直接要した金額」に限られます。一方、購入と売却を継続的に繰り返している場合は、所得区分が変わり、売れた分の取得価額だけが経費になります。いずれの整理でも、使った総額と売却代金の差額を利益とみなして計算すると、実際の課税額と大きくずれるおそれがあります

売上1,000万円を超えると、翌年または2年後に消費税の対象になることがある

消費税は、基準期間である前々年の課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が生じます。個人の場合、2026年の課税売上高が1,000万円を超えれば、原則として2028年分から課税事業者です。

前年1月1日から6月30日までの「特定期間」の課税売上高が1,000万円を超える場合は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも翌年から課税事業者となる可能性があります。ただし特定期間については、課税売上高に代えて、同期間に支払った給与等の金額で判定することもできます。人を雇わずに1人で行っている副業であれば、この判定によって課税事業者にならずに済む場合があります。

判定に使うのは利益ではなく売上です。トレカは単価が高く回転も速いため、利益が数十万円でも売上だけは1,000万円を超えやすい分野です。納税義務が生じるのは早ければ翌年、原則は2年後で、そのころには相場が落ち着いて売上規模が縮小していることもあります。売上が1,000万円に近づいた時点で、税理士に相談してください。

まとめ

ポケカせどりで会社員がつまずくのは、税金の存在そのものより「数え方」です。

20万円は売上ではなく所得であり、所得税の確定申告をしない場合でも住民税の申告は別に必要です。売れ残った在庫の取得価額はその年の経費にならず、現金がなくても所得が生じます。所得区分によって計算方法は変わり、売上が1,000万円を超えれば消費税の対象になることもあります。

まずは仕入と売上を日付・金額つきで記録し、年末に在庫を数えること。売上が数百万円規模になったら、確定申告期を待たずに税理士へ相談してください。

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