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【手塚理美のガチロケハン】柴又~柴又帝釈天に「矢切の渡し」、そして焼草だんごとビールで乾杯!

さんたつ

【散歩の達人】手塚理美のガチロケハン_6

俳優・手塚理美がスマホを手に、『散歩の達人』的に気になるエリアをガチ(=本気)でロケハン。今回は【柴又】を月刊『散歩の達人』編集長・H岩と歩きます。はたして釣果は今後の編集内容に生きるのか!?

手塚理美

てづかさとみ/東京出身の俳優。小学生のころからジュニアモデルとして活躍し、映画、舞台、ドラマと幅広く活動。2025年に芸能事務所から独立、フリーに。趣味は散歩。Instagram:tezuka_satomi

次号『散歩の達人』4月号は、創刊30周年記念号。ひとつの街だけを深掘りするわけではないので、ガチロケハンとしては、手塚さんが行ってみたい場所に行きましょうと、前回の草加編で訪れた『大福源』で打ち合わせ。谷中? 向島? 十条? 三ノ輪? 手塚さんの口から次々と魅力的な街の名前が飛び出す。結局、候補が挙がっただけで、ロケハンする街は決まらないまま解散。ところが「お疲れさまでした」と言い放った舌の根が乾かぬうちに「決めました! 柴又で! 柴又でよいですか?」とLINEが届いた。こうして冬晴れの土曜10時半、京成電鉄金町線柴又駅改札で待ち合わせ。

柴又駅にて。

手塚 ちょっと調べたら、柴又は私にとってツボみたいです。帝釈天参道だけでも楽しそうだし、『山本亭』や『寅さん記念館』など、行きたい場所がたくさん。もちろん、江戸川の渡し舟「矢切の渡し」はマスト。昨日、柴又を紹介するYouTubeで予習したら、ますますテンションが上がっちゃって。木村拓哉さんのYouTubeでも柴又が紹介されていました。

——今日は帝釈天参道を歩いて柴又帝釈天に行って、その後「矢切の渡し」に乗って、『山本亭』、『寅さん記念館』を巡り、最後に参道へ戻るイメージです。

手塚 柴又は初めてなんだけど、まず駅舎がすてき。構内の小さな踏切(高砂方面と金町方面のホームをつなぐ構内踏切)もかわいい。私の地元・池上の駅も昔はこんな感じだったの!

——そして柴又といえば、寅さんですね。

手塚 寅さんもAmazonプライムで予習してきましたよ。ミヤコ蝶々さんが出ている回はおすすめ。ぜひ見てほしい。ちなみにリリーさんの回は別料金でした(笑)。

柴又駅/駅前には地元商店会と観光客の募金によって建てられた「フーテンの寅」像あり。旅に出るところを、さくらに呼び止められ振り返った姿。

柴又駅前で「フーテンの寅」像と「見送るさくら」像を写真に収め、帝釈天へ続く参道を進む。映画『男はつらいよ』の1~4作目で寅さんの実家として撮影された『門前とらや』、撮影時に休憩所としても使われた『髙木屋老舗』などの有名店に加え、草だんご、手焼きせんべい、川魚料理と、江戸から続く老舗が並ぶ参道は食べ歩きにも散策にもぴったり。突き当たりにあるのが柴又帝釈天。正式名称は日蓮宗の寺院「経栄山題経寺(きょうえいざんだいきょうじ)」で、開基は寛永年間(1629年)にさかのぼる。

——参道はにぎわっていましたね。

手塚 そしてここが、帝釈天で産湯をつかい、の帝釈天ね。こちらも日蓮さん。ガチロケハン第2回の中山法華経寺、第4回の池上本門寺と、日蓮さんにご縁を感じます。

——奥には彫刻ギャラリーがあり、法華経説法にまつわる浮き彫りが見られるそうです。

柴又帝釈天の彫刻ギャラリー。

彫刻ギャラリーと、日本庭園「邃渓園(すいけいえん)」を鑑賞した後、江戸川の土手に向かう。土手に上がると、視界いっぱいに広がる川と空が心地よい。河川敷に下りて、都内に唯一残る渡し舟「矢切の渡し」の乗り場へ。小さな舟が、東京都葛飾区と対岸の千葉県松戸市を結び、今も片道300円で乗船できる。

矢切の渡し/江戸時代から続く渡し船。片道300円。冬季は土・日・祝日のみ運航。葛飾区柴又7-18先 ☎047-363-9357(矢切渡船)
土手って気持ちいい。

——手塚さんが事前に電話確認までしてくださった、駅近くの『いせや三神』さんで買ったおにぎりが、今、私の手にあります。

手塚 天気もいいし気持ちいいわね。そこのベンチに座って、舟が来るのを待ちながら、梅干し入りのおにぎりをいただきましょう。

『いせや三神』さんのおにぎり。

ハーヒフヘホー! 子供向けだろうか、にぎやかなだみ声の観光案内とともに舟が戻ってきた。桟橋を渡ってきた子供とすれ違い、往復二人分の1200円を現金で支払い乗船。水面のきらめきや川風、周囲の自然を間近に感じ、都会の喧騒から離れた静かな時間を過ごす……しばしの乗船、そして、もといた桟橋が近づいてきた……ハーヒフヘホー! 下船。

手塚 キャラの濃い船頭さんでしたね。来てみて、体験することがロケハンの醍醐味。現地に来ないと味わえないもの。来てよかったわ。

——松戸に上陸せずそのままUターンとなってしまいましたが、次は片道で頼んで、松戸の土地を踏みたいです。

「帝釈人車鉄道」に乗れました。 葛飾柴又寅さん記念館(C)松竹(株)

土手を上って、そのまま『葛飾柴又寅さん記念館』へ。「くるまや」や「朝日印刷所」など実際に撮影で使われたセットが移設され、寅さんの世界観に浸れる施設だ。手塚さんが狙っていた「帝釈人車鉄道」も見て、乗って、触って満足。隣の『山田洋次ミュージアム』も楽しんだ後、共通券で『山本亭』も見学。資産家の庭園が当時のまま残されているのは、都内では墨田区の旧安田邸と世田谷区の徳冨邸だけだと説明板にあった。

『山本亭』にて。

——さあ、帝釈天参道に戻ってきました。

手塚 『とらや』さんには土・日・祝日限定でお海苔のついた「焼草だんご」もあるのよ。私、限定に弱くて。

——ショーウィンドーに並ぶ、おかめそばやシウマイなどのメニューも魅力的ですね。

手塚 締めの場所は悩みましたけど、『とらや』さんにしたいです。ビールがあることは事前チェック済なの、フフフ。「焼草だんご」をいただいてから、店内でゆっくりしましょう。

門前とらや/草だんごを販売。お食事処では草だんごのほか、中華・和食・甘味も食べられる。葛飾区柴又7-7-5 ☎03-3659-8111

生ビールで乾杯。店内には『男はつらいよ』のポスターや有名人のサインがずらり。映画の中で寅さんの部屋に通じていた階段が、当時のまま残っていた。

『春』さんのラッキョウ漬けおいしかった。

手塚 柴又は歩いてみたかったし、今日も楽しかった。観光地なのに、全体的におだやかな感じもよかったです。このあと時間ある? 駅前で見つけた『春』さんという居酒屋も気になるし、柴又駅脇の商店街にある『大国屋』さんというおでん屋さんでは、その場で熱々おでんが食べられるみたい。

——もちろん、お供します。『とらや』さんと『髙木屋』さんの草だんごは食べ比べたいので、あとでもう一度戻りますね。

『大国屋』さんも最高でした。

構成=H岩美香(編集部)
『散歩の達人』2026年3月号より

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