2年連続!世羅町でコウノトリが自然繁殖 世羅町に戻ってきた理由は?|地球派宣言
去年、広島県内で初めて国の天然記念物「コウノトリ」が繁殖しました。
巣をつくったのは、周囲に山が迫る、世羅町の寺町。
住宅がすぐ近くに建つ、電柱の上です。
ここから3羽のヒナが誕生し、巣立っていきました。
そして今年。町では新たな取り組みが行われました。
電柱の上では感電や漏電の恐れがあるため、安心して子育てができるようにと、町や地域住民が協力して、人工巣塔を建てたのです。
そして、今年も。コウノトリが繁殖のため世羅町へ戻ってきました。
巣の場所に選んだのは……去年と全く同じ、電柱の上。
世羅町文化財 保護委員会副会長の中島秀也さんは、「世羅町にはエサがたくさんあり、子育てがしやすい環境にあったのではないか」と言います。
豊かな自然が残る世羅町。水辺には、コウノトリのエサとなるたくさんの生き物が生息しています。
コウノトリがえさ場にしていたという場所に案内してもらうと……ツチガエルを発見。
巣立ったすぐあとのヒナは、遠くまで飛ぶことができないため、近場にえさ場がある世羅町は、子育てに適しているのではないかと、中島さんは言います。
そして今年5月。巣には今年生まれた、1羽のヒナの姿が。
翼を広げて羽ばたきの練習をしていました。
町の人たちは、ヒナの成長を温かく見守っています。
その一人、稲住正明さん。初めてコウノトリが町にやってきたときから、映像を撮り続けています。丸一日かけて撮ることも多いんだそうです。
稲住さんは、再び戻ってきたコウノトリを歓迎し、世羅町を故郷として次の世代もずっと続いてほしいと願っています。
世羅町で2年続けて自然繁殖をしたコウノトリ。
町では、コウノトリや多様な生物が共生できる環境づくりが進められています。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年6月12日放送)