【お盆の帰省】“できる嫁“だった義妹が深夜にSOS! エアコンなし・肉禁止の義実家ルールに変化が…
13歳と9歳の男の子と7歳の女の子を子育て中のママ(43歳)です。
▶画像 孫のウソにおばあちゃんが本気で悔しがる! 3世代でハマった「人狼ゲーム」昔ながらの古いしきたりが残る義実家へのお盆帰省。エアコンのない部屋での食事、肉料理は出さない、女性だけが台所に立つ──そんなルールが当たり前のように残っていました。
義妹のAちゃんは夫(義弟)が不在のなかでも、完璧に義実家のルールに従い、子育てをしています。一方、ズボラな私は「ちゃんとしていない嫁」として肩身の狭い思いをしていました。
しかしある夜、自宅へ帰るAちゃんを見送った義母が「Aちゃん、ひとりだと食事も外出もできないみたい」と不穏な言葉を漏らし……。
※本記事はママの実体験を取材し、プライバシーに配慮して構成したものです。
深夜に鳴り響いた義妹からの電話
義弟の妻であるAちゃんは一足早く自宅へ戻り、遠方から来ていた私たちは、そのまま義実家に5日ほど泊まることになっていました。3日目の夜、義母のスマホが突然鳴りました。電話に出た義母は、みるみる表情を変え、慌てた様子で出かける準備を始めました。
それに気づいた私は「お義母さん、どうしたんですか?」と声を掛けたのですが、義母は「うん、ちょっとね」と言葉を濁すだけ。そしてリビングにいる義父や夫、義祖母に「明日の買い出しに行ってくるわね」とだけ言い残し、家を出ようとしました。
なんとなくただごとではない雰囲気を察した私は、義母のあとを追いかけました。そして「私も一緒に行きます」と車に飛び乗ったのです。そして車の中から夫に「私もお義母さんの買い物についていってくるね」とLINEをしました。
夜道を走る車の中で、私は運転席の義母に尋ねました。「お義母さん、どこに向かっているんですか?」義母は沈痛な面持ちで、前を見つめたまま答えました。
「……Aちゃんの家よ。さっき電話があってね『お風呂に入れない』って泣いていて……」
お風呂に入れない? 義弟が不在とはいえ、Aちゃんは自宅にいるはずなのに、どういうこと? 私はその言葉の意味がわからないまま、義母についていくしかありませんでした。
子どもが泣くからお風呂に入れない…義妹の悲痛な叫び
イラスト:べるこ
「ピンポーン」義弟夫婦のマンションに到着し、インターホンを押すと、目を真っ赤に腫らしたAちゃんが出てきました。
「私がシャワーを浴びようとすると、赤ちゃんが泣いちゃうんです……。泣かせるのはかわいそうだから抱っこして、でもおろしたらまた泣いちゃって。それを繰り返していたら、気がついたら2日間もお風呂に入れなくて……」泣きながら話すAちゃん。
リビングの壁際には、育児書や知育絵本がずらりと並び、おもちゃもきれいに片付けられていました。テレビはついておらず、部屋は静まり返っています。
部屋は完璧に整っているのに、Aちゃんの髪はボサボサで、義実家で会ったときとは別人のようにやつれ果てていました。
「ふぇん……」赤ちゃんがぐずり始めました。私は何も言わず赤ちゃんを抱き上げ、Aちゃんにこう言いました。「私が抱っこしてるから。何も気にしないで、今すぐお風呂に入っておいで」「……お義姉さんすみません」
お風呂に入って少し落ち着いた様子のAちゃんに、私はこう声を掛けました。
「私なんて、毎日のように子どもを泣かせてたよ。『泣かせっぱなしでごめんね~』って言いながらシャワーを浴びてたし、離乳食もレトルトに頼ってた。夜はミルクにして一緒にぐっすり寝て、昼間も親子で寝ちゃうことがあったなあ。夜泣きのときは、大好きなドラマを見ながら気を紛らわせたり、自分がお腹空いたときなんて、授乳しながらパンを食べたりしてたよ」
私は3人の子どもたちが小さかったころを思い出しながら、Aちゃんに話をしました。するとAちゃんはびっくりして「そんな……子育てでもいいんですか……」
「ふふ。いいかどうかはわからないけど、そうするしかなかっただけ。完璧にできなくたって、子どもたちが元気に生きていて、笑ってくれていればそれで満点って思ってたかな。……とは言ってもね、長男のときは私も今のAちゃんと同じくらい気が張っていたから、気持ちはすごくよくわかるよ。一人で本当によく頑張ったね」
話を聞いていた義母が、涙を拭いながら言いました。「○○ちゃん(私)は、3人も育てて本当にすごいわね……」
するとAちゃんは、ぽつりと打ち明けてくれました。
「お義姉さんが帰省中、いつも『私、これできないんです~』って笑っているのを見て、すごいな、素敵だなと思っていました。何より、子どもたちがいつも楽しそうで、本当に羨ましかったんです」
私はAちゃんのことを、完璧なお嫁さんであり、完璧なお母さんだと思っていました。けれどAちゃんもまた、私のことをそんなふうに見ていてくれたのだと知り、胸がいっぱいになりました。
「ただ適当なだけなんだけどね。でも、ママが元気で笑っていることが、結果的に子どもの一番に繫がるんじゃないかな」
義母が古いしきたりに反旗を翻した日
翌日も、義実家の空気はいつもどおりでした。男性陣は涼しい部屋で座ったまま動かず、台所に立つのは女性陣。義祖母はその場を仕切るように、「これ、運んでくれる?」と私に声をかけ、義父は座ったまま「おい、お茶」と言いました。
すると、いつもなら黙って従っていた義母が、それを遮りました。「○○ちゃんだって、いつも3人の育児を十分頑張ってるんだから。今日は座って休んでなさい」
突然の義母の言葉に、義父も義祖母も驚いたように顔を見合わせました。さらに義母は続けます。
「こう暑いと熱中症も心配だし、食事だって傷んだら大変。今日は思い切って外食にしちゃいましょう! よく考えたら、お盆だからって女ばかりが暑い台所に立つなんて変よねぇ。みんな、何が食べたい?」
子どもたちは大喜びで、声をそろえて叫びました。「焼肉ーーー!!」子どもたちの勢いと、今まで見たこともないような義母の毅然とした様子に、義父も義祖母も何も言い返せないようでした。
時代遅れのルールをアップデート! 家族みんなが笑える帰省へ
焼肉店には義弟夫婦もやってきました。赤ちゃんに市販のレトルト離乳食を食べさせようとするAちゃんに気づいた義祖母。「あら、そんなものを……」と一瞬顔をしかめました。すかさずAちゃんは「私、もう頑張りすぎるのをやめたんです」と笑って答えていました。
そのとき、タイミングよく赤ちゃんが泣き始めました。いつもなら、Aちゃんが赤ちゃんを抱いて外に出ようとするところです。けれど私はすかさず、義弟の背中をぽんと叩きました。
「ほら、お父さんを呼んでますよ~!」義弟は驚いた顔で私を見ましたが、すぐに義母が言いました。「ほら、あなたがあやしてあげなさい。Aちゃんはゆっくり食べてね」
その言葉に、Aちゃんは少し驚いたあと、ほっとしたように笑いました。
「さ、Aちゃん。今のうちに焼肉、たくさん食べちゃおう。子育ては体力勝負だからね!」私がそう言うと、Aちゃんも少し安心したように笑いました。
Aちゃんの涙と、私たちの本音をきっかけに、義実家の空気は少しずつ変わっていきました。いつしか「お盆は肉禁止」や「エアコンなし」といった古いルールもなくなっていったのです。
昔から続いてきたルールにも、きっと当時なりの意味があったのだと思います。けれど、時代や家族の形が変われば、合わなくなることもあります。
「昔からそうだから」「ルールだから」と従い続けるのではなく、今の自分たちに合っているのか、家族みんなが無理なく過ごせるものなのか。そのたびに話し合いながら、少しずつ見直していけたらいいのだと思います。
文/構成・橘サチ