Yahoo! JAPAN

トランプ大統領の支持率が歴代最低 巨大で複雑な不確実性をもたらすトランプ関税

文化放送

4月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、トランプ大統領の歴代最低支持率について意見を交わした。

他所の国の大統領で、日本国民の利益なんて考えるわけねーだろ!

米紙ワシントン・ポストは4月27日、最新の世論調査でトランプ米大統領の支持率が39%だったと報じた。トランプ政権は4月29日に発足から100日を迎えるが、同時期の評価としては1933~45年に大統領を務めたフランクリン・ルーズベルトの3期目以降、歴代で最も低いと同紙は分析している。就任直後の今年2月時点のトランプ氏の支持率は45%で、6ポイント下落した。

アメリカでは大統領の就任100日までは「ハネムーン期間」とされて、通常だと国民やメディアは寛容な態度で批判を慎む時期だと言われているが、歴代最低の39%の支持率になった。

(寺島アナ)「田中さん、この辺りはどうご覧になっていますか?」

(田中氏)「我々は日本にいるから日本国民目線にはなるんですけど、やはり世界経済にかなりの打撃を与えたことは明白ですよね。ただ支持率調査もよく見ないといけないですよね。コアな民主党支持者は批判を強めていて、状況によって民主党も共和党も支持する中間層の人たちも、今回のトランプ関税や外交の姿勢を見て批判に転じているのは確かです。ただコアな共和党支持層は逆に支持を固めている状況です。むしろ一部の調査によると上がっているのも見ますし、トランプ関税の評価についても支持層によって分かれているんです。コアな共和党支持層は関税政策に賛成している調査も出ています。これは第一次トランプ政権のときと同じパターンですよね?」

田中氏は第一次トランプ政権のときの支持率を振り返る。

(田中氏)「第一次トランプ政権は主に中国に対して関税を引き上げましたよね。いわゆるトランプ氏の評伝であるような農村地帯に対して中国は報復関税しましたから、打撃を与えていて経済的な損失があるにも関わらず、むしろその地域の方が支持率を高めたという経済学者の調査もあるくらいなんですよ。僕なんかの目線で言えば“関税政策は日本に負担を与えて、国民生活にとって良いことは一個もない”と思うんですが、それに対してトランプ政権側は“自分の政策を支持してくれる人がこんなにいる!”と思っていても不思議ではないと思います」

ある調査によると、関税政策の不支持が64%という数字もある。こうした中、トランプ大統領は自身のSNSに「関税が導入されると、多くの人の所得税が大幅に減税され、場合によっては完全に廃止される可能性がある」と投稿。

関税収入を活用し、年収20万ドル(日本円で約2900万円未満)の層に対する所得税を引き下げる考えを示唆した。

(寺島アナ)「高関税政策が景気の悪化をまねくことへの懸念を払拭しようと躍起になっているとも取られますが、この実現性というところですね」

(田中氏)「関税収入があってそれを所得減税に使うというのは、これも1930年くらいに似たような関税政策をやった政治家たちが言っていたんですが、それで実現される関税収入を過大評価していますね。まず気づいて欲しいんですが、関税を課せられる側の経済は悪化するんですよ。日本もそうですし世界各国が。経済が悪化したら海外から物を買う量が減りますよね? あるいは“経済が縮小すれば海外に物を売れないんじゃないか?”と思いますよね?そっちの考えが先に来てしまって関税収入は予想よりも増えないんですよ。“関税収入を使って減税や色んなことをする”と1930年代のアメリカの政治家たちも同じようなことを言っていましたが全く失敗しました。つまり自分の想定のように世界経済は動くわけがないんです。色んな人達が色んな思惑で動いていますからね。」

田中氏は世界経済の状況から、トランプ政権への不信感が高まっていると指摘。

(田中氏)「今回のトランプ政権のように世界中に関税を課すことは巨大で複雑な不確実性をもたらすことですよ。自分たちの都合が良いように“関税だけが増えて、それを国民にまわせば自分たちの支持率が上がって美味い!”ってのはあり得ないわけです。一説には“米国債券の利子率が急上昇したことに非常に警戒を持った”と言っていますよね。でも持たざるを得ませんよね?安全な資産にみんな振り替えるわけですから。そういったこともコントロールできないのに何を言っているのかな?と思いますよね」

田中氏はトランプ支持層の視野の狭さを指摘。

(田中氏)「さらに言えば“3カ月だけ関税を棚上げする”というのも初めから言っているわけじゃないですよね?市場の反応を見て、言ってみれば目先の判断しかできていない。というのが僕だけじゃなくて経済を真剣に考えている多くの人たちの判断です。よほどトランプびいきじゃなければね?先ほど“共和党支持者の人たちが……”と言いましたが、なぜか日本にもコアなトランプ支持層がいて、その人たちは“トランプさんは世界を変えてくれる”と思っているんです。変えてくれるかもしれないけど、少なからず今の現実を見てみれば、日本経済にとって良いことは一つもないですよね?」

(寺島アナ)「良い方向に変えてくださらないとね?」

(田中氏)「他所の国の大統領で、アメリカの利益は考えるかもしれないけど、日本国民の利益なんて考えるわけねーだろ!って常識なことが通用しない人が、日本人とは言いませんよ?日本語利用者に多い。これはSNS上のことなんで、本当に日本人かどうか分からないので。宣伝工作している人は中国だけじゃなくてアメリカにもいるでしょうから。しかも中国の方が“トランプ支持者はカルト”ということを広めたくて日本語を利用しているかもしれないし。今のSNSで匿名の利用者なんか信用できませんよ」

〈出典〉
トランプ氏支持率が歴代最低39%、就任100日を前に 米紙ワシントン・ポスト世論調査 | 産経新聞

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 3週間分の臭い&汚れがスッキリ。「キッチンハイター」を使った排水口のお掃除方法

    4yuuu
  2. つまようじで3ヶ所つき刺すだけで?→「一瞬で開けやすくなる!」「こぼれにくくなる!」

    saita
  3. 江戸時代に「会いに行けるアイドル」がいた!美人番付No.1 茶屋娘・笠森お仙とは

    草の実堂
  4. “あ、あ、あ”づくしなショップ ― 「デザインあ展 neo」(グッズ)

    アイエム[インターネットミュージアム]
  5. 大人女子がすると若作りに。避けたいNGショート5選〜2025年晩春〜

    4yuuu
  6. 【夫婦】知っておきたい家庭内別居のデメリット!経験者たちに聞いた #2「逆に気を使うことが増えたワケ」

    ウレぴあ総研
  7. 【ボルクバレット北九州】2025シーズン新体制発表会を開催 「勝てるボルク」へ新たな決意

    キタキュースタイル
  8. 大型連休のワクワクごちそう「スパイスでつくる家族カレー」

    みんなのきょうの料理
  9. 20代の仕事観...昇給の有無は「転職を考えるきっかけになる」88.5% 学情調査

    J-CAST会社ウォッチ
  10. <プリンスリーグ東海>ジュビロ磐田U-18、清水エスパルスユースが開幕4連勝!東海大翔洋が連勝で6位浮上

    アットエス