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【今月の『黄泉のツガイ』の話題は?】「俺たちの未来をつかまえに行くんだ」ユルとアサの逃避行……その行き先は?<第51話>

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

月刊「少年ガンガン」で大好評連載中の幻怪ファンタジー『黄泉のツガイ』。『鋼の錬金術師』や『銀の匙』などで知られる荒川弘先生の最新作で、シリーズ累計500万部を突破。この4月からアニメの放送も決定している注目の作品です。

日本を舞台にしたバトルファンタジー漫画である本作。“夜と昼を別つ双子”の兄・ユルと妹・アサを中心に、妖怪のような、幽霊のような、“ツガイ”と呼ばれる「ふたつでひとつの対なる存在」を使役するツガイ使いたちの戦いが描かれます。

3月12日(木)発売の「少年ガンガン4月号」に掲載された最新第51話「家出と逃亡」では、それぞれの家から姿を消したユルとアサの動向が明らかに。心配する仲間たちから逃げ、彼らが向かった先とは……?

※本稿にはネタバレ要素が含まれます。

「俺たちの未来をつかまえに行くんだ」逃避行でも変わらないユルの“攻め”

合流したユルとアサは、東京から新幹線とフェリーを乗り継いで沖縄へ。2人の逃避行をアシストするのは宇宙人ツガイの2人とその主のパグ、そしてもちろんユルのツガイである左右様もいっしょです。

双子の目的は当然、安否不明の両親。イワンの持つ刀のツガイ・大凶の「あなたたち双子の両親は沖縄にいる」という証言を頼りに現地へ向かっているのです。空路を選ばなかったのは、両親が沖縄行きの飛行機の中で消えたと聞いていたからでしょう。

アサは今頃必死で自分たちのことを探しているであろう影森家の仲間たちへの想いを吐露。「大切にしてくれた人たちを巻き込んじゃった」と仲間たちを大切に想うがゆえに「もうあそこには戻れない」と離れる決意を口にしました。

ユルも自分を心配しているであろう田寺やハナに思いを馳せ、相対する組織でそれぞれ大切にされていることを実感する兄妹。

実際に影森家も田寺たちも必死に2人を捜索しており、そこには“夜と昼を別つ双子”である彼らの力を利用しようという利己的な思惑ではなく、ひとりの少年・少女として心配する愛情が感じられます。

一方の双子、とりわけアサは自分を大切にしてくれる影森家の皆への愛があるからこそ、別離の道を選択しており、互いに相手を思い遣るがゆえのすれ違いが切ないです……。

大好きな人たちを巻き込んでしまった責任と、本当は居たかった場所から逃げていることに悲しさを滲ませるアサ。影森の追手から「逃げきれるかな~」と力ない笑顔で零す妹に対し、ユルは「逃げじゃねーよ」ときっぱり否定。

「俺たちの未来をつかまえに行くんだ」とあくまで能動的な行動であることを強調します。ガチハンターメンタルのユルらしい強気な“攻め”の姿勢がとても印象的で、気落ちするアサをきっと勇気づけたことだと思います。

しかしながら両親の生死は未だわからないまま。沖縄で待つ彼らの未来とは果たして……。

さらに明かされた「解」の能力

本話ではアサの持つ「解」の能力がさらに明かされることになりました。これまで判明していた“できること”は、結界を破る、主とツガイの主従関係を解く、矢や建物といった物を壊す……そして、同じ要領で人体を壊す・殺すこと。

今回新しく判明したのは、ツガイが受けた主からの命令を解くこと、さらに、詳細は明かされていないものの人を放心状態にすることもできるということ。「解く」能力を応用することで多種多様なことが可能になるようなので、彼女ができることはもっと増えることになるでしょう。

今までのできることを総合して考えると、人体や物体など何かしらの物質が結合している状態を「解く」、主従関係や命令といった二者の間で結ばれたものを「解く」、張られた結界
を「解く」と考えられ、何らかの力が作用して作られているものを解消することができると推察されます。

私の頭では他の応用例が浮かんでこないのですが、今後も「こんなことができるの!?」という応用技が出てくるのが楽しみになりました。

 

刺激的な日本縦断旅──ユルと左右様の反応がかわいい!

全体を通してシリアスかつしんみりしたストーリーだった本話ですが、そんな中でもギャグ要素が散りばめてあるのが荒川先生作品の魅力。

東京駅から様々な乗り物を乗り継いで目的地へ向かったユル達。ユルと左右様は東京駅も新幹線も駅弁もフェリーも何もかもが初めて。

終始驚きっぱなしのユルと大はしゃぎの左右様がかわいくて仕方ありません。いつも強気なユルが陸地の見えないフェリーを怖がる様子もとても新鮮でしたね。

個人的には、ペット室に連れてこられた一般乗客のペットが、主であるパグの隣に座る宇宙人ツガイの片割れに怯える姿がかわいくて笑ってしまいました。とっても怖い思いをしているでしょうから、飼い主さんは早く迎えに来てあげてほしいものです……。

そうしたなか、私が「さすが荒川先生……!」と感じたのは、ホッと一息つけるギャグからシリアスな本題に戻る際の流れ。ユルやアサが面白おかしく歓談していたところから、両親とともに東村を出た後のアサの話にごく自然に移行しているのです。

ギャグパートの楽しさの余韻が残ったまま「東村の追手から両親とともに日本中を逃げ回っていた」という重々しい話を違和感なく受け入れることができる構成に脱帽しました。

アサと両親がどのようにして日本中を逃げ回り、影森家に保護されることになったのか、そもそも東村に迷い込んだ母が下界への抜け道を聞き出すきっかけになったのは何なのか。アサが話す両親との壮絶な思い出からは、彼らが娘を守ろうと必死だったことがうかがえました。

そうあらねばならなかったのでしょうが、強く逞しく子ども想いな人柄も垣間見える父・ミネと母・ナギサ。今はただ2人の無事を願うばかりです。
 

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