丑・寅年生まれの守り本尊
足利時代の建立とされ、三郷市文化財にも指定されている彦倉虚空蔵尊。
12年に1度、本来なら昨年の丑年に行われる本尊虚空蔵菩薩(秘仏)御開帳がコロナ禍で1年延期され、2022年の今年4月に実施予定。
500年を超える院史でも初となる「寅年の御開帳」は注目です。
信仰に熱心な寅年の人たちも注目
彦倉虚空蔵尊は、丑・寅年生まれの人の守り本尊です。
28代目住職の石井秀誉(しゅうよ)さんは「寅年生まれの方は信仰に熱心な方が多いようで、はるばる遠方からも多数ご参拝いただいています」と語ります。
決してずれることのなかった御開帳が1年延期されて寅年の今年行われることは、寅年生まれの人にとっても歴史的な機会です。
「例年通りの規模では難しいかもしれませんが、どんな形式でも今年は予定通り行います」とのこと。
木造280年の虚空蔵堂、そこに祭られる秘仏・虚空蔵菩薩の前での護摩祈願は「身が引き締まる思い」と、石井さんはあらためて意気込みを語りました。
水神の使いを祭る「うなぎ供養のお寺」
三郷市で語り継がれている郷土の民話は8話あります。
その中の3つの民話は、彦倉虚空蔵尊に由来しています。
『さくぞうとうなぎ』という話の中では、ウナギは虚空蔵様の使いであると語られ、決して食べてはいけないとされます。
石井さんも生来一度もウナギを食べたことがないといいます。
ウナギに似たアナゴ、ナマズ、ハモ、ドジョウも食べない徹底ぶりです。
境内には「無限の力を持つ」虚空蔵菩薩と、大日如来(宇宙)に守られた「うなぎの供養塔」も祭られており、うなぎ屋や料亭の店主、うなぎを愛好する美食家、一切口にしない人も手を合わせて行くといいます。
気軽に参拝し、御利益にあずかってほしいという思いから、どちらの方角からも境内に入れる造りになっているのも特徴です。
御開帳は4月10日〜4月13日
院史上初となる寅年の御開帳は2022年4月10日(日)〜13日(水)の予定。
例年は1000人以上が集まりますが、今回は規模を縮小しつつ、大護摩会、お稚児練り行列、縁日、露店、植木商などの名物行事も開催を予定しているとのこと。
詳細は彦倉虚空蔵尊のホームページで確認を。(取材・執筆/七尾びび)
彦倉虚空蔵尊 延命院 住所/埼玉県三郷市彦倉1-83-1 電話番号/ 048-952-7381 HP/https://unagino-otera.jp/