創意工夫が光る鮨に感動 神戸・トアロード『鮨 と、志』の週末限定ランチコースを体験 神戸市
洋食から中華、和食、焼肉・ステーキ、最新のトレンドグルメまで、さまざまな美食が集まる街・神戸。もちろん「鮨」も例外ではなく、老舗、有名店、気鋭の新店が並び立ち、鎬を削っています。
今回訪れた『鮨 と、志(すしとし)』(神戸市中央区)は、その道20余年の店主が握る鮨のコースが評判のお店。
江戸前の流れをくむ「赤酢」のシャリを使った鮨の魅力を味わいに、土日祝限定のランチコースを取材してきました。
場所は、中山手通り3丁目の東側。トアロードに面したトア山手プラザの1階で、JR元町駅からは徒歩約8分、JR三ノ宮駅からは徒歩約12分です。
店内に入ると、L字型の立派なカウンターテーブルが目を引きます。
奈良県の吉野まで足を運び選んだ杉の木の一枚板を組み合わせた特注品で、「鮨屋の醍醐味である、カウンターでの食事や会話を愉しんでほしい」という思いから、あえてテーブル席や個室を用意しなかったそうです。
そんな小林さんは生まれも育ちも生粋の神戸っ子。22歳で鮨の世界に飛び込み、関西を中心に複数のお店で約20年経験を積んだ後、2021年に独立して同店をオープン。「神戸に骨をうずめる気持ちで頑張っていきたい」と話します。
今回お願いしたのは、鮨12貫に、先付け、蒸し物、デザート、赤だしがセットになったランチ限定の「星凛コース」。
先付け・蒸し物は、その時々の“美味しいもの”を臨機応変に取り入れるそうで、毎月内容が変わります。
取材時の先付けは「焼きハモと焼きナスの冷製茶碗蒸し」。上品な見た目と味わいに、鮨への期待がいっそう高まりました。
蒸し物は「レンコン餅の煮物」。丁寧な仕込みと調理が伺える、繊細な味に心がほぐれます。
さて、いよいよ「鮨」を握っていただきます。
魚の持ち味を活かすために、塩や醤油で味付けした状態で提供されるので、そのまま口へと運びましょう。
ここからは記者が特に感動したネタをピックアップして紹介。まずは「金目鯛」の握りです。
しっとりとした身質が心地よく、噛むと上品な甘さが感じられました。
こちらは「生穴子」の握り。穴子を生でいただくのは初めてで、コリコリとした弾力のある食感にびっくり。穴子の新しい魅力に触れることができました。
魚介類の知らなかった食べ方・美味しさに出会えるのも鮨屋を訪れる“醍醐味”なのだと、しみじみ感じます。
お次は「鮪」の漬けの握り。ねっとりとした舌触りと、赤身特有の濃厚な旨みが心地よく、追加注文する人が多いのも納得。
個人的に最も衝撃的だった「鯵」の握り。叩いてペースト状にした細ネギに“オリーブオイル”と塩で味付けした特製の薬味が乗っていて、鯵の美味さを引きたてます。
バジルのように風味豊かで、西洋的なエッセンスを感じる鮨に感動しました。
提供時に思わず二度見してしまった「雲丹」。焼いたシイタケの上に新鮮な雲丹がこぼれんばかり乗っています。
組み合わせの珍しさに驚きましたが、シイタケの旨みと雲丹の香りの相乗効果が生み出す独特の味わいに、喜びの吐息がもれました。
ビジュアルの美しさに惚れ惚れした「車海老」の握り。
身の半分だけ湯引きすることで食感に変化を出し、ネタとシャリの間に頭と味噌を焼いて叩いたものを詰めるなど、手間暇かかった逸品で、海老の香ばしさと甘みが一度に味わえます。
8月頃からシーズンを迎えた「新いくら」。一見、鮨には見えませんが、イクラの下には“黄金色”のシャリの姿が。
黄金色の正体は特製の“黄身醤油”で、とろりとコーティングされた赤酢のシャリと新いくらをスプーンで混ぜ合わせていただくと、三位一体の美味しさが口の中で弾けて、至福の時間が到来します。
最後にすっきりとした甘さで口の中を整えてくれる「ほうじ茶のソルベ」をいただくと、心地よい満腹感だけが余韻として残りました。
ディナー営業では、お造り2種、焼き物、酒あて、季節のお料理、酢の物、鮨12貫、蒸し物、赤だしがセットになった「おまかせコース」を提供しています。
お造りはもちろん、焼き物、酒あて、酢の物のどれもが逸品ぞろい。これだけ豪勢な内容なら、やはり“お酒”もいただきたくなるのが人情というもの。
同店では日本酒とワインを中心に、アルコールも豊富なラインナップを用意。食事に合わせてぴったりの銘柄をオススメしてくれるので、美酒と美食のマリアージュも愉しめます。
場所
鮨 と、志
(神戸市中央区中山手通3-2-2 トア山手プラザ ウィング棟 116)
営業時間
ランチ(土日祝のみ)
12:00~14:00
ディナー
18:00~23:00
定休日
不定休
駐車場
なし
備考
※メニューは仕入状況等により変更となる場合があります