市川町の『Bee Bakery』噛むほどに幸せ!看護師さんが焼く優しいパン 市川町
市川町・甘地駅から徒歩約10分。『Bee Bakery(ビーベーカリー)』で出会ったパンは、軽さではなく“手応え”で語りかけてくるタイプでした。
ハードパンではありませんが、噛むほどに米粉と小麦の味がじんわりと広がり、胃の中に「ちゃんと食べた」という満足感を残してくれます。市販のパンの多くが「ふわっと軽い」を売りにする今、ひと口かじった瞬間に「密度……!」と心の中でつぶやいてしまうパンに出会うと、その記憶は意外なほど長く残るものです。
このパンを焼いているのは、現役の看護師・楠田さん。もともとは忙しい日々の中で、仕事がお休みの日に息抜きとして、大好きなパン作りを楽しまれていたそうです。
そんな折、入院中の患者さんが食事を心待ちにしている姿を見て、「食は人を元気にする」とあらためて感じたことが、今のお店につながっています。看護師として働く中で培われた「体へのまなざし」は、そのままBee Bakeryの素材選びにも、さりげなく表れているように感じました。
自分が作ったパンが誰かの食卓に並んだ時、こんなふうに一日が楽しくなる人が増えたらいいな——。そこから真剣にパン作りについて学ぶと決めた楠田さんは、休日を使ってパン屋でアルバイトをしたり、クッキングスタジオに通って資格を取得したりと、一歩ずつ前に進んでこられたとのこと。
Bee Bakeryの看板メニューは塩パン。生地には四葉バターが練り込まれ、表面には岩塩がのせられています。米粉のほんのりとした甘さと程よい塩味が絶妙に重なり、素材の味がしっかりと感じられる一品です。
定番のメロンパンは、サクッとしたクッキー生地と、しっとりとした中身のバランスが心地よく、思わずもう一口と、手が伸びてしまいます。
そして、筆者が強く印象に残ったのが「塩昆布チーズ」。正直、食べなれない組み合わせに少し身構えていましたが、一口で前言撤回です(笑)。塩昆布の旨味とチーズのコクが互いを引き立て合い、それぞれの魅力が自然に溶け合っているんです!お惣菜パン好きの方には、ぜひ試してほしい一品。
季節限定の雪だるまパンは、頭と胴体で異なる2種類の手作り豆乳クリーム入り。もちっとした生地とともに広がるやさしい甘みは、豆乳ベースならではの軽やかさがあり、大人も子どもも満足できる味わいです。冬だけの出会いなので、見つけたら迷わず手に取るのがおすすめ。
こうして、隣町である福崎町の旬彩蔵や地元イベントなどで、少しずつ自分が作ったパンの販売を始めた楠田さん。
最近では購入したお客さんから「胸やけせずに食べられるのが嬉しい!」といった声をもらったり、塩パンのリピーターも増え、「今日はもうないの?」と声をかけてくれる常連さんができたり。そういった言葉が忙しい日々の原動力になっていると教えてくれました。
ミツバチが花粉を運び、花を咲かせるお手伝いをするように、誰かの「食」を彩る小さな幸せを届けたい——そんな思いが、『Bee Bakery』という店名には込められています。
噛むほどに、やさしさが広がるパン。『Bee Bakery』のパンは、きっと日々の暮らしを、ぎゅっとした確かな密度でもって、穏やかに彩ってくれるはずです。
場所
Bee Bakery
(神崎郡市川町近平376-3)
営業時間
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定休日
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駐車場
あり