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EXILE・橘ケンチ&GENERATIONS・中務裕太が日本酒擬人化漫画『あらばしり』を通して伝えたいこと「さまざまな才能と出会える」

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EXILE・橘ケンチ&GENERATIONS・中務裕太 撮影=森好弘

EXILE、EXILE THE SECONDの橘ケンチが企画原案をつとめた漫画『あらばしり』(講談社)の単行本が8月6日(金)に発売される。同作は、必要としている人にしか見つけられない日本酒店を舞台に、個性的なスタッフと客のやりとりを描いている。ポイントは、そこで働くスタッフたちが日本酒を擬人化しているところ。さまざまな日本酒の特徴が、キャラクターの性格がルックスのモデルになっているのだ。橘は大の日本酒好きで知られ、近年は酒蔵とのコラボ商品を造るなど日本酒を通して日本文化の良さと向き合っている。自身のYouTubeチャンネル『EXILE橘ケンチのSAKE JAPAN』でも蔵元めぐりをおこないながら、その奥深さを発信。そこで今回は、同チャンネルにも出演し、『あらばしり』付属のスペシャルフォトブック『KENCHI TACHIBANA×YUTA NAKATSUKA』も登場しているGENERATIONS from EXILE TRIBEの中務裕太もまじえ、「日本酒の魅力」の魅力について橘に話を訊いた。

EXILE・橘ケンチ

――橘さん、中務さんは日本酒の仕事に本格的に取り組む前、どういうところに「日本文化の良さ」を感じていらっしゃいましたか。

橘:日本人は手先が器用で、それが繊細な作品づくりに繋がっていますよね。エンタメの世界では、そういった正確さ、緻密さはライブの作り方に生かされています。以前、EXILEで中国の北京で公演をした時に、リハーサルから本番までタイムスケジュールはあるけど、全くその通りには進まないし、リハーサルで歌っているすぐ横でドリルの音がすることもあったり(笑)。現地のみなさんは良くも悪くも大らかなんです。そういった意味では「すべてがきちんと正確に、計画通りに進んでいく日本のライブ制作のクオリティは素晴らしいものなんだ」と実感できます。

中務:そうですよね、僕もその細かさは世界トップレベルだと思います。今はSNSがあるからそういった部分が世界にも発信できるようにもなっていますし。

――橘さんはご自身のYouTubeチャンネルで日本酒の蔵元めぐりをしていらっしゃいますが、新しい発見も多いのではないですか。

橘:蔵元ごとに造り方、考え、フィロソフィーは違いますが、みなさんに一貫しているのはチームワーク。お米がとれて、それを削って、洗って、蒸して、そのあと仕込む工程があって。蔵によるけど工程ごとに担当者がいらっしゃって、それぞれ自分が携わる工程で100パーセントの仕事ができるように向き合われていますね。100パーセントで受け取ったバトンを、80パーセントで次に渡すわけにはいかないわけですよ。各工程の蔵人が次の工程を意識して、目の前のことに邁進する。そういう仕事への取り組み方に感銘を受けましたし、EXILEもチーム全体のことを考えて仕事に向き合っているので、刺激をもらいました。自分がどんなことでチームに貢献できていて、どんな役割なのかを考えるようになりました。

中務:職人さんたちの仕事の様子は本当にすごいです。お米の研ぎ方ひとつにも命をかけていらっしゃる。そういう部分で自分たちのアーティスト業にも通じる部分を感じます。ケンチさんの番組を通じてそういう光景を目の当たりにしているので、日本酒を飲むときもじっくり味わうようになりました。職人さんの話を聞くと、より美味しく感じるんです。

GENERATIONS・中務裕太

――橘さんのYouTube番組はひたすら酒を飲んで、食事をするところがおもしろいですよね。お酒がテーマの番組は酒を飲みながらゲスト出演者とじっくり語らうみたいなものが多いけど、そういう要素がほとんどない。うまい酒とメシの前ではムダ口を叩かない、みたいな。

橘:ハハハ(笑)、確かに! 一緒にロケをまわっている番組ディレクターも日本酒が大好きなんですけど、ゲスト出演者のキャラクター性を掘り下げて表現しようとはそれほど思っていなくて。「この酒はどんな食事が合うのか」という方向性が中心ですね。掘り下げるとしたら、酒の銘柄とそれを造っている人の歴史です。

中務:あのディレクターさん、最高ですよね。ロケの途中からカメラを三脚にセットして、あとは僕らと一緒に飲みはじめるんですよ。だからこちらも、仕事ではあるけど気楽に酒が飲めます。

橘:というかいろいろ撮り終わったあとから、本番が始まるよね。カメラがまわっていないところで、ものすごい量を飲んでいます。そういう僕たちの体験が伝われば良いなと。

――日本酒関連の活動をされていくなかで、今回の漫画『あらばしり』が誕生しました。そもそもなぜ「漫画」というコンテンツを選んだのでしょうか。

橘:どういう形で日本酒をもっと盛り上げられるのか考えるなかで、漫画『夏子の酒』(講談社)が思い浮かびました。日本酒を伝えるコンテンツとしては『夏子の酒』の印象がすごく強くて。ストーリー展開は違うけど、日本酒にまつわる状況も分かる「現代版『夏子の酒』」みたいなものを作りたかったんです。

EXILE・橘ケンチ&GENERATIONS・中務裕太

――『あらばしり』には日本酒の銘柄の特徴を擬人化したキャラクターが登場しますね。ちなみに橘さん、中務さんは自分を日本酒に例えるとどんな銘柄になりますか。

中務:自分は、自由でマイペースな性格で、あといろんなことを同時にできなくて一点集中型なので、なんだろう……?

橘:裕太は我が道を行くタイプだよね。「田中六五(たなかろくじゅうご)」じゃないかな。蔵元の白糸酒造さんは、その銘柄一本で勝負しているし。あと味わいに自由さを感じる。

中務:ケンチさんはどんな銘柄ですかね。

橘:僕は努力をするのが好き。だから、奈良の「風の森」かな。造っていらっしゃる方もすごく研究熱心で、昔の文献も読みながら新しい挑戦もしているんですよ。農家さんとも一緒に酒造りに取り組んでいて、好奇心旺盛なところが自分と似ているかもしれません。

――橘さんは近年、酒関連でメディアにも多数登場していますが、ご自身のなかで「日本酒を盛り上げていきたい」という使命感に駆られる部分はありますか。

橘:新型コロナの影響もあって現在は酒類提供が制限もされていますし、そういった大変な状況のなか、「自分にできることは何だろう」と考えるようになりました。ただ厳しいなかであっても売り上げが伸びている酒蔵さんもあるんです。地域に根付いていて、その場所のお客さんをつかんでいて、それだけではなく自分たちでお酒を売っていく力も身につけていらっしゃる。そういうところは僕らも見習うべきものがあります。

EXILE・橘ケンチ

――新型コロナでネット通販に力を入れているところも多くなりましたよね。

橘:お酒を造って、「あとは誰かが売ってくれる」という考え方ではなく、造ってから売り出すまで、すべて自分たちでやるくらいじゃないと今は厳しいのかも知れません。それは日本酒に限らず、すべての仕事に言えることですよね。日本酒の海外輸出量も年々増えていますし、インバウンドの状況もこれから回復傾向になれば、海外需要も期待が持てるところではあります。

中務:日本酒の良さを海外の人に知ってもらうためには、僕たちが日本文化をもっと知っておくべきだであるとも考えています。日本酒は、古き良き日本文化ですから。

――LDHは組織全体として「日本文化を深く知り、広げていこう」という取り組みに力をいれていますよね。2020年3月には、EXILEのUSAさんが「日本遺産大使」にも任命されました。

橘:東日本大震災直後、EXILEで「日本を元気に」というテーマを掲げ、復興支援チャリティソングの「Rising Sun」を作りましたし、「日本のみんなと「Rising Sun」を踊ろう」というプロジェクトも実施しました。スローガンとして大きすぎたかもしれませんが、それをもとに自分たちも成長していくイメージでこの10年をやってきました。

GENERATIONS・中務裕太

――「Rising Sun」の意思は今、新型コロナの状況下にも引き継がれましたね。

橘:「日本を元気に」というテーマをもう一度掲げ、エンタテインメントの力で日本を勇気付けていきたい気持ちが僕らのなかでも高まっていきました。それはこの日本酒のプロジェクトも同様で、僕や裕太が各地域へ行ってそこで暮らす人たちと交流し、日本酒を通してその土地の魅力を紹介し、僕たちのフィルターを通して日本の良さを発見していく。エンタメとはまた違った軸で日本を元気にしていきたいですね。長いスパンでそういったことにトライしていこうと思っています。

――あらためて、日本酒にはどんな力があると感じていらっしゃいますか。

中務:日本酒はケンチさんと仲良くならせていただいたキッカケでもありますし、そこから酒蔵のみなさんなど、僕が普段触れてこなかった方々とも接点を持てるようになりました。日本酒があるからたくさんの人と出会い、そして話ができるようになったので、コミュニケーションを取る一つのツールになるのだなと思っています。

橘:アルコールは嗜好品だし、そういう意味では酒は絶対的に必要ではないものなのかもしれません。ただ、だからこそ好きな人は、深いところまで好きなんだと思います。僕は、日本酒好きとは2秒で仲良くなれます。裕太や砂田将宏(BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE)もそうだけど、好きなものが共通していると、仲も一気に縮まる。だから裕太とは特別な感覚でいつも接しています。仕事でいろんな現場へ行きますけど、スタッフさんにもひとりは必ず日本酒好きがいて、そういう人と仲良くなり、仕事に結びつく。これは蔵元めぐりをしていても実感しますが、日本酒は地域のハブみたいなところもあり、日本酒が美味しい飲食店には地域の肉、野菜、魚、そして器など特産物もあつまっていて、さまざまな才能と引き合わせてくれる。日本酒には学びがあり、人の縁を無限に繋いでくれる力があります。

EXILE・橘ケンチ&GENERATIONS・中務裕太

取材・文=田辺ユウキ 撮影=森好弘

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