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6月から始まる定額減税、対象者は?どこを見たら減額分が分かる?

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物価高対策として定額減税を実施するという法案が、2024年3月28日に参議院で可決・成立しました。この法案の可決を受け、6月から一人あたり4万円の定額減税が行われます。本当に減税されているのか、そして自分はいくら減税されているのか気になる方もいらっしゃると思います。今回は定額減税の確認の仕方やよくある疑問点について解説します。

定額減税の対象者や減税額

2024年6月1日以降に支給される給与と賞与に対して、所得税と住民税の定額減税が行われます。

1)所得税

毎月の給与から源泉徴収されている所得税を減税する「月次減税」と、年末調整時に行う「年調減税」の2つに分かれています。

■月次減税
6月1日現在に雇用されている人で、6月1日以降、最初に支給する給与を計算する際に、源泉徴収されている毎月の所得税から減税していきます。なお減税額は以下の通りです。

給与/賞与などの支給対象者本人:3万円
本人の同一生計配偶者(※)・扶養親族:一人につき3万円
(※)同一生計配偶者⇒給与収入が103万円以下の配偶者

仮に6月に源泉徴収される所得税額が1万円であれば、定額減税額の3万円から1万円分の減税が実施され、6月分の所得税は0円です。その上で減税額の3万円を消化するまで減税が継続します。

引用:国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」より一部抜粋

なお6月の給与で上限の3万円まで減税されると、定額減税は終了します。

引用:国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A」より一部抜粋

また今回の定額減税のポイントの一つが、扶養親族の取り扱い。通常、扶養控除の対象になる親族は16歳以上となっていますが、今回の定額減税では「0歳以上の中学校までの子ども」も減税人数の対象に含まれます。そのため、子育て世代の家庭では減税額が大きくなります。

■年調減税
6月1日以降に入社した人や、家族構成が変わった人を対象に行われます。なお年間所得が48万円(額面で103万円)以下の人は対象外です。

2)住民税

定額減税では住民税も減税対象です。

給与/賞与などの支給対象者本人:1万円
本人の同一生計配偶者・扶養親族:一人につき1万円

今回の減税措置では一人あたり、所得税3万円+住民税1万円の合計4万円が減税されます。

例えば年収500万円の本人と同一生計の配偶者、子どもが2人といった家庭では4万円×4人分で合計16万円の減税が行われます。

所得税の定額減税額を確認する方法 

【画像出典元】「stock.adobe.com/Rummy & Rummy」

今回の定額減税は6月支給の給与から反映されます。それではどこを確認すれば減税が反映されているのか解るのでしょうか?

まずは所得税の確認方法です。

1)給与明細

減税額を控除した証明として給与明細に控除額を記載しなければなりません。記載方法は「定額減税○○円」「定額減税額(所得税)XX円」等になり、もし明細に記載するスペースがなければ別紙で添えることも認められています。源泉徴収される所得税を減税しているので、5月までの給与明細と6月の給与明細を比較することをおすすめします。

2)源泉徴収票

1~12月の給与所得の金額や各種の控除額が記載されている書類が源泉徴収票です。2025年1月頃に2024年分の源泉徴収票が手元に届きますが、源泉徴収票にも定額減税についての記載が求められています。

今のところ、源泉徴収票の摘要欄に控除した金額と、もし控除しきれなかった金額があれば、その金額が記載される予定です。もし摘要欄に記載がなければ、勤務先に確認しましょう。

住民税の定額減税額を確認する方法

続いて住民税の確認方法です。

会社員の場合、住民税は前年の所得を元に6月分の給与から当年分の徴収が始まります。この徴収のスケジュールが2024年は変わります。

2024年は6月分の住民税を徴収せず、減税した金額を7月から11カ月で均等に割り振って徴収されます。

例えば、4人家族で年間の住民税が16万円だった場合、4人分の減税額4万円を差し引いた12万円を11カ月で支払います。

定額減税に関するよくある疑問

【画像出典元】「stock.adobe.com/Nuthawut」

Q:2023年末にふるさと納税を限度額まで行い、2024年の住民税の一部は前払いしている状態です。影響はありますか?

A:ふるさと納税を限度額まで行い2024年の住民税が減少していたとしても、定額減税分には影響は無く、対象の住民税からさらに減額されます。対象の住民税が既に減額されてゼロになっている場合は減額分が毎月支給されます。

Q:住宅ローン控除を受けています。影響は?

A:定額減税は住宅ローン控除後の金額から減免されます。もし住宅ローン減税によって控除しきれない金額が生じた場合、給付金を受け取れます。その結果、住宅ローン控除には影響はないとされています。

例)4人家族、所得税の減税額は3万円×4人=12万円。毎月の定額減税や住宅ローン控除などを適応し、年末調整後に減税枠が5万8200円残ったとすると、1万円未満を切り上げて6万円の給付金を受け取れる予定です。

まとめ

定額減税は岸田内閣が打ち出した物価高対策です。物価高対策という目的であれば、マイナンバーと連携した公金受取口座に給付金として入金すれば簡単だったのですが、「増税メガネ」と揶揄された岸田首相にとっては減税という成果が必要だったのだろうと筆者は考えています。

一人あたり4万円の定額減税は6月から開始されますが、従業員を抱えている企業や各自治体では大変な作業量が発生しそうです。また受け取る側も、減税がされているか給与明細をきちんと確認するようにしましょう。

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