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「石川」戦乱を生きた人々の地〈藤沢市〉

タウンニュース

市内中央に位置する石川は、南北を引地川に貫かれている。一般に「石川」と名付けられる土地は石や岩の多い川が由来する場合が多いが、同地の由来は定かではない。

同地は古代から中世にかけて高座郡渋谷荘に属したとされる。その時代の出身者として、12〜13世紀の浄土宗の僧、道遍がいる。「新纂浄土宗大辞典」によると、道遍は俗姓を石川氏という武士だったが、開祖である法然に入信。石川入道と称されたという説が記載されている。

同地名は、1559年に北条氏康の命で作成した「小田原衆所領役帳」でも確認できる。そこで同地は「四人衆」によって治められたとされる。また江戸時代に編纂された「新編相模国風土記稿」には「六人衆」とある。その6人は、西山土佐、内島和泉、佐川図書、田城加賀、市川越後、伊沢伊織とされ、永禄年間(1558〜70年)には2人が加わったとされる。また「藤沢市史4巻」には元々いた4氏族についても後北条氏支配期の「新来の武士」ではないかと分析されている。

そのうちの1人「伊沢伊織」と同じ姓を持ち、同地に住む伊澤孝次さん(55)は、「戦国時代よりも前からいた家に、武田家臣が縁組として入ってきたと昔から聞いている」と話す。武田信玄による相模侵攻は1569年とされ、4人に2人が加わったとされる永禄年間と重なる。「伊沢とは、武田領だった山梨県の石和温泉のことなのではないかと聞いたこともある」と伊澤さん。

6氏族と同じ姓は現在も多数在住する。六人衆によって勧進された佐波神社や、伊澤家によって江戸時代に建立された伊澤稲荷など、古くからの場所も多数残り、毎年の伝統行事も行われる。伊澤さんは、「戦国を生きた歴史に基づく地域のつながりは強い。これからも祭りや集まりを通じて石川を盛り上げていく」と意気込む。

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