市社協×NEC 自治会活動、アプリで支援 情報等を発信、加入促進へ
川崎市社会福祉協議会は、NECと協働して地域活性化応援アプリ「まちくるみ」の実証実験を中原区内の町内会自治会で行っている。同アプリは、町内会・自治会への加入促進、若年層の参画が目的で、地域情報や店舗のクーポンを発信。実証実験は今年9月末までを予定しており、参加自治会や情報、クーポンの発信を増やしていく意向を示す。将来的には全市でのアプリ活用を展開していきたい考えだ。
今回の実証実験は、市社協とNECが2023年7月にパートナーシップ協定を結び、町内会・自治会の支援について検討していたことがきっかけ。市内648の自治会・町内会に運営状況についてアンケート調査を実施。その中で、町内会・自治会への加入率の低下、役員の高齢化・負担増が課題として挙がった。そこで若年層の自治会・町内会に関心を持ってもらうと同時に、加入を促進するため、デジタル技術を活用して情報発信を行い、地域クーポンを使って地域振興ができないかと、アプリを使った実証実験が今年1月から中原区内でスタートした。
今回、使用されるアプリ「まちくるみ」は、自治体が提供する情報や行政サービスを提供するNECのアプリ「住民ポータルサービス」をもとに、川崎市の自治会・町内会向けに同社が開発したオリジナルのもの。ユーザーの所属する自治会の情報に加え、中原区役所や社協などの関係機関の情報を配信しており、5月からは区内商店街加盟店のクーポンを発行している。また、会員向けにアンケートを実施する機能も付いている。
現在、実証実験に参加しているのは、区内8自治会・町内会、5商店街で、アプリユーザー数は約200人(5月21日時点)。参加自治会・町内会には、アプリのダウンロードや登録方法をはじめとしたサポートを行っており、参加している自治会・町内会からは「アプリのサポートをしてくれるのがありがたい」「他の町内会の取り組みを知ることができる」などの声が上がっているという。
NECの担当者は、今後自治会等の支援のための機能拡充も検討しており、「参加自治会、情報発信してくれる団体、クーポンを発行してくれる店舗を増やしていくことで、若年層への効果を検証していきたい」と話している。社協の担当者は「アプリを周知し、これまで自治会などへの接点が少ない世代が自治会のことを知り、参加する機会になってほしい。検証結果次第で、ゆくゆくは全市に展開できれば」と期待を寄せる。