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現役高校生が語る昭和歌謡の魅力 左合桂三さん

TBSラジオ

左合桂三さん
2009年生まれ、東京都出身の現役高校生。テレビ朝日の番組『サンドイッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』をはじめ、昭和歌謡博士として活躍しています。


JK:ようこそ! 若手代表ですね。

出水:ジュンコさんと左合さんの出会いは大阪関西万博の会場で、『サンドイッチマンと芦田愛菜の博士ちゃん』の番組企画だったそうですね。

JK:私は『徹子の部屋』に出て、楽屋にこの方がいたんですよ。「あ、あの若い子だわ!」と思って。しっかりお話ができて、私より昔をよく知ってるから「今度教えてね」って。でもなぜ昭和の時代を好きになったんですか?

左合:今にない楽器っていうのがありますから、わりと惹かれるのかもしれないですね。楽器の音だったり、やっぱり文化的なもの・・・小説だってそうですよね。

JK:日本の文化の始まりみたいな、初々しい感じがあるわね。

左合:ちょっと垢抜けないけれども、そこが面白いみたいな感じ。そういうところが好きですね。

JK:やっぱり70年の万博あたりで、初めて世界を知るチャンスだったのよね。日本人もやっぱこれから! 世界にこれから! みたいな初々しいあたりをしっかり掴んでる。

左合:本当に好きなのが60年代の後半から70年代にかけて。その頃コシノさんだってトップ・オブ・ザ・トップじゃないですか! だからそのあたりは本当に好きですね。

JK:自慢じゃないけど、その当時のいいお友達はみんな出世してます。みんな一流になりました。万博っていう大きなきっかけがあって、そこで建築家とかいろんな人と知り合って。

出水:左合さんは万博を訪れたのは初めてですか? いかがでした?

左合:やっぱり面白かったですね。昭和の部分もちょっとあるんですよ。例えば鉄腕アトムがいたりしたじゃないですか。

JK:そうそう。

左合:やっぱり昭和を融合している部分がちょっとあるのかなと思いますけれど、コシノさんの衣装はやっぱり衝撃でしたね! でも何より、最初に僕がコシノさんの服で好きになったのが、前回の万博の黄色い服でしたっけ? あのエナメルのコートが素晴らしいなと思って。

JK:あの当時、70年代ってまだファッションが一般にはちょっと遠かったんだけど、あれをきっかけに、例えばマキシコートとかミニスカートとかパンタロンとかっていう言葉から一般大衆に行ったんですよ。だから万博って大きな意味があるわね。

左合:岡本太郎さんとか好きだった時期があったので、万博は自分の中で結構大きかったんですよね。なのでお会いできて光栄だったんです。

出水:番組の中では昭和歌謡の博士ちゃんとして活躍してまして、家の中にはレコードをたくさんお持ちなんですよね。

左合:昭和歌謡に限らずジャズ、ポップスいろいろあるんですけど、1500枚くらいあります。

JK:ほんと?! 古いレコーダーさんに入り浸りとか?

左合:入り浸りもそうだし、今はネットで買ったりもしますけど、やっぱりレコードが好きですね。ジャケ買いなんていうのもあります。とくに日本のデザイナーがデザインしたもの、それこそ金子國義さんだったりとか、横尾忠則さんのが多いですね。飾っちゃいます!

出水:そのデザインにインスパイアされて、学校でもいろいろデザインしてるんですよね。

左合:わりとポスターとかが好きなんで、中学校の時は運動会のポスターのデザインをやらせてもらったりしました。

JK:私、安井かずみさんと仲良かったでしょ。ご主人である加藤和彦さんのレコードジャケットを金子國義が描いたの。本当に近いお友だち同士でやってた感じ。いい時代でした。

左合:知ってます。ドノヴァンさん。お会いしたかったんですよ、金子さんにも。

出水:今は直接お話を聞けないような方にも思いを馳せていますが、どうやってそういった方々の情報を仕入れているんですか?

左合:やっぱり今はネットがありますから、それが一番強いと思います。でもその後に本。本もものすごい量あるんで、多分家の中に2000冊くらいブワーってあるんです。

JK:それってすごい貴重だけど、将来どうするんですか? 美術館?

左合:村上春樹図書館なんていうのがあるじゃないですか、どっかの大学に。そんな感じにできたらなって思ったりもするんですけど(^^)でも何がやりたいって言われたらまだ決まんないので、これから見つけられたらなと思うんですけど・・・。

出水:歌謡曲も、小説も、デザインなども掘り下げていらっしゃいますけど、今後さらにちょっと踏み入れてみたいジャンルは?

JK:言っちゃったモン勝ちよ!

左合:やっぱりファッションはやってみたいと思ってます。とくに三宅一生さんとか、コシノさんもそうだし、それこそ高田賢三さんもですし。ファッションは好きですね。だから掘り下げてみたいなと思ってます。

JK:みんないなくなっちゃったの・・・いる間に言えばよかった。

左合:あと3~4年早ければ!

JK:賢三さんとは兄弟みたいだった。やっぱり友達ってすごく重要。

左合:文化服装学院の写真、みんなで屋上で並んでらっしゃる写真があるじゃないですか。あの時のコシノさんの服もかっこいいなと思って。

出水:細部まで覚えてますね!

左合:調べたがりなんです(^^;)

【左合さんセレクトの昭和歌謡ベスト3】

左合:まず最初は笠井紀美子さんという方の「夏の初めのイメージ」。

出水:1977年の曲ですね。

左合:古さを感じさせない。最初のベースもいいですし、ゴスペルで鍛えてらっしゃる方なのでとにかく歌が上手い! あと歌詞がいい。文章が詩的というか、物語的なんですよ。フラフラっと流れていってしまうような女の人じゃないんですけれど、美しい歌詞だと思ってます。

出水:私もこの時代はまだ生まれてないんですけど、写真を拝見するとすごくエグゾチックな雰囲気のある歌手ですよね。

左合:カッコいいんです! 「夏の初めのイメージ」というタイトルがぴったりだと思っているので、ぜひ全部聴いて欲しいです。

JK:ちょうど今ですね!

左合:次は僕が一番好きな歌手なんですけど、吉田美奈子さんの「愛の炎」。

出水:この時代はイントロもかっこいい曲が多いですよね。

左合:78年ですから、ちょうどシティポップが入ってきた時期なんですよね。一番カッコよくなってくる時期。吉田美菜子はキャンティという料理店の川添象郎さんが発掘したというか、育てた方なんです。

JK:私そこに入り浸ってた(笑)

左合:細野晴臣さんとか山下達郎さんとかとも一緒にやってらっしゃったんですけど、R&Bとかから生まれた方なんですね。川添さんが「一番歌が上手い」と評価した方。この人は本当にいい!っていうのをぜひお伝えしたくて選びました。これはレコード屋で耳にしたのかな? 店内でかかってる音楽がたまたま流れてきて、「すいません、この曲何ですか?」ってメモってもらって、そこからずっと聴いてる感じですね。

JK:すごいマニアックね!

左合:好きな曲はずっと聴いちゃう派なので、パッと見つけるのが得意です(^^)

出水:最後にもう1曲!

左合:これはコシノさんのお友だち、大親友の安井かずみさんの曲。作詞家として活躍されてたんですけど、これは「わるいくせ」っていう1970年の曲なんです。今日アナログ版を持ってきたんですけど、カッコいいんですよ!

JK:これを持っていることの人いないし!本当にマニアック!!

左合:1970年に発売した「ZUZU」っていうアルバムの中の1曲なんですけれども、平成に入ってからシングルカットして限定発売されたものなんですよ。それをどうにかして手に入れて!

JK:私持ってない。初めて見た!

左合:ボサノバの世界観が本当にぴったりだと思うんですよ。なんだろう、気怠い感じ? でもその中にパッションがあるっていうか・・・安井かずみさんのイメージっていうのがものすごい現れてると思うんです。作曲は村井邦彦さん。

JK:邦ちゃん邦ちゃんって言って、みんな仲良かったのよ。

左合:これ歌ってる時の写真です・・・どこで撮ったんでしょうね? 多分屋外スタジオのライブだと思うんですけど。

JK:この人60年代にニューヨークにいたんですよ。その後パリ。フランス語も英語もできるし、とにかく頼りになる人だった。

左合:翻訳もやられてましたよね。

JK:最初は「雪が降る」っていうアダモのシャンソンの訳詞です。

左合:南一美名義でやってらっしゃったりもしましたね。「ドナドナ」とかは有名ですから知ってらっしゃる方もいると思いますけど・・・この頃は本当にカッコいいので、もし僕が女性だったら多分コシノのさんと安井さんをロールモデルにしてると思います!

JK:あらうれしい! 左合さん、自分の人生でマサカっていうのは?

左合:最近で言うと、本当にマサカって思ったのは宇野さん! イラストレーターの宇野亜喜良さんがすごく好きなんですけれど、コシノさんとこの間お会いした時に「宇野さんに会いたい」って言ったら、そこで電話1本かけてくださって・・・

JK:本当にすぐ来てくれたわね!

左合:びっくりしちゃって! それで僕は宇野さんが装本をやられた本をどっさり持ってきて・・・

JK:今は買えないような、古本屋でも出てこないようなものを持ってきて、宇野さんはそれに感動して。

左合:寺山修司さんの「フォアレディース」シリーズっていう本を5~6冊バン!って持ってきたんですよ。そしたら1つ1つサインを書いてくださって。「よくこんなの持ってたね」って笑ってくださった時は本当に嬉しくて、マサカ!って思いましたね。本当に嬉しかったです。

出水:思いが運命を切り開いていくっていう、まさに典型ですね。

JK:何年前の話かわかんないぐらい古くても関係なく、すごく新鮮にお話しされてるからすごいなと思って。年齢も環境も違うのに。普段は古本屋さんとかに完全に入り浸り?

左合:ああいうところにも時々行きますね。お金が貯まったら(笑)レコードは甲府に1ついいレコード屋があるんですよ。友達とあずさに乗って、何万円分も一気にあさって買って。

JK:すごい穴場ですね!

左合:知る人ぞ知るっていうところがあるんですよ。もう顔なじみなので、「〇〇ありますか」って取り置きしてもらって、後払いで買って・・・部屋中ブワ~ッとなってます。コシノさんのブティックへ伺うとどんどんいろんなお土産をくださるので、コシノさん一色になってる部分もあるんですけど(笑)

出水:ジュンコ・コレクションなわけですね。

左合:でもそれもマサカですよね、コシノさんにお会いできたっていうのも。

JK:また会いましょうね!

(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)

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