芸妓が常に持ち歩いているものは何でしょう?バッグの中身を見せちゃいます!|さっぽろ芸妓日記vol.5
札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします
私たち芸妓の必需品って?
今回は私たちのお仕事時の必需品をご紹介いたします。
花籠(はなかご)と東袋(あずまぶくろ)
こちらの写真、左は花籠(はなかご)で、右は東袋(あずまぶくろ)といいます。
花籠(はなかご)は、芸者衆がお座敷の時に持ち歩く、バッグのようなものです。
お色やお柄の種類も様々で、どれを使おうかいつもわくわくします。東袋は、ぬいだ羽織やショールをしまったり、サブバッグ代わりとして使っています。### 舞扇(まいおうぎ)
こちらは舞扇(まいおうぎ)と、お扇子入れです。
舞扇は、舞に使用する扇で、演目によって変えますが、定番のものは常に2,3本持ち歩いています。私たちの場合は天紅(てんべに)と黄色のお扇子の出番が多いです!
お扇子入れは、入門当時に、とあるお姐さんから贈っていただいたもの。同期で色違いなのでとてもお気に入りです!
お化粧ポーチ
お化粧ポーチには、パウダーやお紅など、お直し道具が入っています。人によって、お化粧の仕方や使っているメーカーも、ちょっとずつ違います。
手鏡とつげ櫛(ぐし)は、日本髪かつらを梳(と)くのに使います。かつらはそれぞれの頭の形に合わせて作っていただいた完全オーダーメイド。日頃のメンテナンスがとても大切なのです。
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上記で紹介した以外にも、千社札やハンカチ、替えの足袋など…。細かいアイテムをあげるとキリがありませんが、常に持ち歩いているアイテムはざっとこのような感じです。
いずれも最近は職人さんが少なく、北海道では手に入らないお品が多いので京都や東京からお取り寄せすることが多いです。
私たちが芸妓の姿をしていられるのも、和の世界に関わる沢山の職人さんのおかげ様をもちまして成り立っております。
これからもこの素敵な文化や伝統が少しでも長く続きますように、我々も活動して参ります!
Sapporo Geiko's mind in one-word English ~札幌芸妓の”こころ”を英語でひとこと~
We carry on many items like a fan makeup tools in ‘Hanakago’ which means geisha’s bag. These items we use are made by great craftspersons.I hope this tradition will continue in the future!
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連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)