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ニューヨーク・マンハッタンから北九州・折尾へ/嶋千香子さん(英語講師)

北九州ノコト

(アイキャッチ画像:嶋千香子さん)

八幡西区折尾にある「TG外語学院」で医師や研究者の英会話指導をメインに英会話・英語の講師として働く嶋千香子さんは、佐賀県出身。約13年半の海外生活を経て、2011年に北九州市へやって来ました。

今回は北九州市に移住するに至った経緯、嶋さんから見た北九州などについて話を聞きました。

アメリカ・ロシアの大学で学び、ニューヨークの旅行会社で7年間勤務

佐賀県出身の嶋さんにとって一つの大きなターニングポイントとなったのが『大学受験』。体調を崩してしまい、第一志望の大学を受験することができず、別の大学へ進学した嶋さん。「なんでここにいるんだろう。自分が行きたかったのはここではない」と半ば自暴自棄になり、大学3年間を無駄に過ごしてしまったと言います。

しかし、4年目になって出会ったアメリカ人教授に良い影響を受け、「もう一度やり直そう」と決意。受験時代にどこか心残りがあった嶋さんは、『人生最大の挫折』を『人生最大の決断』とすべく、そこから独学で学び、国際基準の英語能力測定試験「TOEFL」に挑戦したと言います。

その後、アメリカ・ペンシルバニア州の州立大学に合格。在学中にロシア語に興味を持ち、ロシアの名門サンクトペテルブルク大学で1年間文学や歴史を学んだこともあり、英語だけでなく、ロシア語も話すことができます。このことについて嶋さんは「複数の言語を知ることは、自分の中に複数のチャンネルが持てるようになること。文化の違いに加えて自分の視野・世界観が変わること」と話します。

そしてペンシルバニア州立大学卒業後は、ニューヨーク・マンハッタンにあるエンパイヤステートビルディングに事務所を構える旅行会社に就職し、7年間勤務しました。「職場ではクライアントの旅行というより、自分の旅行の計画を立てていた方が多かった気がしますね」という実体験に基づく国際派です。

ニューヨーク・マンハッタンでの1枚

フリーで翻訳・通訳をやっていた期間を含めると、海外で過ごしたのは約13年半。その後、日本に帰国しました。

就職を機に、縁もゆかりもない未知の地、北九州へ

帰国後は地元佐賀県で英会話講師の仕事を始めた嶋さんですが、北九州市にあるTG外語学院の求人を見て応募したことがきっかけで北九州市へ移り住むことになりました。

佐賀に住んでいた時は福岡市までしか行ったことがなく、その先は未知の地だったと言い、北九州市に行くことはもちろん初めて。大冒険だったと当時を振り返ります。「最近、折尾駅はリニューアルして新しくなりましたが、私が面接のためにやって来た2011年は歴史を感じる古い駅舎で…。佐賀から電車で約2時間なのに『すごいところに来てしまった。遠くまで来てしまった』と感じたのを覚えています」と話します。

北九州に移り住む前、この街について「八幡製鐵所があった街。昔は工場の煙の影響で洗濯物が外に干せなかったそうだ」という程度の情報しか持っていなかったと言い、実際に暮らし始めてみると「環境問題に取り組み、公害を克服した街。今はすっかりエコシティで、きれいな街」だと北九州に対する印象が大きく変わったとのこと。

五市合併したということも知らなければ、『小倉』と『北九州』がごちゃごちゃになるくらい地理もよく分かっていなかったという嶋さんにとっては、「八幡」が「西区」と「東区」に、「小倉」が「北区」と「南区」に分かれているのも不思議だったと言います。

北九州市に移住してから11年目となりますが、『おうち大好き人間』の嶋さんは、3年前に折尾駅で保護されたネコと暮らす『自宅』と『職場』『スーパーマーケット』から成る三角地帯から出ることはほぼなく、北九州市内でも知らない場所がまだまだたくさんあるそう。

「北九州に来てからずっと折尾に住んでいますが、住みやすく生活しやすい環境で気に入っています。北九州市の他の場所もいろいろ行ってみたいと思いつつ、外に出る時は思いっ切り遠くまで行こうという気持ちになってしまうので、飛行機に飛び乗ってニューヨークまで出かけてしまい…なかなか北九州市をゆっくり見て回るということができないまま、10年以上過ぎてしまいました」と笑います。

北九州市は自然な国際感覚を持った人が多い場所だと感じる

嶋さんが勤務している「TG外語学院」がある折尾の街、また北九州の学生たちについて印象を尋ねると、「東筑高校や自由ヶ丘高校がすぐ近くにあり、産業医科大学からも近く、若者が集まる勉強の街ですね。TG外語学院にもいろいろな目的をもって英語を学習に来られる生徒さんがいます」とのこと。

「北九州市自体、国際貿易港として栄えた歴史を持っていたり、コロナ禍以前はインバウンドで海外からの観光客も多かったりと昔からさまざまな人の流れがある街なので、ある意味自然な国際感覚を持った人が多い場所だと感じています。元々、折尾エリアも北九州学術研究都市(若松区ひびきの)などが近く、留学生が多くいる国際色豊かな地区ですが、新しくなった折尾駅の駅舎とともにもっと国際交流が進むのではないかと考えています」と続けます。

北九州市を含む福岡県は英検準2級レベルを取得した高校生の割合が全国3位とレベルが高く、嶋さんが受け持っている生徒たちも熱心な子が多いと言います。そういった一面がある一方、「北九州という土地柄なのか最近の若い子たちの傾向なのか分からないのですが、『家から離れたくない』『親が好き』という親思いの子が多く、進路の選択先を地元だけに絞り込んでしまう子も多い」とのこと。

「親思いなのはとても素晴らしいことなのですが、『親のことを考えず、自分のやりたいことをやりなさい』『後悔するような可能性を残さないように』ということを生徒たちには話します。心残りを残したまま進学し3年間をムダにした経験、もう一度やり直そうと決意してアメリカに渡り世界が広がったという実体験を持つ私だからこそできるアドバイスだと思っています」と言い、「アドバイスに耳を傾けてくれた生徒が受験から数年経って感謝の手紙をくれた時は本当に嬉しかった」と話します。

産業医科大学の医療従事者への指導を多く担当

産業医科大学が教室のそばにあることもあり、産業医科大学の医療従事者への指導も多く担当してきた嶋さん。指導した生徒の中には、ジョンズホプキンス大学やスタンフォード大学、コロラドの形成外科施設などで活躍しているドクターが複数いると言います。また、チェコの医学部に進学した生徒、ハンガリーの医学部に進学した生徒の英語指導を担当した経験もあるとのこと。

「医学の研究は、コロナでより鮮明になったように完全にボーダレスです。実際、研究者として、あるいは医師として、海外留学も視野に入れてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そのため、留学以外でも、英語でのミーティングや国際学会、論文執筆などに英会話や英語の力はどうしても必要になってきます」と言い、現在教室では数年後にアメリカやオーストラリアへの留学を目指し、英会話やIELTS対策に余念ないドクターたちが学んでいるそう。

また、帰国子女の国内大学受験、ホテル・航空業界の英語指導も多いと言います。

英会話上達のコツは何なのか。その質問に対し、「話す上でも英文法はとても重要です。でも話すときは理論を必要以上に考えないで音を重視しましょう!プライドは捨てて、簡単な文でいいから作って声に出していくことが大切です」と教えてくれました。

◆取材協力:「TG外語学院」(北九州市八幡西区折尾3-1-14)

※2022年5月13日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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