気温30度越、前年比約2倍 熱中症救急搬送は高齢者に集中
全国的に猛烈な暑さが続いている中、今年4月から環境省による「熱中症特別警戒アラート」が新設された。
横浜地方気象台の三浦観測所のデータによると、7月1日から15日の間で最高気温が30度を越えた日が昨年同時期は5日だったのに対し、今年は9日間に増えている。総務省消防庁が発表した7月1日から7日の全国の熱中症による救急搬送者数は9105人。昨年の同時期は4026人で2倍強となっている。
神奈川県がまとめた統計では、暑さ指数が33度を越える「熱中症警戒アラート」が発令された7月6日の各市町村の救急搬送者数の合計は131人。横須賀市内では5人が熱中症で倒れており、うち3人は65歳以上の高齢者だった。
横須賀市健康増進課によると、高齢になると外部変化を感じにくくなり、暑さやのどの渇きに鈍感になる傾向がある。その結果、水分不足に陥る。「暑さで体調を崩す前に、高齢者に熱中症予防の声掛けを」と呼び掛けをしている。アラートが県に発令された場合、市では公式LINEやHPなどで発信し、安全確保に努めるよう周知を図っている。
市内各所で「ひと涼み」
熱中症のリスクが高まっている昨今、猛暑を乗り越えられるようにと横須賀市は、独自の取り組み「ひと涼み運動」を推進している。外出時に暑さを感じたら、用が無くても指定の施設で「ひと涼み」できる。目印は「白くま」が描かれたのぼり旗やポスターを掲示している施設で、市役所や行政センター、市民活動サポートセンター、民間施設の郵便局など全173施設が対象。
これらの場所では、冷房設備が整っており、市健康増進課は「体調の変化を感じたら、気軽に立ち寄ってください」と話している。