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【千葉市美術館】麗しい花鳥版画が35年ぶりに里帰り!『ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』が開催

イロハニアート

『ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』が、2026年1月17日から千葉市美術館にて開催されます。

アメリカ・ロードアイランド州に位置するロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(通称・RISD美術館)の花鳥版画、163点が里帰りを果たす展覧会の見どころをご紹介します。

RISD美術館とアビー・オルドリッチ・ロックフェラーの関係とは?


歌川広重《雪中椿に雀》 大判短冊錦絵 天保3〜6年(1832〜35年) RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン(RISD美術館)とはどのような施設なのでしょうか?アメリカ合衆国ロードアイランド州プロビデンスにて1877年に創立した美術大学であるRISDは、 全米最古の創立校のひとつです。

「美術大学のハーバード」とも呼ばれ、付属のRISD美術館には、美術に高い関心を寄せる地元の名士たちの寄贈により、古代から現代に至るまで10万点を超えるコレクションが収蔵されています。そのうちの約4000点を日本美術が占めていて、質・量ともにアメリカでも有数の充実ぶりを誇ります。

アビー・オルドリッチ・ロックフェラー 1900年撮影 Courtesy of the Library of Congress, LC-B2-6330-13)

このRISD美術館に、自らの花鳥版画コレクション全点を寄贈したのが、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー(1874〜1948年)です。ネルソン・オルドリッチ上院議員の四女としてプロビデンスに生まれ、1901年にジョン・D・ロックフェラー・ジュニア(1874〜1960年)と結婚。

社交界の名士・慈善家また芸術のパトロンとしても知られ、1929年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)の発案と設立に尽力しました。

そして1916年から日本の版画の収集をはじめ、10年以上にわたり700点以上の花鳥版画を収集すると、1934年にRISD美術館へと一括して寄贈したのです。

北斎、広重、若冲、それに柱絵から団扇絵まで。本展の主な4つの見どころ


それでは本展の主な4つの見どころについて追ってみましょう。

歌川広重《烏瓜に目白/芍薬に小鳥》 中短冊判錦絵 天保3〜6年(1832〜35年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

1.北斎、広重ら浮世絵師による花鳥版画163点が35年ぶりに里帰り


アビー・オルドリッチ・ロックフェラーが収集したこのコレクションは、花鳥版画に特化したものとして世界的にもきわめて貴重な存在です。19世紀のジャポニスムの流行期に多くの花鳥版画が海外へ流出したため、国内でまとまって鑑賞する場はほとんどありません。今回の展示では、その名品の数々を間近に堪能できる、希少なチャンスとなります。

2.歌川広重110点、唯一の版と思われる伊藤若冲の作品も日本初公開!


歌川広重《月に雁》 中短冊判錦絵 天保3〜6年(1832〜35年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

花鳥画は、時代の流行に左右されることなく親しまれてきた題材ですが、江戸時代末期の天保年間には、葛飾北斎による花鳥版画が出版され、庶民の間にも広まりました。その後、多くの浮世絵師がこの画題を手がけるようになり、とりわけ歌川広重は圧倒的な制作数を誇ります。

伊藤若冲《雌雄鶏図》 木版彩色摺 江戸時代 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

そして今回は広重の作品110点を中心に紹介するほか、現存が確認されている唯一の版と考えられる伊藤若冲の花鳥版画が、日本で初めて公開されます。

3.柱絵、団扇絵など多彩な判型の花鳥版画を展示


団扇の骨に貼るために制作された「団扇絵」や、家の柱などに小さな掛軸として貼られた「柱絵」、さらに裁断前のまま残された版画など、さまざまな判型の浮世絵版画を紹介します。加えて、制作過程をうかがわせる希少な下絵も展示され、浮世絵版画の多彩な表現世界を堪能することができます。

4.アビーの収集の軌跡をたどる展示


アビー・オルドリッチ・ロックフェラーが最初に収集した花鳥版画、歌川広重の《水葵に鴛鴦》と《紫陽花に川蝉》から展示は始まります。彼女が残した「部屋を花鳥版画で飾る」という言葉のとおり、会場全体が花鳥版画に囲まれた暮らしを思わせる空間として設られます。

同時開催の「うるわしき摺物―縁をつむぐ浮世絵」も充実!


葛飾北斎《露草に鶏》 団扇絵判錦絵 天保3年(1832年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

同時開催の「うるわしき摺物―縁をつむぐ浮世絵」も見逃せません。摺物とは、江戸時代に特別注文で制作された、贅を尽くした非売品の版画を指します。RISD美術館には千葉市美術館所蔵の「摺物帖」と、もとは一対であった摺物群が所蔵されており、両館は長年にわたり学術交流を重ねてきた縁がありました。

今回、千葉市美術館の「摺物帖」をRISD美術館に貸し出し、現地ではこの交流に光を当てた展覧会 “Deep Cuts: Stories from Two Surimono Albums” が開催される予定です。千葉市美術館でもこれにあわせ、自館コレクションから摺物を多数紹介し、関連特集として展観します。精緻な彫りや摺りの技、そこに込められた江戸の美意識を味わうことができるでしょう。

RISD美術館が所蔵する約700点の花鳥版画から、厳選された163点を紹介する『ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』。花や鳥の種類、絵師の個性、作品のかたちなど、どれもが豊かな多様性に満ちています。

葛飾北斎《「鷽 垂桜」》 中判錦絵 天保5年(1834年)頃 RISD美術館蔵 Courtesy of the Museum of Art, Rhode Island School of Design, Providence Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr.

慈善家としても知られるアビー・オルドリッチ・ロックフェラーは、花鳥版画を通して日本の美に深く魅了され、その作品に囲まれた暮らしを楽しみました。彼女のまなざしをとおして、異国で育まれた日本美術への憧れと、江戸の時代に花鳥画が生まれ愛された空気の両方を感じ取ることができるでしょう。

ぜひこの機会に、麗しく、また親しみ深い花鳥版画の世界へと、ゆっくりと身を委ねてみてください。

展覧会情報


◆『開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』 千葉市美術館

開催期間:2026年1月17日(土)〜3月1日(日)
所在地:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
アクセス:JR線千葉駅東口から徒歩約15分。京成バス(バスのりば7)から大学病院行または南矢作行にて中央3丁目または大和橋下車徒歩約3分。
     千葉都市モノレール葭川(よしかわ)公園駅より徒歩5分
開館時間:10:00~18:00
※金・土曜日は20:00まで
※入場受付は閉館の30分前まで
休室日:月曜日(2月23日をのぞく)、2月24日

観覧料:一般1800円、大学生1200円、小・中学生・高校生無料
※本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も観覧可
※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料2割引

美術館HP:『開館30周年記念 ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン所蔵 ロックフェラー・コレクション花鳥版画展 北斎、広重を中心に』

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